並木克敏(天地一道)

「バーチャル気功空間 気の世界」

2001.05.05 創刊




  第3章 内気外発(気を出す)
   
(03-09) 気場の応用(その一)

「気配」は触覚で感じるもの (No.37)

   

2002.11.26
   


   【気に包まれる】   
   
   
   
「気場」という新語を初めて聞く読者のために, 第二章の「06)気場」につい

   て簡単に振りかえってみたいと思う。重複してはいるが, 多少新しい事柄も含

   まれているので, 古くからの読者も目を通して頂きたい。老若の年齢や男女の

   性差や健康の度合に関係なく, ただ立禅(馬歩椿)の姿勢をとるだけで, 誰も

   が手の平や指先から「気」が出ることは, リアル教室でも, 日常生活の中でも

   繰り返し経験してきたことである。ただし, その強弱は別としてである。読者

   の方でも, 「気の感じ方」をプレゼントしたとき, 気を感じたという多くの返

   事が寄せられた。気は物質であるから, 見ることができるし, また感じること

   もできるのである。

   ところが, 気功のトレーニングを続け, 立禅の姿勢にも慣れてくると状況は変

   わってくる。手からしか放出されていなかった「気」が, 胸から腹から背中か

   ら出始め, やがて全身のツボから放出され, 自分の身体がすっぽり包み込まれ

   るようになる。なにやら厚みのある温かい物質に包まれている感じである。と

   はいえ, ここまでは誰でも容易に到達できる初歩的な段階といえる。




   【気がコンクリートの壁を突き抜ける】 


   
ここから先が, 当気功の真骨頂である。さらにトレーニングを続け熟練してく

   ると, それまて自分を包み込んでいた「気」が, 身体の外側に浸透し始め, 周

   囲の空間を占有するようになる。それは丁度, 自分の周囲にバリヤーが築かれ

   たような状態になる。体験しない人に説明するのは難しいが, オーラが全身か

   ら発散されている「絵」を想像してもらうと, それに近いであろう。他人がこ

   の中に入り込もうとすると, 身体がしびれたり, プラスとプラスの磁石のよう

   な抵抗感が生じてくる。これが「気場」なのである。気場は, トレーニングを

   積めば積むほど強くなり, 徐々にその占有空間が拡大することになる。最初は

   半径50センチほどでしかなかった小さな気場は, トレーニングを重ねるに従

   って, その距離を1メートル, 2メートル, 3メートルと拡大させていく。私

   のリアル教室で, 4年の経験をもつ女性の場合, その気場は, 一層拡大強化さ

   れ, 20センチもあるコンクリートの厚い壁を突き抜けて, 隣の部屋まで達する

   ようになっていた。見事なまでに気場が形成されていた。




   【気場を内側かる見ると】

   
   
ここまでの「気場」の形成についての話しは, 観察者側からの一方的な見方で

   あって, 当然のこととして, 練功している当事者側の見方や感じ方もある。そ

   れでは, 気場をトレーニングしている内側から見ると, 気場的風景はどのよう

   に映るのであろうか。私の同期の仲間の中には, 練功中に温かい風の塊のよう

   なものが, ある方向から流れてきたという者もいた。あるいは, ある人の前に

   立って練功すると, 必ず背中が温かくなるという者もいた。けれど私は, そう

   いう面で鈍感のせいか, 練功中に他者からの影響を受けたことが一度もなかっ

   た。また, 外から観察したときの, 気場特有の「しびれ」や磁石のごとき反発

   力なども感じたことがない。だいたいにおいて, 気場がどんなものか, 教える

   側に立つまで全く知らなかったのである。自分の中から生じた気感だけを, た

   だひたする感じながら練功するのみであった。気場が形成されていることなど

   思いもよらないだけでなく, 集団で練功している実感が全くなかった。その意

   味である時期までは, 無色透明, 無風状態であった。




   【殺気とは触覚で感じるもの】

    
   
ある時期とは, 入門から6年ほど経った頃に経験した特殊な感覚である。遅咲き

   という感じはするが, それは練功している私たちの周囲を, 動き廻る師匠の「気

   配」を読み取れるようになったことである。私たちの流派では, 動きの少ない気

   功なので, 師匠が背中にまわると視界から外れてしまい, それまではどこにいる

   か分からなかった。しかし, そのときは背中にまわった師匠の気配を捉えること

   ができた。どの辺にいるかおおよそ分かるのである。靴音によってではない。師

   匠は気功用の布製の履物をはいているので音はしない。

   私たち人間が物体を認識するためには, 情報のセンサーとしての視覚, 聴覚, 嗅

   覚, 触覚, 味覚の五感を通して行われる。この気配の正体を説明するのは容易で

   はないけれど, このうち視覚や聴覚でではないし, ましてや嗅覚や味覚でもはな

   い。師匠の姿は見えないし, 音もしないし, 臭いもしない。とすれば「気配」を

   感じる五感のセンサーは, 味覚でありえないのであるから, 消去法でいけば唯一

   残されたものは「触覚」ということになる。離れた相手の気配を私は, 「触覚」

   で感じていたのである。触覚とは皮膚感覚であるのだから, これは不思議なこと

   ではないか。それでも, 師匠の「気配」を感じたのは, 「触覚」としか言いよう

   がないのである。


  

** 会員からのメッセージ ********************


   『先のステップに進みたい』(神奈川 SSさん♂)
   
   『お久しぶりです。日々練功に励んでいます。いつの間にか一年が経過してし
まいました。思えば最初の頃は20分の練功が長く感じられ、足や腰の筋肉が辛
   かったのですが、いつの間にか普通に30分練功できるようになっていました。
   一時期海外旅行や体調不良のため練功を中断していた時期がありましたが、お
   かげさまで現在は順調に練功を行っています。もっと先のステップへ進みたい
   ので引き続き外気功コースも申し込みます。これからもよろしくお願いします。
   練功中にぼんやりと白い蒸気のようなものが指先から見えているような気がし
   ます。ハッキリとは見えないので違うかもしれませんが・・・。』


   『精神的にも安定しました』(愛知 79歳 MHさん♂)
   
『一年間 内気功のご指導ありがとうございました。この間に神秘的ないろん
   な経験をいたしました。健康面では大きな病気もせず、風邪もひかずに元気で
   すごしてこれましたのは気功のお陰かと感謝しています。精神面では我慢強く
   なれたことです。いやなことや辛いことがあっても、淡々と練功する気分で冷
   静に処理することができるようになりました。さて、外気功については出来ま
   すれば、来年の一月から受講させて頂きたいのですが、ご都合はいかがでしょ
   うか?お伺いいたします。』 
      
             
  
** 購読者コーナ ************************
 
 
     
□ 質問  『自己流気功で偏差が心配』(AIさん) □
   
   『 私は、殆ど自己流で気を感じ始め、毎日自己流で気を回しています。頭のて
   っぺんから足のつま先まで輪切りにしたように回し、寝ているときはそれを意識
   で自発動功にして身体を動かしマッサージ効果をあげています。当然意識で止め
   ることはできます。歩くとき軽やかになったような気分・爽快感にひたれます。
   しかし、常に身体から気が抜けることがなくフワフワした感覚が全身にあります。
   気が充満すると足が痺れるようになるのでゆらして気を抜くようにします。又は
   頭のてっぺんか足裏から抜くようにします。それでも新しく入ってきます。従っ
   て、常に気が身体に充満しています。疲れた時、特に強烈に流れます。頭が疲れ
   と(いつもそうです), 顔の表面を歪めながら回すと快いです(人の前でやると
   変に思われるでしょうが)。
   良いときばかりではありません。頭に気が漂い残り、フラフラしたり、後頭部が
   重くなり気分が悪くなるときもあります。血圧が上がるのか(計ってはいません
   が)食欲がなくなり頭痛が起こるときもたまにあります。そういうとき後頭部に
   気を流し治そうとしますがやらないよりいいものの消えません。時間がたてば戻
   ります。眠れば治ります。だだし、周期的にあり病気ではと心配になることもあ
   ります。そこで疑問が涌きます。身体が不調だから気が回るのか、気が回るから
   不調になるのか?前者だったら病院に行く必要があるかもしれません。後者だっ
   たら気を回すのを止めなければなりませんあるいは、これが気の世界でいう「偏
   差」なのでしょうか。このままにしておいてよいのでしょうか。解決策がありま
   したら教えて下さい。』

   
   □ 答え □   
     
   AIさんは自己流といっても, いくつかの流派の気功のアウトラインを経験して  
   いるそうで, 誰もやっていないという意味で「自己流」の気功だそうです。それ
   にしても, 自己流で気を廻したり, 自発動功を自分でマスターしたり, と感心し
   てしまいます。そのうえ二年間毎日, 自己流のトレーニングを欠かさないそうで
   すから, その努力には驚きです。さて「偏差」の件ですが, 誰もやっていない自
   己流の気功だそうですから, 西野皓三氏のように新しい気功を創造されているの
   か, 偏差なのかどうか, 確かなことは何も分かりません。しかし, 私の経験から
   すれば, 大変にリスクの高いことを, あえてやっているように見えます。もし,
   偏差だったとすれば, 「偏差矯正」用の功法を, 今までと同じぐらいの時間をか
   けてトレーニングする必要が生じてきます。それでやっとプラスマイナスが「ゼ
   ロ」になります。無駄な事に無駄な時間と無駄な労力をかけてしまった, という
   ことになりかねません。解決法は, 経験の豊かな気功師に師事して, 一つの気功
   をじっくりと腰を据えて取り組むことです。私でしたら, 初めから自己流の気功
   は絶対にやりません。気功の鍛錬によって, 正しい気血の流れを促進させること
   で, 病気は治ります。逆に云えば, 気血の流れを誤れば病気になるということで
   す。参考までに, 第一章 入門編「10)偏差 自己流気功は病気の元」(2001.11
   .09)をお読みください。
  


   ※気功やこのメルマガの内容に関して, ご意見やご質問がありましたら, 是非
   
お寄せ下さい。お待ちしています。
   
    Email aam13920@nyc.odn.ne.jp 編集 森澤陽子(准指導員)
  



      
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        【バーチャル気功空間 気の世界】隔週  
                                   
    発行元: 日本気功倶楽部
   監 修: 天地 一道
   編 集: 森澤 陽子


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すまい&町並み 今昔物語

「第一章東京下町風景への旅」

「第二章同潤会アパートへの旅」








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