並木克敏(天地一道)

「バーチャル気功空間 気の世界」

2001.05.05 創刊




第2章 潜在能力の開発
   
   
(02-07) 採気
無尽蔵に存在する自然から気を貰う (No.23)

   

2002.04.12
   


【先天の気と後天の気】


   
採気とは読んで字のごとく自然界の気を体内に採り入れることである。「気」

   には自然界に広く分布しいてる「外気」と, 人体の中を流れる「内気」がある。

   この内気と外気との関係は, 生命の誕生から成長発育を経て, 最後の死に至る

   までの人間の一生と深く係わっている。人間は何によって, どのようなシステ

   ムによって生かされているのか。中医学によれば, 人体内の気は「先天の気」

   と「後天の気」の二つで構成されているとされる。「先天の気」は, 両親から

   受け継いだもので, 今日的には遺伝子情報に相当しよう。それに対して「後天

   の気」は, 出生後に得られる生命の材料で, これには「水穀の気」と「外気」

   がある。「水穀の気」とは, 水と穀物と書かれてあるように飲食物から得られ

   る栄養素のことであである。中国では「医食同源」といわれるように, 気功で

   も食事は最も大切な営みと考えられており, 霞みを食べて生きるわけにはいか

   ないのである。現代のコギャルのように, 好きなお菓子だけを食べていたので

   は, 「気」の材料にはならないのだ。他方「外気」とは, 自然の中に広く分布

   している別名「清気」のことを指し, 空気と同様に無尽蔵に存在しているので

   ある。このように, 人体の内気は「先天の気」を元にして「水穀の気」と「外

   気」とが合成されたものと捉えられている。平たく云えば, 食物と外気を体内

   に採り入れることで「内気」は造られ, 生命は維持されるのである。




   【死とは 気の離散】

   
  
 「先天の気」を先導役にして, 「水穀の気」と「外気」を補充しながら, 旺盛

   な生命力で成長発育を続けてきた人も, 中年を過ぎた頃から少しずつ衰えを見

   せ始め, 老年には枯渇して最後に死を迎えることになる。このような過程を,

   石田秀実氏は中国最古の医学書である「霊枢」を引用して次のように書いてあ

   る。少し長いが, 見事な描写なのでそのまま引用させて頂くことにした。

   『人が五十歳になると, 肝の気が衰えはじめ, そのために肝葉がしぼんで薄く

   なりはじめる。また胆汁も減りはじめるので目も見えなくなってくる。六十歳

   になると, 心の気が衰えはじめるので, ひどく憂い悲しむ。血気も流れがにぶ

   くなり, そのために寝てばかりいるようになる。七十歳になると脾気が衰え,

   そのために皮膚はうるおいを失ってしまう。八十歳になると, 肺の気が衰え,
   
   魄がやどりを失ってさまよう。そのために言語にも障害が起こってくる。九十

   歳になると, 腎の気が尽きて, かくして臓器はうるおいを失い, 経脈は空虚と

   なる。百歳になると, 五つの臓器はすっかり空虚になる。そこに宿っていた神

   気は皆体の外へ立ち去り, 形骸だけがそこに存在する形で, 人はその生を終え

   るのだ。』(石田秀実著「気/流れる身体」平河出版社)




   【採気 老化防止】


   
人の誕生から成長発育, 衰弱, 老化そして「気」が体内から離散したときに死

   が訪れるのである。気は天に帰り, 肉体は地に帰る。このプロセスは, 誰もが

   避けて通ることはできない自然界の宿命である。しかし, すべての人が同じス

   ペードで老化の道を突き進むわけではない。小学校などの同窓会などに出掛け

   てみると, 身も心も老け込んでしまった人もいれば, 血色のよい艶のある肌を

   保っている人もいる。人は数十年の間に, こんなにも生命の輝きに違いが生ま

   れてしまうのか, と感じたのは私だけではないだろう。この差は, おそらく毎

   日のほんの小さな生活の積み重ねによるのであろう。うん万円もする箱入りの

   薬用人参を毎日飲もうが, 気功で徹底的に鍛えようが, 老化を完全に止めるこ

   とは出来ない。しかし, 老化を遅らせることはできる。「後天の気」は生命の

   材料なのであるから, 体内にそれを十分に補充してやれば, 内気は充実し, 老

   化を遅らせ, 十年は若返りを取り戻すことができる。




   【採気 タダで外気を貰う】


  
 「採気」とは, 「内気」の一方の材料である「外気」を体内に採取し吸収する

   ことである。この「外気」と「水穀の気」とを体内で合成して生命の根源であ

   る「内気」を造る。このとき「水穀の気」は飲食物なので代価を支払わなけれ

   ば手に入らないが, 「外気」は空気のように自然界に無尽蔵に存在しているの

   である。これを, 自分の健康のために利用しないてはなかろう。採気の方法さ

   え学べば, 生命の材料がタダでいくらでも手に入るのである。採気などという

   と, 突拍子もないことのように聞こえるかも知れないが, 自然界には空気を栄

   養分として生きている生物がいる。それは豆科の植物である。豆の根には「窒

   素固定細菌」がとりつき, 大気中の窒素を「窒素肥料」に変えてしまうのであ

   る。自然界にはこのようなすぐれ者がいる。インゲン豆などは「窒素肥料」を

   タダで大気中の窒素から頂いているのである。まるで気功の採気法のようでは

   ないか。気功をトレーニングすることで, 外気を体内に吸収することができる

   のである。気功と縁の無い人は, この点でも大いなる損をしていよう。植物は,

   窒素肥料分が不足していれぱ追肥すればことはすむが, 人体は外気を自ら採気
   
   せねばならないからである。外気を採り入れる機能に劣る人は, 気功をトレー

   ニングするしかないように思うのだが。


  

*** 会員からのメッセージ ********************


『気功教室に通っているみたい』
   
   『姿勢の修正をしていただき励みになります。小生はかつて気功の教室に通っ
  
 たことがありますが, 今回のように写真判定してもらえれば, 教室に行くのと
  
  あまり変わりませんね。小生のぶざまな姿勢と模範写真を並べて, 悪い部分を

   指摘してくれるので, とても理解しやすいです。姿勢が正しいかどうかは, 自
 
   分ではなかなか分かりずらいものですから, 今回の試みは会員にとって強い味

   方になると思います。面倒でしょうが, 是非続けて下さい。』

   (大分 K.Tさん♂)
   
  
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お寄せ下さい。お待ちしています。
   
    Email aam13920@nyc.odn.ne.jp 編集 森澤陽子(准指導員)
  



      
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        【バーチャル気功空間 気の世界】隔週  
                                   
    発行元: 日本気功倶楽部
   監 修: 天地 一道
   編 集: 森澤 陽子


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「第一章東京下町風景への旅」

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