並木克敏(天地一道)

「バーチャル気功空間 気の世界」

2001.05.05 創刊




第2章 潜在能力の開発
   
   
(02-06) 気場
 
磁場に似た気場の形成 (No.22)

   

2002.03.29
   


【気場とは】


   
磁場という言葉は良く耳にするが, 「気場」って何と思う人が多いことと思う。

   手の平や指先から気が出ることは, ご存知のことと思う。実は人間はトレーニ

   ングを重ね熟練してくると, 全身のツボから気が放出されるようになる。放出

   された気は, 全身を包み込む。やがて, ちょうど自分の周囲にバリヤーが築か

   れたように状態になり, 他人がその中に入り込もうとすると抵抗感が生じる。

   それが「気場」なのである。



   【気場が実感できない】
   

   
入門してから三年目ぐらい経った頃だろうか。トレーニング中に師匠の友人が

   訪ねてきたことがある。その友人は, トレーニングしている私たちの隊列から,

   遠く離れて近づこうとはしない。私はてっきり邪魔をしないように, という配

   慮からだろうと考えていた。しかし, 友人が去ってから語った師匠の言葉は,

   全く意外なものであった。「彼は, 強い気場ができているので, 近づきたくて

   も近づけなかった」という。そのとき, 初めて「気場」という言葉を知った。

   残念ながら, トレーニング中に自分自身の気感はあっても, 隣人からの熱風を

   受けたこともないし, 気場の存在を実感したこともない。練功によって形成さ

   れた気場のど真中にいる本人には, 気場の存在が実感できないのである。また,

   トレーニングを休んで見学者になったことは一度もなかったので, 気場を感じ

   る経験を逸してしまった。それ以後もときどき, 師匠は「今日はいい気場が出

   来ている」というが, 結局のところ気場という感覚がどういうものなのか理解

   できないままでいた。自分には何も感じないのだから, そうたいしたものでは

   なかろうと軽く考えていた。




   【実践で鍛え, 実践の中で学ぶ】

   
   
自分の教室を開いてからも, しばらくは気場を感じることはなかったし, 気場

   自体のことも全く忘れていた。二年が過ぎた頃, トレーニング中に会員の姿勢

   の崩れを直していると, 胸のあたりにいつもと違う不快な圧迫感を感じ始めた。

   最初は一寸変だと感じる程度であったが, これが毎回繰り返されると変ではす

   まなくなる。しかも, 回を重ねるほど強くなってくるのである。これはどうい

   うことなのかと神経を尖らせて観察してみると, 想像だにしていなかった新し

   い事実を発見した。トレーニング中に感じる圧迫感は, みんなが収功(練功を

   終了すること)すると途端に消えてしまうのである。そういうことであったの

   だ。これが, 師匠のいう「気場」であることを, このとき了解した。

   気功は知識の多さを, 必ずしも良しとしない。どんなに多くのトレーニングの

   方法を知っていても, 実践しなければ知らないに等しい。それは, あらゆる健

   康器具を買い込んで, 押入れにしまっておくようなものだ。私の周囲にも, こ

   のタイプの人が圧倒的に多い。気功には体験や実感を伴わない, 知識や情報は

   ほとんど意味がない。気功は「実践で鍛え, 実践の中で学ぶ」ものである。




   【気場の形成】
   

   それでは「気場」とは, いかなるものであろうか。初心者の場合でも, トレー

   ニング中に近づいて相手の手指に手をかざすと, 気が放出されていかどうか,

   どのくらいの強さかが読める。今まで, 会員が立禅(馬歩とう)の姿勢をとれ

   ば, 例外なく気が放出されているのを確認してきた。老若男女に拘わらず, す

   べての人間の気は, 強弱の違いはあるけれど放出されていた。手指は, 最も気

   が放出されやすい部位なのである。

   初心者もトレーニングを重ねていくと, 手指に限られていた気の放出が, 除々
 
   に全身にも及んでくる。半年ほどすると, 毎日トレーニングしている人は, 手

   をかざさなくても前に立つだけで, 気の放出が確認できるようになる。気を感
 
   じるだけでなく, 生命体が充実してオーラが発光しているような感じなのだ。

   さらに内気が鍛えられていくと, 背中に回っても同じような反応が生まれる。

   自分の無数のツボから発した気が, 自分の身体全体を包み込んだのである。と

   うとう個体の「気場」が形成されたのである。逆に, トレーニングを欠いてい

   る人は, ある程度気の放出はあるけれど, いつも現状維持のままで身体の充実

   感がない。身体がさめているという感じなのである。




   【強い気場 壁を突き抜ける】   
   

   
トレーニングや日常生活の中で感じる「気感」というのものは, 個人的な感覚

   である。この気感が強いか弱いかは, その個人の敏感さ・繊細さによるもので,

   気的パワーの強さを意味してはいない。ところが, トレーニング中に私が感じ

   る相手の気は, その人の気的パワーそのものである。前号で「気の感受性」つ

   いて「健康優良児」的男性が鈍感の筆頭であると書き, 不愉快な思いをした人

   がいたことと思う。しかし, 言葉は悪いけれど間違ってはいない。その代わり,

   現役のスポーツマンや武術家などがトレーニングを続けると, この気的パワー

   は抜群に強いものに育つ。コンクリートの厚い壁を突き抜けて, 隣の部屋まで

   も気場が生じるほどである。気功師の卵の誕生である。それにしても, トレー

   ニングしているとき, 自分の気の強さを了解するすべがない。そのために相手

   の身体を一寸だけ借りて, 気の強さを測る方法が用意されているのである。

  

*** 会員からのメッセージ ********************


『練功が楽しくなりました』
   
   『いつもお世話になります。先日は気の見方を送っていただきありがとうござ
   
     いました。まだあまりよく見えませんが、見える日を夢見てがんばっています。
 
   入会して2ヶ月過ぎました。今では、毎朝の目覚めが大変良くなりました。朝

   早く起きて、お弁当を作るのが辛かったのですが、5時半になるとばっちり・

   すっきり目がさめるようになりました。とにかく、すがすがしい朝を迎えるこ

   とができるのです。びっくりしています。いまでは、毎日の練功が楽しく、欠

   かせないものとなりました。』(東京 T.Eさん♀)
   
   
   『南天の星を見ながら練功を』
   
   『オーストラリアを旅しました。荒野で南天の星を見ながら練功しました。普
   
   段の練功は一日2回、昼と夜(食後30分以上経過後)にやっています。昼は
   
   職場にあるちょっとした暗めの休憩所で隠れて(?)やっています。この頃、
    
   手から湯気のようなものが出ていることに気がつきました。暗がりだったから
   
   かも知れません。明るい所ではあまり見えません。最初は気感を感じること、
   
  反応があることが楽しくてつい練功し過ぎてしまっていたのですが, 今は気感

   はあまり気にせずに淡々と続けています。
 
  しかし、「気」のつく言葉って、いっぱいあるものですね。気にする、気をつ
   
    ける、その気がない、気のせい。改めて一つ一つの言葉の意味を考えて、なぜ

   か納得してしまいます。それでは。』(M.Tさん♂)


** 購読者コーナ ************************
  
  
   
□要望□
   
   『メールマガジンを読みました。「今後の予定」の中に「気と人生」というテー
   
   マがありますが、どんなものなのか早く知りたいし、重要なテーマなので、他
   
  のテーマと並行して毎回少しずつでも載せたらどうでしょうか?』(K.Tさん)
   

   ■回答■
   
   ご要望ありがとう御座います。ご要望に沿って書いてみたいとは思いますが, 何
   
   分にも私は不器用者で, 一つのことしか集中できない性格なのです。気功はいっ
  
 たん中に入ってみると, 外から見ていたときよりも謎は, さらに深まります。そ

 の99%が謎です。「書きながら考え, そして考えながら書く」というスタイル
   
    は, 今まで得た知識や情報, 経験や体験を一つ一つ再考し, 総合的に確認する作
   
   業だと私は位置付けています。地図のない道をさ迷いながら歩く一人旅にも似て,
  
 メルマガだからこそできる, 新しい発見の旅だと思っています。同時に二つの旅
 
   はできないのです。


   □質問□

   『気功には興味があり, これからやりたいと思っています。初心者にも分かるよ
   
  うな参考書があったら, 教えて欲しいのです。特に, 流派に偏らないのが読みた

   いのですが。よろしくお願いします。』(O.Kさん)
   

   ■回答■

   それであれば, 次の入門書をお勧めします。

   柴 剣宇 : 「気功の基礎入門」(日本気功協会監修) 日東書院
   趙 宝峰 : 「健康気功」   (日本気功協会監修) 日東書院
   
   この入門書は, 二冊で一組として構成されているようです。読んでみると, 気功
   
   世界の内容をお互い重複しないように, 分担され出筆されています。文章は少な
   
   いですが, 入門書としては, 的確でレベルの高い好著と思われます。ただし, 私
  
    の流派とは考え方の違う点がいくつかあります。三千流派あるのですから, すべ

   て網羅できるわけがありません。



   ※気功やこのメルマガの内容に関して, ご意見やご質問がありましたら, 是非
   
お寄せ下さい。お待ちしています。
   
    Email aam13920@nyc.odn.ne.jp 編集 森澤陽子(准指導員)
  



      
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        【バーチャル気功空間 気の世界】隔週  
                                   
    発行元: 日本気功倶楽部
   監 修: 天地 一道
   編 集: 森澤 陽子


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■私の気功の世界■


ネット通信教育 「一指禅功日本 バーチャル気功道場」

http://issizen.michikusa.jp/



「一指禅功日本 東京・小岩リアル気功教室」

http://katutoshinamiki.suichu-ka.com/



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Twitter 「連載 気を考える」

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■私の趣味の世界■



すまい&町並み 今昔物語

「第一章東京下町風景への旅」

「第二章同潤会アパートへの旅」








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