並木克敏(天地一道)

「バーチャル気功空間 気の世界」

2001.05.05 創刊




第2章 潜在能力の開発
   
   
(02-05) 気功と個人差 
 
物質と生命体 (No.21)

   

2002.03.15
   


【物質の世界】
   

   
3月5日付け日経新聞の夕刊に『核融合 卓上装置で「成功」』という記事が

   掲載されていた。それによると「超音波を使って発生させた重水素の気泡を壊

   す方法で核融合反応を起こす実験に成功したと, 米オークリッジ国立研究所な

   どの研究グループが・・発表した。・・重水素の核融合反応に特徴的な250万

   電子ボルトのエネルギーの中性子と, 核融合で生成された三重水素が検出され

   た」という。しかもこの夢のエネルギーが「机の上に載る程度の簡単な装置」

   で可能という。1989年に世界中を巻き込んだ常温核融合ブームを思い出す。専

   門的な科学情報を何故, 長々と記してきたのかというと, 次の文章が今回のテ

   ーマと深く関係してくるからである。続けて「同研究所の別の研究者らの追試

   では, 中性子も三重水素も観測できず, 結果を疑問視する声もある」と指摘さ

   れている。

   物質を扱う科学の世界では, 科学が科学としての市民権を得るためには, この

   「追試」による証明が不可欠である。科学とは「同一の条件で, 同一の方法で

   行ったとき, 同一の結果が得られる」という「再現性・反復性」にあるからで

   ある。ところが, 私ら生身の生命体は物質とは違い, 等質でも, 画一的でもな

   く極めて多様である。生命体も最終的には, 化学物質に還元されてしまうけれ

   ど, その働きはまるで違うのだ。


 

   【大宇宙と小宇宙】
  
 
  
 宇宙において人間は, 微生物のようなちっぽけな存在である。しかし, 大宇宙

   のマクロコスモスに対して, 「人体」は小宇宙のミクロコスモスと言われてい

   る。その意味するところは, 両者共に一つのことが解明されると, その数倍の

   謎が生まれてしまうほど「超複雑」かつ「超怪奇」であり, さらにその謎の解

   明が進むと, 神が創造したのではないかと思われるほどに「超精巧」かつ「超

   緻密」に造られていることが解かるからである。

   


   【生命体の世界】
   

   
人体のその凄さを「細胞」レベルで一寸だけ振り返ってみよう。私たちの身体

   の始まりは, たった一つの受精した卵細胞にある。それが, 次々に規則正しい

   分裂を繰り返しながら増え続け, やがて筋肉細胞, 神経細胞, 骨細胞など人体

   の組織を造っていく。生命体の偉大さである。どんな精巧緻密な先端的な機械

   をもってしても, とうていなし得ない技である。さらに, 1/300ミリといわれる

   小さな細胞の中を覗くと, これがまた凄いのである。細胞は, 細胞核と細胞質

   そしてそれを包む細胞膜の三者からなっている。驚くべきことは, この一つ一

   つの細胞が, 外から栄養を採り入れ, 消化吸収し, エネルギーに転換させ, そ

   してその廃棄物を外に捨てたり, また酸素や二酸化炭素の出し入れをしたり,

   という活動をしているのである。それは, 細胞質の中にあるミトコンドリア,

   リボゾーム, リソゾームなどの細胞内小器官が, タンパク質を分解したり合成

   したりと, 内臓と同じような働きをしているからである。

   一人の人間が行う生理的活動が, 同様に細胞レベルでも行われているのであり,

   その細胞の一つ一つが, 小さな生命体なのであった。私たちの身体は, 地球上

   に住む60億人の1万倍にも相当する, 細胞という「60兆の生命体」を抱え込んで
   
   生きているのである。乱暴な言い方をすれば, 遺伝子がどうの, 神経系やホルモ

   ン系がどうのと言われなくても, 細胞単位で見れば, 人体は画一的でも, 等質で
   
   もないのが当然と思われてくるのである。




   【気的敏感性 女性優位】
   

   
人体は, 画一的でも等質でもないことから, 同じ食事を採っても, 食中毒にかか

   ってひどい目に合う人もいれば, ぜんぜん平気な人もいる。同じ電車に乗り込ん

   で, 感冒をうつされる人もいれば, そうでない人もいる。一つの病気に対する治

   療薬は, 何種類もあるのだが, その人の症状に効く薬もあれば, あまり効果のな

   い薬もある。逆に, 薬による副作用が強く出る人もいれば, あまり出ない人もい

   る。人体は実に多様である。

   気を鍛錬する過程でも, 同じように男女差, 年齢差などにおいて差異がみられ

   る。「(04)気が見える」で触れたように, 私は「気を感じる」という点では人

   一倍敏感であったが, 「気を見る」という点では人二倍鈍感であった。このよう

   に, 一人の人間の中に併存しているのであるから, 話しは少し複雑である。それ

   では現実にはどうか。この種の統計を見たわけでないので, 私のつたない経験か

   ら判断するしかないが, 「気的敏感性」については, 否定しようのない男女差をい

   つも経験している。「気を感じる」という敏感さにおいては, 女性陣が圧倒的に

   優位である。立禅の姿勢をとって, 直ぐに気の反応を感じるのはいつも女性であ

   るし, 身体の中を涼風が吹き抜けるかのような, 特殊な反応も女性の方が現れや

   すい。また練功しているとき, 隣の人の身体から放出される熱「気」を感じるの

   も女性の方が多い。日常生活で男性諸氏が, 女性の敏感さを感じてるように, 気

   功においても「気的敏感性」は, 女性陣に軍配があがる。

   


   【気的鈍感性 「健康優良児的」男性】
   

   
それでは敏感な女性陣に対して, その対極にある最も鈍感なタイプの男性とはい

   かなるものか。経験からするとこれは意外なことに, 体力に自信満々の「健康優

   良児」的男性なのである。この中には, 現役のスポーツマンや武術家なども含ま

   れるようである。このタイプの人間は生命力が旺盛なのだから, 常識的には超敏

   感と思われがちだが, 事実は否である。私の同輩にK会館の空手の猛者がいたが,

   長い期間にわたってトレーニングをしてきたにも拘わらず, 気の反応を感じたこ

   とがないと言う。病気をしたことがないという健康優良児タイプの人間は, 気的

   反応がきわめて鈍いのである。ここで注意しておきたいのは, 気的敏感が上位で,

   鈍感が下位と価値付けている訳ではない。気的敏感性と気的パワー(潜在能力)

   との間には, 必ずしも正比例の関係が存在していないからである。男性陣が劣っ

   ているということを意味してはいないのである。


   

   【その原因】
   

   
このように気的敏感性に対する男女差は, いかにして生じてきたのであろうか。

   基本的には, 男と女の脳の構造の違いがによるところが大きいが, もう一つは,

   常日頃から自分の身体に気をつける習慣があったかどうかに左右されよう。女性

   の場合は, 月に一度訪れる生理と, そして十月十日におよぶ妊娠である。男の私

   には知る由もないが, おそらく男と女の, 自分の肉体についての認識の仕方には,

   雲泥の差があるのではないか。日常的に自分の体調に気を配っていれば, 嫌でも

   敏感にならざるを得ないだろう。二十歳の成人式で, 一年だけ男女の身体が入れ

   替わることができれば, その後の生活が革命的に変わるように思えるのだが。

   それでは, 女性同士や男性同士の間にも, 「気的敏感性」のうえで差異が生じ

   るのは何故か。人間を単純に二種類に分類すると, 敏感な人と鈍感な人, 神経質

   な人と無頓着な人ということになる。そしてこの分類は, 虚弱な人と健康な人と

   いう分類と, かなりの部分で重なり合うように見える。虚弱な人は神経質であり,

   自分の肉体の変化に敏感であるばかりか, 気に対しても敏感である。健康な人は

   無頓着であり, 自分の肉体の変化にも鈍感であるばかりか, 気に対しても鈍感で

   あると。健康に自信満々の人が, ある日突然大きな病に襲われるのもそのためで

   ある。疲労が蓄積しているのに, 自分の身体が認識できないからである。

   ご用心ご用心。


  

*** 会員からのメッセージ ********************


『気が出ました』
   
   『先日送ってもらった発気法をやってみたところ, 今まで暖かさしか感じなか
   
った鈍い私でも何かに触られてるような感じを覚えました。人差し指を動かす
   
と, 手のひらもそのとうりにビリビリ動くのを感じたんです。始めてだったの
   
でビックリしましたが, ナンカまた頑張ろうって気持になりました。最後まで、が

んばるぞ!!』(Mamiさん \(^O^)/)

     
   『排尿が楽になりました』
    
   『秘伝功法第五巻の配信有難うございました。第四巻の練功を終わりましたの

   で、状況をご報告いたします。まず、体調の変化ですが、長年の排尿時の不快

感が無くなりました。若いときほどの勢いは無いですが気持ちよく排尿ができ、

驚きながら喜び感謝しております。また、両方の大腿四頭筋が発達し太くなり、

練功時も登山でも疲れが少なく、回復も従来より速く楽になります。「気」ははっ

きりした糸状のものは見えませんが、指より少し細い輪郭がぼやけた綿のひもの

様な感じのものがかすかに見えます。でも、瞬きをすると消えてしまう弱よわしいも

のです。第五巻では腎臓や肝臓に効果のある練功があるので楽しみながら励み

たいと思います。私は痛風持ちで医師からの投薬で、尿酸値を抑えていますの

で薬の作用を心配しております。効果を多いに期待していますのでご指導のほ

ど宜しくお願いします。』(愛知 MTさん♂)


   ※倶楽部より一言

   MTさんは「78歳」の熟年です。薬の副作用を心配しておられるようですね。気

   功をトレーニングすると, 薬の効き目がよくなるだけでなく, 副作用を抑える
 
  る効果も期待できます。MTさんは「高齢者だからといって弱者にあらず」を地

   で行く人です。   


   ** 購読者コーナ *************************
   

  
□意見1 お茶の味が変わる□
   
   『はじめまして。いつも大変興味深くメルマガを拝読させて頂いております。

   私も気功の真似事レベルはできるようです。以前から気功に興味はあったので

   すが、特に練習をしたことはなかったのですが、ある時ふと机の上にあったお

   茶に手をかざしてみたところ、明らかにお茶の味が変わったのです。これは誰

   でもができることだと思っておりますが、みんなやってみないだけだと思って

   おります。』(HSさん)

   ■気を送ると, 飲み物の味がまろやかになると言います。みなさんも試してみ
    
てはどうですか。科学的な裏付けがあるようですよ。(倶楽部)
   

   □意見2 個人で波長が違う?□

   『いつも、楽しく読まさせて頂いています。気には、すごく興味があります。
  
 はっきりいって見てみたいですね。話は変わるのですが。実は、以前膝が痛

い時がありました。(現在痛みナシ)その時鍼灸師で気功師の人に「気を送り

ながら鍼を打ち痛みを取る。」と言い治療して頂きました。だが、まったく変化が

無く、かえって痛くなりました。ここで、私の考えなのですが、人間は10人十色で

気にもそれぞれ個々で波長があると思われる。受け手がこの波長に合えば滞っ

ている気が流れ出すのではないかと。東洋医学は気の流れとバランスを最も重

視し、それにより治療が成り立つと考えられると、こんな考え間違ってる?』

(Hさん)

   ■どなたか教えてあげてくれませんか。(倶楽部)


   □意見3 気が見たい□

   『はじめまして。minaと申します。20号、「気がみえるまでの体験談」を

興味深く拝読いたしました。私自身、近頃は背景の暗い場所で、指先か
  
ら白っぽい、光のようなものの放射がのびえているのがみえるような気がす

るときがあるのですが、肩などにも、はっきりとみえる、とまではゆかない

ため、自分の気のせいではないか?という気持ちが少々あります。今回は

〈 ★読者諸氏へ 気の見方を無料プレゼント★ 〉ということですので、
   
自分のみえているものが、本当に「気」なのかも知りたいと思いましたので、
 
  ぜひ、希望いたします。もしも、本当にみえていたとしたなら、もっとよく見

   えるようになりたいです・・・。どのような方法なのか、興味がありますし、
 
  その方法を、実際に試してみたいと思っております。どうぞよろしくお願いい

   たします。』(minaさん)

   ■気が見えたら, また連絡をして下さいね。(倶楽部)


   ■「気の見方を無料プレゼント」係りより■

   多数の読者の申し込みがありました。ありがとう御座いました。申し込み頂い
   
た方には, すべて配信したつもりですが, あまりにも多いために手違いがあっ
  
 たかもしれません。配信されない場合は, 申し訳ありませんが, 再度ご連絡を

   下さい。(倶楽部)


  
   
   ※気功やこのメルマガの内容に関して, ご意見やご質問がありましたら, 是非
   
お寄せ下さい。お待ちしています。
   
    Email aam13920@nyc.odn.ne.jp 編集 森澤陽子(准指導員)
  



      
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        【バーチャル気功空間 気の世界】隔週  
                                   
    発行元: 日本気功倶楽部
   監 修: 天地 一道
   編 集: 森澤 陽子


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■私の気功の世界■


ネット通信教育 「一指禅功日本 バーチャル気功道場」

http://issizen.michikusa.jp/



「一指禅功日本 東京・小岩リアル気功教室」

http://katutoshinamiki.suichu-ka.com/



YouTube 「一指禅功秘術 吊手術」

https://www.youtube.com/watch?v=W5J6RmbjpQI&feature=youtu.be


Twitter 「連載 気を考える」

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■私の趣味の世界■



すまい&町並み 今昔物語

「第一章東京下町風景への旅」

「第二章同潤会アパートへの旅」








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