並木克敏(天地一道)

「バーチャル気功空間 気の世界」

2001.05.05 創刊




  第3章 内気外発(気を出す)
   
(03-02) 発功時の初期現象

何もしないのに, スーパーの店員が動いてしまった (No.30)

   

2002.08.09
   


   【レジにしがみつく女店員】   

  
今回のテーマを見ておそらく多くの読者は, 何を言いたいのか想像できないの

   ではなかろうか。「何もしないのに, スーパーの店員が動いてしまった」とは,

   どういうことなのだと。読者が迷路に迷い込まないように, 種明かしを先にし

   よう。これは, 私がまったくの無意識のうちにしたある動作で, スーパーのレ

   ジにいた女店員が「動いてしまった」という体験談である。自分でも狐につま

   まれたように, わけの分からない一寸した事件であった。たまたま, スーパー

   で買い物をすることになり, 手カゴの中に商品を入れて, レジへ運び清算しよ

   うとしていたときである。お金を払いつり銭を貰おうと, 彼女に向けて右手を

   差し出したところ, 突然彼女はレジにしがみついたのである。このままでは倒

   れそうだと言わんばかりに。「めまい」とは違っていた。「めまい」であるな

   らば, 身体から力が抜け, 顔を伏せた「陰」の姿勢であるはずだ。ところが彼

   女は, 地震に突然見舞われたときのように, 目をかっと見開き, 必死にレジに

   しがみついているのである。あまり目にしたことのないこの奇妙な光景に, 唖

   然としてしまった。地震もないのに。




   【再びしがみつく】   


   
正確な表現をするならば, 女店員が動いたというよりは, 立っていられなくなっ

   たようである。この原因が私の側にあるとは, このとき夢にさえも考えていなか

   った。ところが, この記憶が消えない三日後に, 今度は駅の売店でまったく同じ

   光景が再び繰り返された。またも女店員が, カウンターにしがみついたのである。

   これはなんなんだ。その後も, 短い期間のうちに数度, 繰り返し体験してみると,

   偶然とは思えなくなってきた。どうやら私の方に責任がありそうだということが

   分かってきた。私の指先から「気」が放出され, それが彼女のツボを刺激したの

   ではないかと, 考えるようになってきた。このような不思議な体験は, 「この時

   期」にだけ集中して起こり, それ以降は今日まで再び経験していない。




   【気を出す方法を知らないのに】   
   
   
  
 「この時期」とは, 一年間の内気功が終了して, 二年目の外気功(初級)の後

   半のトレーニングをしていたときである。もっと具体的に言えば, 内気外発の

   ためのトレーニングの最終段階であった。3ヶ月間, 毎日ひたすら気を出すた

   めのトレーニングをしていたのである。しかしまだ, 外気治療は勿論のこと,

   気を出す方法も, ましてや人を動かす外気導引法も教えては貰っていなかった。

   ちなみに外気導引法を伝授してくれたのは, この3年後のことである。中国流

   は, 時間の観念が日本とは違うのである。入門から5年の歳月を費やして, 初

   めて外気導引法が習得できたのである。それでもかなりの部分は, 日本人の時

   間に合わせいるという。中国では立禅の姿勢だけを, ただしたすら一年間続け

   るのだそうだ。気の長い話しである。それと較べて「バーチャル気功道場」の

   門戸が, いかに大きく開かれているか理解されよう。秘伝中の秘伝の技である

   「外気導引法」を, わずか一年間で取得することができるのである。

  


   【貯まった内気の堰が切れた】


 
  この時期は気を出すための「身体造り」に専念していたのである。この段階で

   は, 内気外発の方法をまったく知らなかった。それでも, 内気が充実し, かつ

   気を出す回路が出来てくると, 気は自然に放出されるのである。そして, 放出

   された気が相手のツボにたまたま焦点が合ったがために, 人は動いてしまった

   のである。

   しかし「この時期」にだけ何故, このような現象が起きたのか。経験から判断

   するしかないが, 初めて気功を体験し気血が体内の隅々まで巡り始めた時期に,

   私は多種多様な, それもたった一回限りしかない気感を含めて, 数々の不思議

   な体験をしてきた。 それと同様に, 内気外発のトレーニングにのみ専念したが

   ために, 内気功以来の貯まりに貯まった「内気」が, 自分の意志とは関係なく,

   コントロールのきかないまま一気に放出されたのではないかと思われる。堤防

   の堰が切れてたとき, 激しい濁流が民家を押し流し暴れ回るのと似ている。し

   ばらすると, その流れは止まり静けさが戻ってくる。内気外発も, この時期を

   過ぎると, 自分のコントロールの下におかれ, 暴れまくるということはもうな

   い。今でも普段はおとなしくしている。

   

  
*** 会員からのメッセージ ********************

 
      『気功をものにできると確信』(大分 A.Nさん♂)
   
   『4月の半ばに道場に入門してから約3ヶ月が経過しました。1ヶ月半経った
   頃から、第二巻の手指按動法の際に両手の間に空気の風船が挟まっているよう
   なふわふわ感やねばねば感、そしてしびれ感を感じることがてきるようになり
   ました。多分これが気感だと思いますが、教本に従って根気よく練功を重ねて
   いれば、間違いなく内気功ができるようになるものと確信を深めております。
   現在は、3動1休程度の頻度で「慢性病防治法」に取り組んでおります。当初
   は、膝、太もも、腰の痛みに耐えるのが大変な苦難でありましたか、今では大
   分慣れて30分をこなせるようになっております。』(大分 A.Nさん♂)
    

  
** 購読者コーナ ************************
 
 
      □ 意見 □ 
 
    『最近, 中国の痩せ薬で死亡者がでるなど社会問題化していますが, 貴倶楽
部は その点についてどのように考えているのでしょうか。四千の歴史と聞くと,
私を含めて日本人はつい信用しがちです。』(愛媛 H.Sさん)


   ■ 答え ■

   中国の生薬に関しては, こんな経験をしたことがあります。薬用人参に次ぐ強
   壮薬として珍重されているものに「田七」という生薬があります。これを信用
   できるルートを通じて購入すると, 2克×50包=100gで¥5000円弱でした。
   ところが, 友人が中国のお土産といって持ってきてくれた「田七」は, 商品名
   さえない市販のビニール袋の中にたくさん詰まっていました。おそらく300gほ
   どはあったと思います。しかし, 値段を聞いて驚ききました。たったの¥1000
   円でした。
   「世界の工場」と躍進著しい中国ですが, その一方では売れると分かれば, コ
   ピーだろうと, ニセモノだろうと, 健康を害しようとも, 平然と売り逃げる輩
   (やから)がわんさといるのです。彼らは「金のためなら命もいらない」といい
   ます。日本人の感覚では計り知れないところがあります。漢方薬自体がその人
   の症状に応じて配合されるのですから, 認可されたものであっても, 服用に際
   しては漢方の専門家の指示に従うのが常識です。それを素人の判断で, しかも
   インターネットで, 中国から取り寄せて, そのうえ実際に飲んでしまうとは,
   無知も度が過ぎています。道路に落ちている「薬」を貴方は飲みますか。勿論
   「田七まがい」は, 口に入れることなく廃棄処分しました。
  


   ※気功やこのメルマガの内容に関して, ご意見やご質問がありましたら, 是非
   
お寄せ下さい。お待ちしています。
   
    Email aam13920@nyc.odn.ne.jp 編集 森澤陽子(准指導員)
  



      
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        【バーチャル気功空間 気の世界】隔週  
                                   
    発行元: 日本気功倶楽部
   監 修: 天地 一道
   編 集: 森澤 陽子


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■私の気功の世界■


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「一指禅功日本 東京・小岩リアル気功教室」

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すまい&町並み 今昔物語

「第一章東京下町風景への旅」

「第二章同潤会アパートへの旅」








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