2001.05.05 創刊
(03-07) 気の交流
気は物質として人の間を行き来す (Ｎo.35)
2002.10.26
【空気と生命】
私たちの身の回りに存在している空気の主な成分は, 窒素, 酸素, アルゴン,
炭酸ガスなどである。そのうち, 動物は酸素を吸って炭酸ガスを吐き, 逆に植
物は炭酸ガスを吸収して酸素を吐き出す。動物と植物との見事なまでもの共存
関係がここにはある。それでは, 空気中に体積比で78.10％も占める「窒素」
と生命との関係はどうか。窒素という物質は, 室温ではきわめて不活発であ
るが, 高温高圧で水素と反応してアンモニアが作られることは, 科学に多少な
りとも興味がある者ならばよく知られていることである。しかし, 大気中の窒
素が生命と関係していることを知ったのは, 不覚にも家庭菜園をやり始めてか
らのことであった。ふとしたきっかけで家庭菜園を始め, 植物という生命を育
てる楽しさに深く「のめり込ん」でしまい, 一時は「米とごぼう」以外, 食卓
にのせるものはすべて自給自足であったほどだ。それ以来三十数年近く野菜と
付き合ってきたが, ここでもいくつかの生命の不思議を体験した。
【枝豆の不思議な優れ技】
その一つが, 無機質な窒素と植物との密接な関係である。それは, 窒素がある
種のバクテリアと結合して植物の栄養になるという事実であった。枝豆を作っ
ているとき, 葉っぱばかりがわさわさと茂っているのに, いっこうに豆が着か
ない。どうしたものかと, 近所の農家に尋ねてみると, 窒素肥料を控え目にし
ないと駄目だといわれた。枝豆は根っこで窒素肥料を自分で作るという。「窒
素・リン酸・カリ」は植物の三大肥料といわれるが, 大気中の無尽蔵に存在す
る窒素を, 枝豆は肥料に変えてしまうのである。生命体のもつこの「優れ技」
に, このときえらく感動したのを覚えている。書物には, 大気中の窒素を窒素
肥料に変えているバクテリアは, 豆科の根に共生している「窒素固定細菌」と
書かれているけれど, キュウリやトマトの根には, ないのだからやはり不思議
である。私にとっての家庭菜園の魅力は, 生命を育て新鮮な命を頂くというよ
りも, 生命の不思議な営みを日々発見するところにあった。全くの無知から出
発したので, 最初十年間は感動の連続で「めちゃくちゃ」に楽しいおもいをし
た。生命は実に偉大であった。
【気は物質である】
酸素と炭酸ガスは, 動物や植物の生命活動に不可欠な物質であるけれど, 通常
では大気中に散在するだけで, 個体の間を行き来することはない。救命のため
の人工呼吸では, 口移しに空気を強制的に送り込むことはある。しかし, 私が
吸った酸素を, １メートルも離れてた人の肺に送り込むことはできないし, そ
の人も独自に呼吸をしているのであるから, その行為自身が無意味である。人
と空気との間には, 酸素を吸って炭酸ガスを吐く呼吸という関係が存在するが,
酸素を媒介にして人と人が交流することはない。呼吸器系の機能が極端に弱れ
ば, 酸素ボンベのお世話になるだけである。ここにあるのは, 人と酸素の交流
のみである。
ところが「気」はその性質を大いに異にしている。大気中に広く散在するとさ
れる「外気」は, 一方で酸素と同様に人の体内に入り生命活動を維持させてい
る。しかし, 他方で「気」は個体だけと交流するだけではなく, 人と人との間
を一定の法則の下に行き来することもできる。昔の長屋の八っあんからクマさ
んへ, クマさんから八っあんへと, 醤油や味噌をお互いに融通し合ったように,
「気」はあたかも物質のごとく相互の間を移動することができるのである。先
日, ノーベル物理学賞を受賞された小柴昌俊氏が, 研究している「あらゆる物
質を通り抜ける」という「ニュートリノ」も不思議な物質であるが, 「気」 も
また不可思議な物質に違いない。
【気は貸し借りできる】
「気」が人と人との間を移動するというと, 読者諸氏は, すぐに気功師による
外気治療や, 離れたところから人を動かす外気導引を思い浮かべることであろ
う。つぶやくに違いない。しかし, 「気」は気功師の独占所有物ではなく, 自然界
の酸素のように「人」にみな等しく与えられている物質なのである。必ずしも気
功師のように高度なトレーニングなしでも, 「気」を物のように貸し借りすることも
できる。たとえば, 体調の悪い人が, 元気のいい人から一時的に「気」を借りるこ
とも可能である。体調が良くなったらお返しすればいいのである。あるいは, 気
的パワーの乏しい人たちが何人か集まって, 虚弱体質の人を集団で治療した
り, 体質改善させたりすることもできる。それは, 乏しい気的パーワーの持ち主
が, お互いに少しずつ「気」を持ち寄って, 集団で外気治療を施す方法である。
私たちは, それを「気の交流法」と呼び, 遅れている人を引き上げることを目的に
して, 相互扶助の精神の下で実践している。このように「気」が相互に交流でき
るのは, 得体の知れない霊のごとき存在ではなく, 「気」が物質であるからに他
ならない。「気」の完全なる正体は今だ不明のままだが, 物質のように貸し借
りできる「実体ある存在」であると言うことはできる。
＊＊ 会員からのメッセージ ＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
『外気治療 私にもできるんですね』（仙台市 ＵＫさん♂）
『お世話になっています。私は地方で理髪店を経営しています。バーチャル気
功道場の経験は, 二年ほどになります。三ヶ月前, 肩凝りと腰痛の外気治療の
方法が届きました。私にできるのだろうかと不安でしたので, まず腰痛持ちの
弟に試してみました。腰に気を送ったところ, 弟はなにか温かい感じはするよ
うでしないようで, 結局, 痛みは消えないといいます。一寸馬鹿にされたよう
で, 自信喪失しました。でも翌日に弟から, 朝起きたら腰の痛みが薄らいで楽
になったという電話がありました。自分にもできるのだと嬉しくなりました。
それからは, 腰痛や肩凝りのお客さんがくると外気治療をやっています。まだ
パワーが弱いので, 効果は半分ぐらいです。それでもお客さんにはとても喜ば
れています。』
＊＊ 購読者コーナ ＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
□ 意見 □
『先日, 「気の感じ方」を送っていただきありがとうございました。この方法
はすでに知っていました。ただ, 手の形がこんなに厳密なものだとは知りませ
んでした。手をかざしているとホカホカと温かく感じられます。私の友人に試
したら, 体温が伝わってくるのではといわれました。１度の温度差もないのに
体温ではないですよね。今度は「気の見方」を教えて下さい。まだ気を見たこ
とがないものですから。楽しみにしています。』（ＷＫさん）
□ 意見 □
『「気の感じ方」を配信を, ありがとうございました。これは気の感じ方で,
気の見方ではないですよね。僕の場合, 手の甲に手の平を向けたら, 気が感じ
るだけでなく, 気が見えました。 手の平から白い霧状のものが, 下に向かって
出ていました。もうびっくりです。少し暗いところでやると良く見えるようで
す。』（ＴＭさん）
※気功やこのメルマガの内容に関して, ご意見やご質問がありましたら, 是非
お寄せ下さい。お待ちしています。
Email aam13920@nyc.odn.ne.jp 編集 森澤陽子（准指導員）
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【バーチャル気功空間 気の世界】隔週
発行元: 日本気功倶楽部
監 修: 天地 一道
編 集: 森澤 陽子
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