並木克敏(天地一道)
「バーチャル気功空間 気の世界」

2001.05.05 創刊




  第3章 内気外発(気を出す)
   
(03-04) 気の質

軟質な気と硬質な, そしてガサガサの気 (No.32)

   

2002.09.07
   


   【気は誰でも出でいる】 
  

 
  「気の質」などというと, 私とはまったく関係のない話しだと思う読者も多い

   ことだろう。いや, それ以前に「気を出す」ことさえ半信半疑で, マジックの

   世界のように感じている人もいることだろう。しかし, 人間は生きている限り,

   誰もが肺で呼吸をしガス交換しているように, 「外気」を採り入れ「内気」を

   放出し, 常に内外気の交流を通じて, 生命活動を維持させているものなのであ

   る。その証拠に, 人が放出している「内気」を感じ, さらにはその強さまでも

   測定できる方法が存在しているのである。気を感じることができれば, 嘘ばっ

   かりと疑い深い読者も, 信じる気持ちが少しは生まれてくるかも知れない。す
   
   でに何度か書いたが, 気が一番分かりやすいのは練功中である。相手が立禅の

   姿勢さえとれば, 「内気」は自分の意識とは関係なく勝手に放出されるので,

   手を近づけただけで相手の「気」を容易に感じることができる。誰が発見した
   
   のか定かでないが, 立つだけで内外気の交流が盛んになり, 身体に大いなる変

   化をもたらすのである。気功四千年の調身(姿勢)の凄さと人体の神秘である。 




   【手と手の間の気的交流法】   
   
   
   
気の放出は, 「立禅」という特殊な立ち方をしているときだけに生じるもので

   はない。気功のトレーニングとは縁の無い人でも, 日常生活の中で誰もが, 常

   に気を放出している。したがって, 練功時に相手の「気」を測定する方法は,

   気功教室に参加していなければできないことなので, 特殊な環境での話しとい

   うことになる。もっと普通のやり方でないと読者は納得しないであろう。そこ

   で誰にもできる「気感」の方法を紹介することにしよう。相手の「気」を感じ

   る方法には, お互いの「手と手」を通じて行う「気」の交流法が一般的である。

   これにもいくつかのパターンがあるが, 最も簡単で安全なのは, 「手の平」と

   「手の甲」とを利用する方法である。まずは, 両者の手の力を抜き, 手の平を

   軽く開くことから始めよう。軽く開いた相手の「手の平」を, 自分の「手の甲」

   に数センチ離してかざして貰う。そのまましばらくすると, 温かいとか, 痺れ

   るとかの感覚が生じることであろう。これが気感である。この方法は, 「内気

   外発」の最もプリミティブな形である。お母さんが, 子供の身体に触れて「痛

   いの痛いの飛んでいけ」というのに近い。




   【気的感受性が課題】 

   
   
この気の交流法は, 相手と自分の間だけに行われるだけでなく, 自分の右手と

   左手の間でも可能である。すでに気功のトレーニングをしている人であれば,

   おそらく多くの人がこの「プリミティブ」な方法を無意識に試みているのでは

   なかろうか。そして, 熱気が伝わるなどの気感を通じて「気」を実感し, 確信

   を深めているのではなかろうかと思う。それほど「気の世界」では, 流派に係

   わらず最も一般的な方法なのである。

   さらに, この方法は気を感じるだけでなく, 相手の気が強いか, あるいは弱い

   かをも判定することができる。気功や太極拳などのトレーニングをしている人

   であるならば, 自分や相手の気の強弱をを知りたいと思うことであろう。気の

   強い弱いは, 熟練度と関係しているからである。ただし, それを判定するには,

   クリアーしなければならないいくつかの課題がある。その一つが, 自分の気的

   感受性を高めることである。相手の気に対して鈍感であるならば, すなわちセ

   ンサーの精度が低ければ, たとえ相手の気が強くても, 気の強弱を判定するこ

   とは無理である。 亜鉛不足による味覚異常と似ている。しょっぱいか, 甘いか

   も分からないもどかしさが, ここにはある。




   【気の質を読む】   
   
   
   
相手の強弱を判定するためには, 自分の気的感受性を高めるとともに, 適度にサン

   プルを集めることである。一人や二人の相手では, 強弱の比較することはできない

   からである。適当な数をこなすことが必要となる。そうすれば, 強弱感だけでなく,
   
   熱感や痺れなど, 気の多様な反応を経験することになるだろう。気功のトレーニン

   グをしていない人には, お勧めできない話しではある。

   より一層経験を積み, かつ特殊な「手技」を使うと, 相手の「手」の中からもっと

   個人的な気の情報を得ることもできる。最近, 二人の青年男性にこの「手技」を試

   したが, その結果に興味深いものがあったので簡単に触れてみたいと思う。一人は,

   色白のほっそりした体型で, 物腰も静かで女性的ともいえそうなタイプ(A君)で

   あり, もう一人は, 四角い顔をしたごっつい体型で, 自我の強そうな男性的なタイ

   プ(B君)であった。正反対のタイプの二人であったが, その結果はどうか。A君

   に手をかざして貰うと, 私の手の平全体にソフトな気がフワッと広がり, 気持ちよ

   さが伝わってきた。その反対にB君の気は, 強いがガサガサしていて手の平に痛さ

   さえ感じた。このように気には, 強弱の度合いだけでなく, 「気の質」の違いもあ

   る。残念ながら, A君もB君も共に, このままでは外気治療には適さない「気の質」

   であった。トレーニングを通じて気功師に相応しい「気の質」に変える必要がある。

   気功師にとって気的パワーを強化する同時に, 「気の質」を高めることも, 極めて

   大切な課題であもるのだ。ただ, ここで例にあげた, 体型と気の質との間には, 相
  
   関関係がないことを特に断っておきたい。

        

  
*** 会員からのメッセージ ********************

 
        『胃腸にいいみたい』(青森 KTさん♂)
   
   『こんにちは。只今, 第二巻の胃腸にいいトレーニングをしています。ずうっ
   と前のメルマガで, これをやるとお腹がゴロゴロと鳴って, ガスが出そうにな
   ると書いてありましたが, 本当ですね。十分ぐらいしたあたりからお腹が鳴り
   はじめ, 終わるころにはお腹がすっきりしてきます。僕は胃腸が弱いほうなの
   で, もたれ気味のときはトレーニングが自然にできます。』


   『私にも動かせました』(神奈川 EJさん♂)  
   
   『長かったですが, 先日やっと一年間のトレーニングが終了しました。実は,
   一年間やれたのは, 人を動かすことができるという外気導引法を, どうしても
   自分のものにしたかったからです。早速, やってみました。まず最初に女房に
   やってみました。驚くことに女房は, これなにと笑いながら前後に動き出しま
   した。手の平になんらかの気の反応があるかと思いましたが, 不思議なほどな
   にもないのです。もっと強烈な気感を期待していたのですが外れました。それ
   でも人は動いてしまうのですね。その後, 職場の同僚に試して見ましたが, 10
   人に6人ぐらい動きました。同僚も首をひねって不思議がっていました。テレ
   ビでやっている気功師もこんな感じなのでしょうね。』
           

  
** 購読者コーナ ************************
 
 
     □ 質問 □   

     『このメルマガを読んでいると, 気について真面目さばかりが目立ちます。ほ
   かのサイトでは気で遊ぶことも書かれています。もっと気楽でいいのではない
   ですか。どうして気で遊んではいけないのですか。』(東京 MKさん)


   ■ 答え ■

   恐ろしい質問です。気功には流派によっては, ずいぶん間違えてトレーニング
   しても偏差(副作用)が出ないものもあります。間違えても偏差が出ないとい
   うことは, 逆にいうと効果も弱いということです。当気功は, 病気回復を目指
   すだけでなく, 気功師を養成するための流派でもあります。ですから, トレー
   ニングによってもたらされる効果は, はなはだ強いものがあります。遊び気分
   でやって一番恐れるのは, 偏差の発生です。読者からも過去の偏差の体験が,
   いくつか寄せられていますが, どれも気の毒なもばかりです。気は遊ぶもので
   はありません。こちらから, MKさんに質問したいと思います。「なぜ気で遊
   ばなければいけないのでしようか?」。遊ぶならコンピューターゲームもある
   のでないでしようか。
     


   ※気功やこのメルマガの内容に関して, ご意見やご質問がありましたら, 是非
   
お寄せ下さい。お待ちしています。
   
    Email aam13920@nyc.odn.ne.jp 編集 森澤陽子(准指導員)
  



      
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        【バーチャル気功空間 気の世界】隔週  
                                   
    発行元: 日本気功倶楽部
   監 修: 天地 一道
   編 集: 森澤 陽子


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■私の気功の世界■


ネット通信教育 「一指禅功日本 バーチャル気功道場」

http://issizen.michikusa.jp/



「一指禅功日本 東京・小岩リアル気功教室」

http://katutoshinamiki.suichu-ka.com/



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https://www.youtube.com/watch?v=W5J6RmbjpQI&feature=youtu.be


Twitter 「連載 気を考える」

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■私の趣味の世界■



すまい&町並み 今昔物語

「第一章東京下町風景への旅」

「第二章同潤会アパートへの旅」








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