藤岡　正巳

（08）気功の効用　

健康維持・病気回復から潜在能力開発まで

【気功鍛錬による各種の効用】
　　　
　　　
気功をやると身体にどういいのか，これは健康に関心のあるすべての人にとって，

最大のテーマだと思われます。気功の効用については，気功関係の出版物の中で，

その多くが語られているので，まずはそれらを列挙してみることにします。
　　　
・免疫力の強化　気を養い育てることで，自然治癒力を高め，病気に対する抵抗力

が増します。病気の予防に効果があります。

・治療効果　　　「気血」といわれるように，気の流れを強めることで，血液の循環が

よくなり，末梢の血管まで，酸素と栄養素を十分に行き渡らせることができます。

そのため，神経系、消化器系、呼吸器系、循環器系等の機能が高まり，各種の病

気を改善させることができます。

・リラックス　　交感神経の緊張を緩め、自律神経のバランスを回復させ，リラック

スすることにより、ストレスが解消されます。

・精神の安定　　気功の鍛錬中にアルファー波の脳波が現れ、この作用で大脳の抑

制状態が保たれるため、大脳皮質の興奮を和らげ、精神の安定が得られます。

・長寿の実践　　自然治癒力を高め，病気に対する抵抗力が強まると共に，大脳

の興奮を抑え，ストレスのないリラックスした状態で日常を過ごせるために，長寿を

実践することができます。ストレスは，現代人の最大の敵です。

・集中力の強化　大脳の神経細胞は，百四十億個ほどありますが，普通の状態で

は，その数パーセントしか働いていないといわれています。気功の鍛錬によって，

脳細胞を活性化させて，集中力を強化することができます。

・潜在能力開発　気功の鍛錬を通じていろいろな潜在能力を開発することができ

ます。これは，特殊な人だけが授かった超能力というものではなく，誰もが内に秘

めた潜在能力のことです。

　　　この他にも，以下の効能が指摘されています。

　　　・基礎代謝を低下させてエネルギーを蓄える。

　　　・唾液や胃液の分泌量が増え、消化能力をアップさせる。

　　・肺活量が増える。
　　

　　　【気功　三つの効用】　　　　

　　　
気功は，このように見てくると，呼吸器系，循環器系，消化器系，神経系，内分泌系

と，身体のすべての機能に関係していることが分かります。とはいえ，このような

説明では，まるで教科書を読んでいるようで，退屈でリアリティが伴わないという不

満を，読者は覚えることだろうと思います。そこで，上に挙げた気功の効用が，具体

的にはどのようなものであるのか，気功の鍛錬を通じて得られた体験を交えながら，

お話を続けたいと思います。気功の効用を大きく分類してみると，次の三つになるか

と思います。第一は，肉体的な健康に関するもので，健康の維持と病気の回復で

す。そして，気功の鍛錬を持続することで，結果として長寿が実践されることにな

ります。第二は，精神的な健康に関するもので，諸々のストレスを緩和させて，リ

ラックスした心の状態を保つことです。肉体的に健康なだけではなく，穏やかな心

の状態のまま，長寿を実践することになるのです。なんと幸せな人生ではないでし

ょうか。そして第三には，潜在能力に関するもので，気功の鍛錬を続けることで，

身体の奥に秘められている潜在能力を引き出し，開発することができます。人によ

っては，電話帳をまるごと一冊暗記してしまうような能力を持っているのですから，

人間の能力の限界は，今なお未知数と云えます。

【「テロとウィルスの世紀」　免疫力の強化を】
　　　
　　　
ここでは，第一の肉体的な健康の効用について，私のつたない体験からお話した

いと思います。気功をやり始めてからしばらくして，誰もが最初に実感することは，

疲れにくくなった，寒さに強くなった，風邪を引かなくなった，などではないでしょう

か。私の場合もそうですし，周囲の人のそんな声をよく耳にします。疲れにくくな

った，風邪を引かなくなったということは，本来生まれながらにして人間が持ってい

る「免疫力」が，気功の鍛錬によにって高まったということであり，体内に入った細

菌やウィルス等から身を守る力である「生体防衛機能」が強化されたからに他なり

ません。気功の鍛錬による最も顕著で，今日最も必要とされてる効用は，自己の

「免疫力」の強化にあると思われます。O-157に始まり，狂牛病, 鳥ウィルスと，人

への感染の危険がすぐ身近に迫っています。それなのに，免疫力が1980年と較

べて, 現代人のほとんどすべての年代で，大きく低下しているという調査結果が

あります。その中でも特に, 20～40歳代では30％も低下しているといわれます。二

十一世紀が「テロとウィルスの世紀」と言われるだけに，日本を背負っている働き

盛りの世代の免疫力の低下はより深刻です。グローバルな競争社会における過労

と睡眠不足，ストレスの増大，ダイエットと偏食による栄養不足，運動不足，昼と夜

の逆転生活等々，免疫力を弱める条件は，これからも多くなることはあっても，少

なくなることはないように思えます。「免疫力の強化」は，二十一世紀を生き抜いて

いく人々の，重要なキーワードの一つになることでしょう。一指禅功は，この「免疫

力」を確実に高めます。

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　　　【やさしい気功のミニ講座】
　　　
　　　発行元: 日本気功倶楽部
　　　監　修: 藤岡　正巳 (主席指導員)
　　　編　集: 正田　竜二
　　　
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