

図版・解説 並木克敏

【はじめに】
気功は, 練功による自己鍛錬や自己保健法以外にも, 誰でも簡単に行うことができる
ツボ療法があります。「一病多治」といわれるように, 一つの病気に対して多くの治療
法を会得することも必要です。ここでは, 手穴療法の基本と操作方法を解説したいと
思います。
□ 手穴療法の基本 □
手掌の指圧は, 両手のどちらでもよいのですが, 片手から始めたら, 一通り指圧が終
了してから, 反対の手に移ることを原則としています。 反射区全体をまずよく揉み,
腫
れぼったいとか, あるいは一番痛い部位を探します。これらの反応を「得気感」といい
ます。そこが「反射点」ですので, その部位を中心にして, 指か指圧棒で丹念に刺激
します。
□ 手穴療法の操作方法 □
「指圧の方法」
虚症タイプの人は, 補法として軽く柔らかな刺激とします。実症タイプの人は,
瀉法とし
て強い刺激とします。また, 虚症と実症の中間タイプ の人は, 平補平瀉で中程度の力
とします。また,
「刺激の仕方」
刺激の仕方には三種類の方法があります。(1)ツボを5〜6秒間押し, 1〜2秒間離し
ます。このリズムを繰り返し続けます。(2)ツボを押し続けます。(3)ツボを押しながら
もみ続けます。この最後の方法は, より強い刺激になります。
「刺激の回数と時間」
治療のためには, 朝晩各一回行い, 改善されてきたら一日一回とします。また,
一つの
ツボに要する時間は, 調整の場合には1〜2分, 治療の場合には2〜3分とします。長く
ても5分を超えないようにします。
「治療後の対処法」
指圧後には, 温かい飲み物を必ずコップ一杯飲みます。 その理由は, 指圧によって体
内の水分が蒸発し, 血液の濃度が高まるからです。
【 手穴療法 目次 】
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