2001.05.05 創刊
(06-12)マジックと気功 その「共通点」と「相違点」
2005年12月31日 (No.76号)
【 マジックとは 「1 魔法, 妖術。2 奇術, 手品」である 】
マジックと気功の「共通点」と「相違点」は, どこにあるだろうかと問われたな
らば, 気功を多少とも体験している人でるあるなば, きっとこう答えるに違い
ない。マジックと気功の「共通点」は, どちらも非日常的で不思議な現象の
ように見える。けれども, マジックにはイカサマのような「トリック」があるのに
対して, 気功は生命現象そのものであって, 決して「トリック」ではないと云う
であろう。あるいは, 気功をまったく経験していないうえに, 疑い深い人であ
るならば, どちらも「トリック」であるに違いないと答えるかも知れない。ここで
不用意な混乱を避けるために, 「マジック」と呼ばれる用語の範囲を限定し
ておきたい。『大辞泉』で「マジックとは」を引いてみると, 「1 魔法。妖術。
2 奇術。手品」とあった。さらに, 「魔法とは, 人間の力ではなしえない不思
議なことを行う術。妖術とは, 人を惑わすあやしい術」とある。それに対して,
「奇術とは, 観客にわからないような仕掛けで人の目をくらまし、いかにも不
思議なことが起こったように見せる芸。手品」であり, 「手品とは, 巧みな手
さばきで、人の目をくらまし、不思議なことをしてみせる芸。奇術」であると
云う。 ここでのテーマである気功との比較で, 「マジック=魔法, 妖術」とし
たのでは, 泥沼にはまってしまうことになるので, 「マジック=奇術, 手品」と
解釈して, 話を先に進めたいと思う。
【 伝統的なマジックとはイカサマ芸 】
マジックを「奇術, 手品」としても, 私のようなど素人からみて, いくつかのジ
ンルがあるように思える。最も伝統的なマジックは, 細長い木箱に入った美
女を, 丸ノコでお腹のところから真っ二つにしてしまうもので, 子供の頃はそ
の恐ろしさに目をそむけたものだ。このマジックのトリックを知ったのは, 大人
になってからで, 「種」を明かせばイカサマ博打と同じである。寝ている美女
の腰の部分の床が凹むのである。なんと他愛もない仕掛けであろうか。東
京・秋葉原駅前の小さな広場に, 話し上手の露天商が数軒立ち並んでい
る。その中に素人相手の手品を商っている屋台がある。今でも秋葉原の電
気街に行くときは, たいていここに立ち寄っている。この店先ではいつも親
父さんが通行人を捉まえて, あまり上手とはいえない手つきで実演をやって
いる。私も野次馬の一人として, 親父さんの手先を見ているのだが, なんと
も摩訶不思議な現象で, そのトリックが見破れないのだ。私はと云えば, 人
並み以上に好奇心が強いので, 気がついたときにはいくつかの品物を買
い求めていた。家に帰り, はやる心を抑えつつ解説を読んでみると, 「一月(
ヒトツキ)100円で食べる方法 ⇒ トコロテンを食べろ」と落語の枕に出てくるよう
に, かなりイカサマ的なのである。分かっているのだが, それでも押入れの
ダンボール箱の中には, さほど高級とも云えない手品の数々が詰まってい
る次第である。私のマジックに関する知識は, 悲しいことにこの程度なので
ある。しかしながら, 装置の大小の差はあるものの, これが伝統的なマジッ
クであり, 道具を揃えさえすれば, 誰もがマジシャンなのである。
【 瓶の底から薬が抜ける二つの術 】
これらのイカサマ的なマジックに対して, 血の滲むような手と指の訓練を経
て獲得した, 極限のテクニックを売り物とするプロ好みのマジックもある。人
間は, 目で見たものを脳で認識し, 身体が動くまでおよそ0.2秒かかるそう
である。このプロのマジックは, 目で見たものを脳で認識する余裕を与えな
いほどに, スピーデーな早業のテクニックである。薬瓶の中に入っている
丸薬を, 蓋をしたまま取り出すというマジックを, 読者諸氏は知っていること
と思う。これには二つのテクニックがあると聞いている。一つは, かつて中
国人気功師がやった「超能力もどき」である。二十年ほど前に外貨獲得の
ために, まだ貧しかった中国から, 自称・気功師なるものが大挙押し寄せ
てきたことがある。その当時, 日本では気功という言葉さえも目新しく, また
気功師とは, 何か不思議な「術」を使うえ得たいの知れない人間と見られ
ていたので, どのテレビ局も争うように特番を組んで放映していた。このと
き, 日本人が最初に出会った気功とは, 不幸にも「気功=超能力もどき」
であった。二つにちぎった木の葉を, 念力で元に戻すとか, 蓋をした瓶の
中にある物体を, 数メートル離れた瓶へと空中移動させるとか, あるいは,
生きたウサギの肝臓の一部を傷をつけずに取り出すとか, これでもかとば
かり一見すると不思議そうな技を得意げに披露していた。しかしながらこれ
らの技は, およそ気功とは関係のないだけでなく, 超能力でもない。ただ
の下手なマジックだったのである。この中に, 蓋をした薬瓶の中の丸薬が,
念力を入れると底から抜けるという超能力があった。テレビを見ていた視聴
者は, 初めのうちは驚かされたけれど, のちにテレビカメラは, あらかじめ
反対の手の中に隠されていた丸薬を写してしまった。下手な底抜けのマジ
ックのトリックは, だいたいこんなところである。
ところが, 薬瓶の中に入っている丸薬を, 蓋をしたまま取り出すという, も う
一つ別の早業のマジックがある。聞くところによると, 日本人のマジシャンの
中で, このテクニックをマスターしているのは, わずか数名に過ぎないのだ
という。薬瓶の中に入っている丸薬を, 蓋をしたまま取り出すというのではな
く, 相手に見えないような早業で, 薬瓶の蓋を開けるのである。これこそがト
リックのマジックではなく, テクニックのマジックである。
【 マジックと気功の融合 】
初代の引田天功やMrマリックがテレビに登場してから現在に至るまで, 俄
然派手さを求め, 非日常的でバーチャルな様相を呈する, さまざまなマジ
ックが出現してきた。初代の引田天功のマジックは, ダイナマイトを使った
危険な脱出劇を演ずる, 屋外で行われる多分にスタントマン的なものに対
して, Mrマリックのそれは今日まで, 相変わらずの舞台芸に徹している。
Mrマリックのマジックには, プロとしてのテクニックのマジックが基本にある
のは当然なのだが, 種明かしをしてくれるものは, すべて伝統的なイカサ
マ芸である。それは, 秋葉原の露天商の手品と大同小異である。この二
つだけでは, 中国気功の「超能力もどき」を経験してしまった日本人の目
には, 魅力に欠けるものに映ることだろう。そこで, Mrマリックは超能力ブ
ームに乗って, ある種の「超能力もどき」を売り物にすることになる。その一
つにMrマリックが, 観客に向かって念力を送ると, 気を受けた片方の腕が
伸びるというマジックがあった。まるで超能力者のなせる術のようで, 摩訶
不思議である。トリックを見破るために, このマジックがどのように演じられ
たのか説明しよう。まずMrマリックは, , 観客の片手を頭上に上げ, 自分
で「伸びろ」と意識しながら, 真っ直ぐ伸ばすことを要求した。同時に, Mr
マリックは, 上げられたその腕に念力を送っている, と繰り返し観客に伝え
続けた。なんのことはない, このマジックは, ただこの単純な動作を5分ほ
ど続けるだけである。すると, 真っ直ぐに伸ばした腕は, 伸ばさなかった腕
と並べてみると, 全員が1センチど伸びでいるのである。Mrマリックの念力
が通じたのである。ここで観客はどっと喚声を上げる。しかしながら, 一見
すると不思議に思えるのだが, 人体科学からすると当たり前のことなので
ある。なぜなら, 人体の関節部は, 完全に固定されているものではなく,
筋肉や靱帯によって支えられているので, 多少だが緩んだり, 縮んだりす
るものなのである。腕を引っ張るように伸ばせば, 腕は伸び, 激しく屈伸運
動をすれば収縮して, 腕は縮まるのである。世間ではあまり知られていな
い人体の科学を, Mrマリックはマジックに応用したのである。もし, Mrマリ
ックがマジックと同時に, 気功をトレーニングして, 人を動かす外気導引の
技をマスターしたとすれば, マジックと気功の境目は, きわめて曖昧なもの
になる違いない。今日, 最先端の科学技術を駆使して, マジックが作られ
ているのだから, そんなマジシャンが登場する日が来るかも知れない。
** 会員からのメッセージ ***********************
『生活の質が高くなった』(福岡 T.Nさん♂)
『 最近の状況ですが、今年になって仕事が忙しくなったこともあり、何ヶ月
か中断していました。8月より滾球法のところから再開し、現在ようやく三
関進気法を1ヶ月練功したところです。気感についてはかなり感じられるよ
うになっており、両手のひらを向かい合わせて近づけると、間に静電気を
帯びた、ねっとりしたものが挟まっているような感じがします。手持ちぶさた
なときに何気なく、そのねっとりをこねまわしたりするのですが、何度かそ
れを友人に見られて不審がられました(笑)。あと、手の甲に反対側の手の
ひらを近づけると、びりびりと電気が流れるような感じがします。ただ、残
念なことに気を見ることはまだできないようです。練功中に、指先から湯
気のような物が見えるような気がするときがあるのですが、はっきり見えた
とは言い難いぐらいの見え方です。
健康状態は、生活習慣を改めて早寝早起きの癖をつけたこともあり、かな
り質が良くなりました。特に朝ははっきりと違いがわかります。去年までは会
社に来たとき、「はぁ〜」とため息をついて、昼休みになるのが待ち遠しか
ったのですが、最近は朝から体中にエネルギーが満ちあふれた感じがし
て、最初から全力で仕事ができるようになりました。毎日の生活の質を上
げてくれた気功に感謝・感謝です。これからも長く続けていきたいと思いま
す。どうもありがとうございました。 』
『口内炎が鎮まる』(愛媛 H.Aさん♂)
『近況報告も添えておきます。やはりこれといった変化、進歩は感じられま
せん。練功中、掌に感じる気のバリヤーのようなものが少しずつ厚くなっ
ているのかな、という程度です。ただ、体調については改善を見ることが
できました。10年くらい口内炎の頻発に悩まされてきた(ビタミン剤など無
効)のですが、気がつくと3月ほどご無沙汰しています。最初の功法の解
説で、練功していると口の中に唾液が湧き出てくるというようなことが書か
れていましたが、私にはそういうことはなく少しがっかりしていたのです。し
かしどこかで唾液が口内炎防止に役立つということを読んだことがあります
ので、口内炎の鎮火は唾液の分泌が多くなったためだと思っています。朝
の寝起きのときに口の中に少し唾液が溜まっているのを感じるようになりま
した。もうひとつは、胃腸の働きがよくなったことことです。子どもの頃から
便秘がちだったのが最近は毎朝の快通快便です。もっとも唾液の分泌と
胃液の分泌は関連があるということですから、口内炎の改善と同じ根のも
のかもしれませんが。 』
『自分の気が見えました』 (静岡 灸太郎♂)
『今月のメールマガジン「(06-11)気は見える」が配信されてきたので早
速読ませていただきました。文章の内容ががつい最近体験した事の説明
の様だったので、とても興味深かったです。
この前の夜、妹(練功経験なし)と他愛も無い話をしておりました。その時
ふと目をやると夜の闇で玄関のガラスが黒くなっていました。目の前に手
を出して座っている格好だったので、背景が黒く丁度気が見易いかなと思
い、ヒョイと人差し指を伸ばしました。するとメールマガジンに書かれてい
た蜃気楼のような見え方と白い棒のような見え方の中間のような感じの白
色の気が見えました。長さは丁度メールマガジンの記載と同じ10cmほど
でした。「おお、気が見える」と僕が言うと妹は、「本当?」といい自分自身
の手を同じようにして見ていました。しかし妹は何も見えなかったらしく、そ
の後僕が見てもやはり妹の手から気が出ているところは確認できませんで
した。そこで僕の手を出して「気が真っ直ぐ出ているの見える?」と聞くと今
度は見えたらしく「本当だ!」と驚いていました。不思議な体験だったので
質問をしようかと思っておりましたが、今回のメールマガジンが配信されて
きて丁度良かったです。自分はまだ練功歴たった1年ほどなのですが、気
功をまったくやった事の無い人とは違いが出るものなんですね。』
** 購読者コーナ **********************
発行元: 日本気功倶楽部
監 修: 天地 一道
編 集: 正田 竜二
※「バーチャル気功空間 気の世界」に掲載された内容を無断で複写、転載、転送および引用することを禁止いたします。なお、お友達の方へ紹介の為の転送は大歓迎です。
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