「生命の気吹」写真集バックナンバー


撮影・解説 並木克敏





庭師・並木克敏の剪定



イヌツゲの散らし玉仕立て


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(08) 老人とイヌの散歩


【杖をつくご老人の散歩を先導する名も無き忠犬】




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足の遅いご老人が来るのをしたすら待つ




そしてまた, スロープを登るご老人を待つ




土手を降りる階段までご老人を先導する



■ 並木克敏的独り言 ■


飼い主の歩みなど無視して, ぐいぐいと手綱を引っ張り回すわがまま

なイヌがいる。ところがこの犬は, 足の悪いご老人の行く手を歩き, ま

るで母親が子供にするように, 来るのをひたすら見守っているではな

いか。
近づいてこの犬の顔を見ると, もう若くはなかった。




(07)ミスマッチが面白い




遠くの方に一塊の動く赤い物体かある  なにやら人間と犬のようだ




近づくと小さなおばさゃんと, 大きなセントバーナード




(06)お寺の空間構成(その2)


木々によって見え隠れする本堂を敷石(延段)によって導く】




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都会にある徳川家ゆかりのお寺    門を入ると大きなヒマラヤスギが視界をさえぎる




ヒマラヤスギの脇を武家屋敷風の参道が走る      庭師・並木克敏剪定のイヌマキ




ゆったりとカーブした敷石(延段)の参道を進むと本堂の前庭へ   これぞ路地(茶庭)の手法



■ 並木克敏的解釈 ■


正面を竹林と人手の加わらないヒマラヤスギで, 外からの視界を遮

り, ヒマラヤスギの脇からゆったりとカーブした敷石(延段)の参道を

進むと, 自然と本堂前庭へ到る。歩むことによって風景が目の前に

次々と現れてくる, この空間構成は, 千利休などによって確立され

た路地(茶庭)にその源がある。なお, 徳川家ゆかりのお寺だけに,

植木の
剪定が散らし玉仕立てなど, 書院風の庭の趣がある。




(05)お寺の空間構成(その1)


【此岸(この世)から彼岸(あの世)への空間的演出】




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都会にある暗く鬱そうとしたお寺の参道  敷地の2/3以上を占める舞台装置




参道の隅には水子供養の地蔵が並ぶ  そして参道の突き当たりを右に廻り込む




一転して赤や白や黄の彼岸花の咲き乱れる明るい本堂の前庭へ



■ 並木克敏的解釈 ■


人の手が加わらない薄暗く原始な参道から, 彼岸花の咲く明るい

本堂前庭へと導く演出は, 此岸(この世)から彼岸(あの世)への空

間的な表現と解釈できる。




(04)我が家に棲みついた迷い猫

【ホームレスは猫でもつらいのにゃ〜の巻き】



棲みついたばかりで, どこか緊張感が漂う (2009年春先)




モコモコの毛並みのためか夏バテ気味(盛夏) 痩せこけて情けない表情




住む場所を得て穏やかな表情へと変わる (2009年晩秋) 



■ 並木克敏的独り言 ■


住む」とは, 居所を定めることだが, それはさらに「澄む」に通じ, 濁り

がなくなるとか, 心静かの意味になる。人は, 住む場所を得ることによ

って, 精神が安定するのである。浮き草暮らしのホームレスは, 猫で

もつらいのにゃ〜である。




(03)整然としたヒイラギモクセイの生垣


【裏方の仕事もまた楽しからずや



東京藝術大学の宿泊施設, 上野の「不忍荘」




整然とした生垣も裏方の苦労があればこそ


■ 並木克敏的独り言 ■


「籠に乗る人, 担ぐ人, そのまた草鞋を作る人」という言葉がある。

誰もが「籠に乗る人」になりたがるけれど, 「籠に乗る人」だけでは
,
この世は成り立たない
草鞋を作るのが楽しいのならば, 「草鞋を

作る人」
になることも, これ「また楽しからずや」である。しかしながら,

芸大の学生にとって裏方の仕事は, 視界には入るけれど, 全く見え

ていないのである。


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(02)無残にも切り刻まれたビワの木




樹木も人間と共通の遺伝子をもった生命体なの
に  想像力が足りないのでは




切られてもなおも生きる「しぶとさ」 (2009年春)     その三ヵ月後には復活する(夏)




あれから一年 完全復活するが実は付かない (2010年夏)


■ 並木克敏的独り言 ■


世の中には, 樹木を生命の宿る生き物と感じる人と, 街路に設置され

た電柱のように, 地面から突き出た単なる物質としか感じない人がい

る。樹木がこのような人と出会うと不幸である。



(01)草花と遊ぶ少女たち



子供のころ出逢ったようなメルヘンチックな懐かしい風景




草の頭飾りを編む少女たち


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