2001.05.05 創刊
(05-02) 一指禅功とは（その二）
「一指」の深い意味を知っているか？ (Ｎo.54)
2004.01.28
【名の由来 少林内勁一指禅】
一指禅功は，かつて「少林内勁一指禅」と呼ばれていた。「名は体を現す」と
いうように, この七文字の中に, 一指禅功という気功の特徴が, 余すところな
く見事に表現されている。この七文字は, 「少林」「禅」「内勁」「一指」と
いう四つの熟語に置き換えることができる。「少林」とは, この気功が創案さ
れた場所を表し, 具体的には中国の嵩山少林寺や東禅少林寺の気功であること
を示している。次に「禅」とは, 気功が創案された少林寺が, 仏教の中の禅宗
系の寺であることを表すと共に, 「精神を統一し、無我の境地に入って物事の
真の姿を求める」ことでもある。 そして「内勁」とは, 内気もしくは「潜在
的な力」（潜在能力）という意味である。「少林内勁一指禅」を直訳すれば,
中国の禅宗系の少林寺で創案された, 潜在能力を開発するための気功というこ
とになろう。しかしながら，ここには「一指」の熟語が見えない。といのは，
一指禅功＝少林内勁一指禅なのであるが，どちらも「一指」の言葉が添えられ
おり，その重要性を暗示しているかのようである。とすれば，一指禅功の「一
指」には，どのような意味が込められているのだろうか。実はこの「一指」こ
そが, 他の流派と区別される, この気功の最大の特徴をなしているのである。
「一指」の意味を知らなければ， 一指禅功をあまり理解しているとは言えない
し, 「一指」を操ったことがなければ, たとえ一指禅功を練功したとしても，
その真髄に触れたことにはならないと思うのである。それほどに「一指」は,
一指禅功の核心そのものなのである。一指禅功は, 「一指」を鍛え「一指」で
気を操るのである。
【携帯電話と親指文化】
「一指」と言えば，新聞やテレビで最近なにかと話題になっている，携帯電話
の親指文化を想像しないだろうか。街角で，交差点で，電車のホームで，若者
が覗き込むように首を垂らして，携帯電話を夢中になって操作している姿が，
今や都市の風景の一部になってしまった。携帯電話が使い始められた二十年ほ
ど前には，機器も通信費もべらぼうに高かったので，普通の人には高嶺の花で
あった。そんなとき新幹線の食堂で，高級なスーツを着込んだベンチャー風の
青年が，掛け終わった携帯電話を，さも満足そうにテーブルに置いた姿が，今
も印象に残っている。あの頃，誰もが携帯電話を手にできるとは，夢にも思っ
ていなかったのである。ところが携帯電話は，あっという間に全国津々浦々ま
で普及してしまった。大学生はもとより，小中学生までも携帯電話を持ち歩く
時代になったのである。ここに新たな問題が発生した。特に若い人のほとんど
が，手の平に携帯電話を乗せ，親指だけで器用にキーを操作している。電話も
インターネットもゲームもすべて，動かすのは「親指」だけである。この「親
指文化」と呼ぶべき現象は，好ましからざる影響を，脳細胞に与えていると，
多くの医学関係者から指摘されている。「手は体の外に飛び出した脳である」
と言われるように，手の五本の指は，脳とそれぞれ結ばれており，動かす指に
よって活性化される脳の領域が違う。五本の指を万遍なく使うことで，脳全体
を活性化させるのであって，「親指文化」は，脳細胞の働きを偏在化させてし
まう危険があるというのである。
【気の鍛錬法 「一指」を鍛える】
ここで私は，「手は体の外に飛び出した脳である」ということを強調したいの
である。そのような文脈でみると，一指禅功の「一指」の意味が，鮮明に浮か
び上がってこないだろうか。一指禅功の鍛錬法(トレーニング法)は，五百余種
あるといわれるように多種多様であるけれど，その基本は「指」を決められた
手順に従って，順次ゆっくりと曲げていくことにある。太極拳のように身体
全体を使った複雑な動きもないし，逆にまったく動きのない「静功」のように,
意識を丹田に集中させてから，内気をもこもこと体内を巡らすようなこともな
い。一指禅功は, ただひたすら指をゆっくり曲げるだけで, 意念も呼吸法もな
いのである。 「手は体の外に飛び出した脳である」という脳科学の言葉を借
りるならば, 馬歩椿の姿勢を保ちながら, 順番に指を曲げることで, 脳に刺激
を与え, 脳全体を活性化させることで, 潜在能力を開発させると, 言えないだ
ろうか。驚くべきことは, 動かす指の順序が異なれば，その効果がまったく違
ったものになることである。夏バテ解消のときと, 寒波襲来のときでは, 使う
指と動かす指の順番が違う。一指禅功の鍛錬法(トレーニング法)は，五百余種
あるといわれているので, その効能も五百余種あるということになる。「鍛錬」
の上での一指禅功の「一指」とは, なにも考えずに, 飽きることもなく, ただ
淡々と一指を曲げ続けることにある。これが一指禅功の極意である。単純でや
さしいことなのだが, かなりの努力が必要とされる。
【気を操る 「一指」を使う】
一指禅功の鍛錬法が, 主に「一指」を曲げることにあったとすれば, それでは
気を操る「内気外発」とはいかなるものか。白衣を着た中国人の気功師が, 手
の平を患者に向けて引いたり押したりして, 外気治療をしているのを, 読者の
方はテレビで見たことがあると思う。哲学者の湯浅泰雄氏は, 一指禅功の林厚
省氏が行った気功麻酔の現場を見学して「気とは何か」（ＮＨＫブックス 613）
の中で次のように書いている。『私は1984年に上海で, 林師が甲状腺手術の患
者に対して気功麻酔をかける様子を見学したことがある。１メートル足らず離
れたところから, 切開した患部に向かって両手をかるくひらくようにして, と
きどき指や腕を動かしていた。』 さすがである。湯浅氏は, 気功師が動かす
指を見ていたのである。この『ときどき指や腕を動かしていた』というのが,
一指禅功の気を操る「内気外発」の方法なのである。初めて見る人には, 指を
ランダムに動かしているかのようであるが, そうではない。五指の一本一本の
指が, それぞれ異なった機能と役割を担っている。外気治療のとき, 気功師は
必要に応じて正確に指を動かしているのである。これが, 師匠から弟子へと,
口伝でしか伝えることが許されない, 一指禅功の「秘伝の技」なのである。こ
の「秘伝の技」を会得したければ, 「バーチャル気功道場」へ入会するしかな
い。気功関係のどの書物にも, 絶対に書かれることはないからである。
＊＊ 会員からのメッセージ ＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
『本当に時空を超えてですね』（北海道 ベンチャー戦士♂）
『前号で千五百年前の少林寺の禅僧が感じていた, 「気」の感覚を追体験でき
るというので, 恐る恐る会員になりました。送られてきた馬歩椿を一週間ほど
やってみたところ, 指や顔面にしびれてのようなものを感じました。三週間目
に入ったころ, 腕の間に反発するような, 引っ張るような磁石みたいな反応が
現れました。これが前号に書いてあった, 普遍的な気の反応というやつでしょ
うか。とすると, 嵩山少林寺や東禅少林寺の禅僧たちが, こんな感じを味わっ
ていたということになります。まさに時空を超えてです。面白いことです。』
『薬を使わないのがいい』（金沢 茶道師範♀）
『こんにちは。初めてお便りを出します。一指禅功をやって半年になります。
最初は立つ姿勢が, とてもつらかったのですが, やっと平気になりました。太
腿が鍛えられたのですね。今では一つ一つ気の反応が違うので, 毎月送られて
くる功法が楽しみです。特に「双手らん月」は, 私のお気に入りで, 今でも胃
の調子の悪いときにやっています。終ると胃がすっきりしてきます。薬を使わ
ないので, 副作用の心配がないのが, とてもいいですね。』
＊＊ 購読者コーナ ＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
□ 質問 「一指禅功の秘伝とは」□
『貴倶楽部のメールマガジンを読ませていただいていますが, あちこちに秘伝
という言葉が出てきます。パートナーを組んでいる科学者にも, 気功師は本当
のことを喋らないと書いてありますが, 何故なんですか。ウナギ屋さんの秘伝
のタレのように, 盗まれると商売にならなくなる, と言う種類のものなのです
か。差し障りがなければ, 秘伝というその意味を教えて下さい。』
（大阪 整体師♂）
■ 答え ■
『秘伝の意味を明らかにすると, 気功の世界では大いに差し障りがある話なの
です。「バーチャル気功空間 気の世界」では, 第１章から第３章までを, 読
んでいただければ分かるように, かなりきわどい内容のものもあります。その
ためか, どこからか知りませんが, 今でも毎日２〜３通のウィルスが送られて
きます。年間では当倶楽部だけで, 千通近くにものぼります。これだけ執拗な
ウィルス攻撃をされるということは, 当倶楽部はこの世界では, かなり注目さ
れているということになるのでしょうか。喜ぶべきか, 悲しむべきか。それは
それとして, 「秘伝の意味」を明らかにすることは, 気功を理解するうえで極
めて大切なことに思えます。気功を独学している人にとって「目からウロコ」
となるでしょう。人によっては大いに差し障りがあるでしょうが, 本当の事を
お話しましよう。次回は予定を変更して, 「（03）一指禅功とは（その三）一
指禅功の「秘伝の術」とはなんぞや」を書きたます。ウィルスが増えないこと
を祈りつつ。』
□ 意見 「メガネをはずしても気が見える」□
『「気の視方」を送っていただき, ありがとうございました。早速, 気の視方
を試してみました。暗いところに指をかざしてみると, 上に伸びている蜃気楼
のようなものが見えました。私は近視ですので, メガネをはずしてみたところ
不思議なことに, メガネをかけているときと同じくらいよく見えました。普段
の生活ではメガネがないと, ぼうっとしか見えないのに, どうして気だけはよ
く見えるのでしょうか。』（京都 専門学校生♀）
□ 意見 「娘の気が強い」□
『はじめまして。「気の視方」ありがとうごさいます。娘と一緒に試してみま
した。私の指先からは, 白いものがうっすらとしか見えないのですが, 娘の指
先からは, かなりはっきりした白い糸状のものが見えています。若いから生命
力が旺盛なのでしょうね。試しに夫も仲間に引き入れてみたところ, 私と同じ
くらいぼっとしか見えませんでした。気の形は, 生命力の強さを表しているみ
たいです。』（横浜 主婦♀）
※気功やこのメルマガの内容に関して, ご意見やご質問がありましたら, 是非
お寄せ下さい。お待ちしています。
Email aam13920@nyc.odn.ne.jp 編集 正田 竜二
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【バーチャル気功空間 気の世界】隔週
発行元: 日本気功倶楽部
監 修: 天地 一道
編 集: 正田 竜二
※「バーチャル気功空間 気の世界」に掲載された内容を無断で複写、転載、転送および引用することを禁止いたします。なお、お友達の方へ紹介の為の転送は大歓迎です。
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