並木克敏(天地一道)

「バーチャル気功空間 気の世界」

2001.05.05 創刊




  第3章 内気外発(気を出す)
   
(03-05) 気の色

鮮やかな五色が見えた (No.33)

   

2002.09.22
   


   【気の色 五色】 

   
  
 『第2章 潜在能力の開発』の「(04)気が見える」の中で, 気は誰にでも見

   える物質であり, しかも気には色がついていることにも触れた。私が最初に見

   た色は「白」であり, しばらくしてから「黄色」が見えるようになった。それ

   では気の色は, 「白」と「黄」の二色かといえば, そうではない。中医学の公

   式見解では, 気には「青・赤・黄。白・紫(黒)」の「五色」があることにな

   っている。デザイン系の人であれば, 「青・赤・黄」は三原色であり, それに

   「白・黒」が加わると1920年代のオランダで世界の近代デザイン界をリードし

   たモンドリアンなどのデ・スティール派の色彩感覚に通じていることが思い浮

   かぶであろう。気功の色彩感覚は, リートフェルトのあの有名な椅子のように

   結構モダンなのである。とはいえ, 気が見えない人にとって, 「気が見える」

   ということ自体が眉つばなのに, そのうえ気に色が付いているとは, もはや自

   分の了解不能な領域に立ち入ってしまったのか, と感じているかも知れない。

   しかし, 気が見えるということは, ある特殊な人にだけ「霊が見える」という

   危ない次元の問題ではないのである。



  
 【「気が見える」のは一般的現象】   
   
   
   人間の視覚というのは, 結構いい加減なところがあり, 見ているものが本当に

   そのものなのかどうか, 絶対に「真」だとは断言できないところがある。たと

   えば, 視覚は目と脳の働きであるが, ある場所で強い磁気が発生し磁場が乱れ

   ると, その場にいる人の側頭葉に影響を与え, 幻覚が生じることがある。ある

   いは, 緑内障の患者は, しばしば現われる幻覚に悩まされるという。目と脳は,

   緻密な仕組みのゆえに, コンビューターのように誤作動することがままあるの

   である。

   「霊が見える」という人は, 特殊な存在(私は全く信じていないのだが)なの

   に対して, 「気が見える」人は一握りの少数派だというわではない。私のリア

   ル教室では, 逆に「気が見えない」という人は, 三割ていどの少数派である。

   だいたいにおいて, 私の若かりし頃は, 「見えない」少数派の一角をしっかり

   と占めていたのであった。それが, いつしか超敏感とはいかないけれど, ほど

   ほどに見えるようになった。半年前の「第20号」で「気の見方プレゼント」

   をしたとき, よく「見えた」と感激した人から多くの便りを頂いた。トレーニ

   ングもしていないのに, 私より敏感な人ばかりで, 多少落ち込んだことがある。

   実際に「気が見える」というのは, 特殊なことではなく, かなり一般的な現象

   であることをこのとき知った。



   
【陰陽五行説】 
   
   
   気は「青・赤・黄。白・紫」の「五色」からなるというが, その理論的な根拠

   は, どこにあるのであろうか。話しは少し理屈っぽくなるが, 「五色の気」の

   出処を知るためには, 中国の古代哲学である「陰陽五行説」を避けるわけには

   いかない。読者には退屈かもしれないが, アウトラインだけを簡潔に触れるの

   で, 一寸の間だけ我慢して頂きたい。「陰陽五行説」とは, もともとは二つの

   学説であった「陰陽道」と「五行説」が融合したもので, 古代に生きた中国人

   の素朴な自然観に基づく哲学・世界観といえる。そのうち「陰陽道」は, 天は

   陽, 地は陰というように, あらゆる物質と現象が, 陰陽の二気に基づいて生成

   ・発展・変化すると捉えられている。それに対して「五行説」は, その生成・

   発展・変化するものを, 社会生活を維持するうえで欠くことのできない, 「木
  
   ・火・土・金・水」の五種の物質とした。この「五つの物質(=五材と呼ぶ)」

   のもつ属性(性質・特性)に基づいて, この世のあらゆる現象や物質が, 五種

   類に大別され分類されるのである。たとえば, 火は「炎上」(燃え上がる)と

   いう「火性」をもつものであるから, 温熱や昇騰などの性質を持つ事物は火に

   帰属させる。季節では夏, 方位では南, 五臓では心, そして色彩では赤が「火」

   に属することになる。このようにしてすべての事象が「木・火・土・金・水」
  
   という, たった五つのカテゴリーに分類されてしまうのである。



  
 【五色と五臓】   
   
   
   ここでは, 気功がテーマなのであるから, 人体と気の色との関係に絞って話し

   を進めてみたい。中医学では, 人体の働きの「中心」は, 五臓と六腑と考えら

   れている。この人体を「五行学説」からみれば, 五臓と六腑は次のように「五

   材」の性質にしたがって分類されている。「木=肝と胆, 火=心と小腸, 土=

   脾と胃, 金=肺と大腸, 水=腎と膀胱」にそれぞれ属することになる。色彩に

   ついてはどうか。気の「五色」は, 「木=青, 火=赤, 土=黄, 金=白, 水=

   紫(黒)」に配分されている。ところで, 身体の働きの「中心」の「中心」は,

   五臓六腑のうち「肝・心・脾・肺・腎」の「五臓」であると中医学では考えら

   れているから, 気の「五色」は, 「五臓」と関係していることになる。すなわ

   ち「肝=青, 心=赤, 脾=黄, 肺=白, 腎=紫(黒)」という関係が成り立つ

   のである。「青・赤・黄。白・紫(黒)」の「五色」は, 「肝・心・脾・肺・

   腎」の気の色だったということになる。



   
【鮮やかな五色が見えた】
 

   としても, 理工系出身の私としては, 抽象的な思弁をそのまま信じるわけには

   いかない。自分で見たもの, 自分で感じたものしか信用しないことは, 入門以

   来一貫している。否定も, 肯定もできないものは, 「保留」するというスタン

   スをとってきた。「五色」の気も保留し続けてきたその一つであった。しかし,

   修行も最終段階に近づいた頃, 「五色の気」が見えるという秘伝中の「奥義」

   を, 師匠は私たちに伝授してくれた。二人一組となり相対してトレーニングを

   続けていると, 次の動作のとき相手の指先を見るようにと, 師匠からの指示が

   あった。ふと目を凝らすと, なんとなんと「すご〜い」ことか, 指先からサー

   チライトのように「五色」の光が伸びているではないか。ちょっと大袈裟だが,

   都会のネオンのようにくっきりと鮮やかな色彩を放っていたのだ。部屋を少し

   薄暗くしていたこともあって, 夢を見ているような, こんなことがあってもい

   いものか, という狐につままれたような気分であった。気には「五色」がある

   といのは, 本当だったのだ。これを科学でどう説明するのか。現在, 急速に科

   学や医学が進んでも, 生命のすべての姿を, いやその半分も, 人類はまだ手に

   していないのである。


       
  
*** 会員からのメッセージ ********************

 
 『この夏は負けなかった』(鹿児島 HMさん♀)
   
   『初めてメールを差し上げます。私は毎年, 夏になると食欲がなくなり, 身体
   がだるくて家でゴロゴロしていました。今年は外の事を中断して試しに, 第七
   巻の陰気を補う「夏バテ防止法」だけを梅雨明け早々からやってみました。不
   思議なことですが, 鹿児島は猛暑だというのに, この夏は睡眠も食欲も快調で
   した。嘘のようです。教科書に, 夏は陰気が不足するので, 陰気を補うと夏バ
   テが防げる, とありましたがその通りですね。いつもメルマガに書いてありま
   すが, 気功四千年の知恵なのでしょうか。』
  
           

  
** 購読者コーナ ************************
 
 
       □ 質問 □   
    
   『前号の「04気の質」の中で気感の方法が書いてありましたが, 言葉だけでよ
   く分かりませんでした。あつかましいお願いですが, 写真や図などを使って具
   体的に説明して頂けるとありがたいのですが。気が見えるとか, 気を感じるか
   は, 経験はないのですが大変興味があります。もし感じることができたら, 気
   功道場へ入会したいと思います。』(鹿児島 UYさん)


   ■ 答え ■ 「気の感じ方」を無料プレゼント

   気功は, 言葉で伝えるのが大変難しいものです。ましてや私の表現力がイマイ
   チだったため, 理解できなかったかと思います。そこで, 前回の「気の見方」
   に続いて, 「気の感じ方」とそのコツを無料にてお教えします。メールにてお
   申し込み下さい。希望者全員に配信いたします。なお, 返信用メールでは写真
   が掲載できないので, 必ずメールアドレスを記載して下さい。   
         


   ※気功やこのメルマガの内容に関して, ご意見やご質問がありましたら, 是非
   
お寄せ下さい。お待ちしています。
   
    Email aam13920@nyc.odn.ne.jp 編集 森澤陽子(准指導員)
  



      
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        【バーチャル気功空間 気の世界】隔週  
                                   
    発行元: 日本気功倶楽部
   監 修: 天地 一道
   編 集: 森澤 陽子


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