2001.05.05 創刊
(04-07) マスメディアの幻想（１）
事実の姿を借りた虚像 (Ｎo.47)
2003.06.06
【宜保愛子さんの死】
1986年に出演したテレビ番組で，超能力ブームのきっかけを作った，宜保愛子
さんが先日，胃癌でこの世を去った。宜保さんが本当に，透視をできたかどう
か知る由もないが，たとえ霊視能力を持っていたとしても，マスメィデアに乗
らなければ．あれほど有名にはならなかったろう。逆に，マスメディアが宜保
さんらにスポットを当てなければ，超能力ブームは起こらなかったかもしれな
い。宜保さんがマスメディアを利用したのか，マスメディアが宜保さんを利用
したのか。民放テレビは，その番組にスポンサーがつく限り，視聴率を上げる
ことは至上命令であり，国営もどきのNHKkのように視聴料に依存しないのだか
ら当然のことである。不祥事を起こし，いくら反省を繰り返しても，この鉄則
が揺らぐことはない。視聴率を上げるためには，視聴者の好奇心や覗き趣味に
訴えながら，巧妙な情報操作で画面に引きづり込むのである。
【事実を合成すると別のものに変質】
事実は一つしかないというと思うのは，狭い視界から見た固定観念であり，現
代のような複雑な時代では必ずしも通用しない。「事実」というのは，イコー
ル「実像」を意味しないのである。サラリーマンの街・新橋で，会社帰りの男
性がＴＶのリポーターのインタビューに，自由に答えているように見えるが，
実際には画面に顔を出せるのは，局の意見を代弁している者だけである。局の
意見の「味付け」に使われただけである。自分の意見を言っているつもりだが，
しょせんはお釈迦様の手の中でしかないのだ。事実と実像は，一致しないので
あるが，それを繰り返し繰り返し行うことで，あたかも実像かのような錯覚を
抱かせるのである。ＣＭに出演する女性モデルも，今や一人では完結しない。
モデルＡは顔，Ｂはヒップ，Ｃは手，Ｄは声というように，合成的人間に仕立
て上られているのである。個々のパーツは事実だが，それが合成されたものは，
実像ではなく虚像である。良いところだけを見せつけられるのだから，多くの
女性たちが劣等感を持たされるのも自然である。また，テレビに顔を出すタレ
ントの誰もみな細身なのだから，それを繰り返し目にしている女性たちは，ダ
イエットに走りたくもなるだろう。
【西野流パプォーマンス 実と虚】
並み居る屈強な男たちを一瞬にして吹き飛ばす，あの有名な西野流のパフォー
マンスを読者はご存知のことと思う。あれを見ていると，誰もがいとも簡単に
飛ばされそうであるが，「実像」はそうではなかった。私の教室でも，気を感
じやすい人，気がよく見える人，外気治療が効果的な人, そうでない人，と個
人差は大きい。ということは，西野流の指導員の中にも「飛ばされやすい人」
と「飛ばされにくい人」がいるに違いない。パフォーマンスに際して西野氏は，
飛ばされやすい人を選んで，舞台に上げていたのであろう。「飛ばされやすい
人」と「飛ばされにくい人」が混じっていたのでは，スマートなあの実演も興
ざめしてしまうことだろう。私の知り合いに西野流の指導員をしていたＫ氏と
いう人がいる。彼が言うには，西野氏のパワーをもってしても，「僕は動かな
かった」ので，パフォーマンスに参加させてもらえなかったそうである。「飛
ぶ人」がいることは事実であるが，「飛ばない人」もいることも事実であり，
この両者を含めた全体が「実像」なのである。「飛ばされやすい人」だけを集
めて行われるパフォーマンスは，嘘ではないけれど「実像」ではない。
【マスメディア 超能力ブームの虚と実】
今まで触れてきたテレビの情報操作や，西野流パフォーマンスは，誰もが予想
できるもので，許容範囲内の「虚像」と言えそうである。ＴＶの街角インタビ
ューで，局の悪口を言う人を，わざわざ放映するテレビ関係者はいないし，グ
ローブのような手をした女性を，化粧品のＣＭに使うこともないだろう。ある
いは，事前に「飛ぶ人」と「飛ばない人」を選別せずに，西野流パフォーマン
スも成立しないのである。それは「うちのラーメンは旨いよ」と宣伝するのと
同じことで，社会生活を経験していれば，自然と身に付く「実」と「虚」の関
係である。ところがマスメディアは，ときには「エゲツない」仕掛けをやって
のけることがある。その一つが，超能力ブームである。宜保さんの透視や，あ
の外国人によるスプーン曲げについては，まったく知らないし，興味もないの
で，私が目にしたマスメディアによる「気功」に対する巧妙な仕掛けについて
触れてみたい。この仕掛けが行われた時期は，オウムがサリン事件を起こし，
超能力ブームを演出したマスメディアが，社会の厳しい批判に晒されていたと
きであった。煽っておいて，大いに利用し，最後に葬るのが，マスメディアの
常套手段である。これは，マジックと同様な種を使いながら，「気功」を社会
から抹殺し，とりあえず社会の批判をかわそうという意図が見え隠れしていた。
どのような仕掛けをしたのか。外気功を経験した人ならば気づくと思うが，そ
うでなければコロリと騙されるかも知れない。それは，気功師が相手に気を送
ったとき，前屈させた両手がどこまで届くようになるかという，身体の柔軟性
についての実験に際してであった。さて，読者は手品のような仕掛けをお気づ
きだろうか。
＊＊ 会員からのメッセージ ＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
『手が浮いたようになる』（ＴＮさん♂）
『立禅を４０分やっています。すると１５分ぐらいから手が浮いた感じにな
ってきます。労宮のツボが開いてきたのでしょうか。又、身体には影響ない
のでしょうか。最近, 第２巻目をやり始めてから胃の調子が非常に良くなり
ました。』
『背骨を温かいものが這い上がる』 (北海道 ＯＳさん♂)
『こんにちは、今日やっと私が住む北海道の釧路の街の桜が咲きました。お
世話になっています。毎日、練功に励んでおります。私は毎日、朝、昼、晩
にそれぞれ２０分づつ椿站をやっております。まだ、１５分を過ぎると、股
が震えてきてかなりキツいです。それでも体が暖かくなってきて、気が巡っ
ているのが分かって、それを励みにがんばっております。脚が慣れてきたら、
もっと練功時間を伸ばしたいと考えております。
それと、椿站を始めると、尾てい骨のあたりから、何かお湯みたいな感覚が、
背骨を上がって頭の天辺まで来るのですが、私はこれで頭の気と血の巡りが
良くなって薄毛が改善されるのではと、密かに期待しております。ハゲや薄
毛に効く気功というのはありますでしょうか？あったら教えて下さい。』
（03.05.21）
倶楽部より一言：
ＯＳさんは入会されてから, まだわずか１０日しかたっていません。それなの
に,すでに督脈の中を流れる気を体験してしまいました。背骨をお湯みたいな
温かいものがゆっくり動いているのは, 督脈の中を這い上がってくる気の反応
です。異常というぐらい早い体験ですね。私が督脈の流れを体験したのは，外
気功に入ってからですから。
『偏差？ 磁場を発生させるアート』（ＮＳさん♂）
『少し前に, 僕は磁場を発し潜在意識に働きかけ「るアート」というものをイ
ンターネット経由で買いました。これは, 磁場を発生するアートで７つのチャ
クラを開くというものです。作った本人は，１５０日間の断食修行や大本教の
言霊、禅でいう最高の悟りの見性を得たなどという人です。これを試したとこ
ろ, 素人の自分でも明らかにおかしいと解る常体でありまして、会陰部から入
ってきた熱いものは臍に上がり胸に詰まり、色々な感情と共に眉間に詰まり、
あたまが痛くなったり頭が熱くなったり、頭の中がミシミシと音を立てたり、
という状況が毎日一度はあります、この磁場を発するアートを作った張本人に
尋ねた所、返事はかなりあいまいで責任逃れの連続で、「水飲めば治るのだ」
と言い出す始末です、結局僕からの電話を着信拒否にして逃げていったわけで
すが、気功療法で治るものでしょうか？それと立禅をすることで、気は生き物
の様に本来通る経絡を通るということならば、この頭に詰まるような異常な熱
気も抜け出ていきますでしょうか？今では磁場を発生するアートを見ることを
止め１０日程立ち、スワイソウをやることで多少はマシになった感じもありま
すが、未だ妙な感じが残ってしまっています。（03.04.30）
以前教えていただいたとうり馬歩功を続けていますが、背中や脹脛を流れる異
常な熱気は収まってきました、ありがとうございます。それと報告なのですが、
錬功中肘から先の腕全体から透明のオーラのようなものが出るようになりまし
た、そしてなぜか不思議と体の動きが良くなりました、錬功の効果だとおもい
ます。（03.05.20）』
※気功やこのメルマガの内容に関して, ご意見やご質問がありましたら, 是非
お寄せ下さい。お待ちしています。
Email aam13920@nyc.odn.ne.jp 編集 森澤陽子（准指導員）
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【バーチャル気功空間 気の世界】隔週
発行元: 日本気功倶楽部
監 修: 天地 一道
編 集: 森澤 陽子
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