並木克敏(天地一道)
「バーチャル気功空間 気の世界」

2001.05.05 創刊




第一章 入門編
   
   
(01-13) 気功界の裏事情 (その二)教え方学び方
(1)気功の入門書とは  
(No.13)

   

2001.10.19
   
   

【気功にはレベル差があった】
   

   
前回の気功界の裏事情(その一)では, 気功の各流派間にはレベル差は存在し

ないという俗説(?)を覆し, 言葉は悪いが高級気功と低級気功が厳然とし存

   在していることを示した。その狙いは, 気功を学ぶ者がレベル差があるという

   ことを自覚することで, 自分に相応しいレベルの気功の選択を容易にし, 気力

   の充実した青年が高齢者向きの気功で満足させられるような, 不幸なミスマッ

   チを防ぐことにあった。従来言われてきた「貴方にとって適切なものは何か」

   という気功の選択基準に, 新たに流派間のレベル差の存在を加えたのである。

   気功を学ぶ者にとって選択肢が一つ増えたのであるから, 学ぶ側にとっては喜

   ぶべきことであると思う。
   
   

   
【気功入門書の不可解さ】
   

   もう一つ最初に気功に接したとき, とても不可解だったことに「気功の入門書」

   がある。読者の方もお気付きかと思うが, この種のものを四, 五冊読んでみる

   と, 内容があまりに似ているのに驚かされる。構成の仕方も, 気功とは何かで

   始まり, 気功の効用, 気功の種類, 注意事項等々, 似たり寄ったりである。十

   年前と少しも変わらないのである。入門書を数冊読むと, かなり食傷気味にな

   ってしまうのは, 私だけだろうか。こんなにも同じような本を書く必要がある

   のだろうか, 出版する狙いはどこにあるのか, と考え込んでしまう。

   私は理工系の出身なので, 同じような文章の構成と同じような内容の本が出版

   されているのが, 最初は信じられなかった。科学系の出版物は, 最々新の情報

   が掲載され, オリジナリティがなければゴミである。特に, 昨今のIT技術を始

   め, バイオテクノロジーやナノテクノロジーなどは日進月歩である。10月10日

   に野依教授のノーベル化学賞授与が発表されたが, それに続きカーボンナノチュ

   ーブを発見した飯島澄男氏や, 青色発光素子を開発した中村修司氏もノーベル

   賞の可能性が囁かれている。今や, 一昔前の科学情報など何の価値もないので

   ある。この違いは一体どこからくるのであろうか。
   


   
【指導的な気功師の入門書】
  
 
   物が存在する以上, 書き手はどこかに価値を見出しているはずである。気功の

   正しい普及か, ないしは印税稼ぎか, 売名行為か, 自己表現か等々である。著

   者も中国人気功師, 医師, 街の道場主, 好事家と多種多様なので, 出版する理

   由はそれぞれ違うようである。ここでは, 教室を主宰している指導的な気功師

   の書いた「入門書」について, その意図するところを探ってみたい。彼は何故

   に入門書を書くのか。この単純な問いの中にこそ真実があり, ここに学び方の

   極意が隠されているのである。

   指導的な立場の人であるが故に, 気功の正しい普及を目指すという点では, 共

   通していよう。だが, それだけか。気功師なるものは一筋縄ではいかないので

   , からめ手で攻めることにしよう。まずは印税収入に注目し, その実態を検証

   してみよう。東洋医学の本は高価なものもあるが, 気功の入門書の値段は殆ど

   が1500円程度である。気功の本がベストセラーになったという話しを聞いたこ

   とがないので, 普通一年間で売れる部数は, 二千部ぐらいと推定できる。そう

   仮定すると, 著者の手に入る年間の印税収入は20〜30万円程度であろう。本を

   書くという行為は, 労力をかけた割に採算は意外と悪いのである。
   
   

   
【印税稼ぎに非ず】
   

   これを気功教室の授業料と比較してみよう。私達の流派と同じレベルの教室で

   , 内気功の授業料は一回90分で3000円と聞く。外気功ではその倍以上の一万円

   弱という。読者の方はべらぼうに高いと思うかもしれないが, これがハイレベ

   ルな気功の普通の相場なのである。タダに近い気功は, レベルも効能もその程

   度なのである。もし外気功の会員が一人増えたとすると, 一年間に数十回ほど

   教室があるので, 年間30万円以上の増収になる。一人分の授業料が, 一冊の本

   を書いて得られる印税と同程度なのである。内気功では三人分がそれに相当す

   る。つまり印税収入は, 気功教室の授業料と較べると微々たるものであること

   が分かる。何故このようなセコイ計算をしたかというと, 気功の入門書を出版

   する目的が, 印税のためではないということをはっきりさせたかったからであ

   る。もし印税が目的であるならば, 読者獲得のためにその内容に全力投球し,

   独創的なものにするはずである。なぜなら, 印税収入が自分の生活を支えてい

   るからだ。しかし事実はそうではない。
   
   

   
【教室の広告塔】
   

   出版する目的が判れば, 入門書の性格が見えてくる。それは著者の本音を知る

   ことになり, さらにその性格が判れば, 貴方とその入門書との付き合い方, つ

   まりスタンスが決められるのである。これは学ぶ者にとって極めて大切な情報

   の核心であるはずだ。出版の目的が印税にないとすれば, その動機は良くいう

   と自己表現, 悪くいうと売名行為にあるのだろうか。すでに指導的な立場にあ

   るのだから, それは弱いであろう。読者の方はすでにお気付きのことと思うが

   , その本当の目的は自分の主宰する教室を宣伝することにあったのである。一

   見すると, 気功の重要な情報を読者に提供するかのようなポーズをとつている

   が, 実はそうではない。誰にでも手に入る本の中に, 貴重な情報は隠されてい

   ないのである。つまり気功の入門書には, 教室の「広告塔」という性格が強く

   与えられていていることになる。それ故に, 本屋の棚には似たり寄ったりの入

   門書が氾濫していても不思議ではない。広告なのであるから。市場経済にあっ

   てタダで宣伝できる貴重な存在は, ホームページの紹介サイトとメールマガジ

   ンぐらいのものであろう。それに対して気功の入門書は, お金を貰いながら宣

   伝できる広告媒体なのである。極めておいしい存在なのだ。この事実から貴方

   と入門書とのスタンスが, 決まるはずである。 



*** 会員からのメッセージ *********************


『これからの気感が楽しみです』(KAさん♂)

   『5分くらいすると、手の指と指の間がくっついてしまったような感じがしてき
   ます。15分程度すると、背中の肩甲骨の辺り(肩凝りがひどいと痛むところ)
   が痛く(熱く)なってきます。20分経つと、そろそろ膝が震えだし、上半身が
   熱くなって、汗ばむようになってきます。背中の痛みは気にならなくなります
が、後は、残りの10〜20分をひたすら耐えています。収功すると、それまで
熱く感じ、汗ばんでいたのがうそのように、涼しくなります。風船のような気
感はそれほど感じられません。今後、気功を継続していくなかで、体感する
であろう変化を楽しみにしています。』
   
  
 
   
〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓
   
        【バーチャル気功空間 気の世界】隔週  
                                   
    発行元: 日本気功倶楽部
   監 修: 天地 一道
   編 集: 森澤 陽子

           

     〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓








■私の気功の世界■


ネット通信教育 「一指禅功日本 バーチャル気功道場」

http://issizen.michikusa.jp/



「一指禅功日本 東京・小岩リアル気功教室」

http://katutoshinamiki.suichu-ka.com/



YouTube 「一指禅功秘術 吊手術」

https://www.youtube.com/watch?v=W5J6RmbjpQI&feature=youtu.be


Twitter 「連載 気を考える」

https://twitter.com/mikenekobusu




■私の趣味の世界■



すまい&町並み 今昔物語

「第一章東京下町風景への旅」

「第二章同潤会アパートへの旅」








バックナンバーへ戻る