並木克敏(天地一道)

「バーチャル気功空間 気の世界」

2001.05.05 創刊




第一章 入門編
   
   
(01-09) 経絡 気血の通り道 (No.09)
   

2001.08.24
   
   
 
 【気血の道 経絡】
   

   中国伝統医学のことを「中医学」というが, そこには気と血の関係について次
   
   のように書かれている。「気と血は人体を構成する二大物質であり, 血は気

   がなくては流れず, 気は血によって造られる」とある。「気は血の師なり(気為

   血之師)血は気の母なり(血為気之母)」ということになる。さらに「気は血を

   流す原動力であり, 気行けば亦血も行く」ともある。ここは中医講座ではない

   ので, 気血の関係についてはこれ以上の深入りは避けたい。とはいえこの気

   血が流れる道が, 十二正経や奇経八脈などの「経絡」であることを確認してお

   きたい。中医学の不思議は「気」と共に, この「経絡」の存在にある。十二正

   経の図を見れば, 誰もがどうしてこんなにも複雑な経絡とツボを描くことがで

   きるのかと, 大いなる疑問を抱くはずである。なぜなら経絡の存在は, 今だ解

   剖学的には解明されていないからである。人体を解剖しても, 血管や神経の

ように経絡の痕跡を確認することができないのである。
   
   

  
 【合谷穴に針】
   

   とすれば, 経絡は単なる想像上の産物に過ぎないのか。そんなことを言えば,
   
   指圧師や鍼灸師に対して失礼である。芭蕉も「奥の細道」で宿に戻ると, 足三
   
   里穴にお灸をすえたという。足三里穴は疲労回復のツボとされ, 本場中国では
   
   このツボにお灸をすると, 鶏を2匹食べたと同じ効果があるという。このよう
   
   に経絡とツボの存在は, ただ経験的に知られるのみで, 全く科学的に根拠の

   ないものなのかどうか。しかし, 決して全否定されるものでもない。近年, 合谷
   
   穴に針をうって顔の表面温度を調べたところ, 数度高くなっていることが確認
   
   されている。このことは, 合谷穴と顔の間は遠く離れているが, 両者は何かで
   
   つながっていることを暗示している。それが経絡であるのかは, 今なお未解明
   
   である。
   
  
 
   
【気血が走る】
  
 
   右腕に「気滞」が生じ, すっぽ〜んと気が通り抜けた体験をしてからしばらく
   
   経った頃で, すでに外気功のトレーニングに入っていた。あれ以来, 右腕に違
   
   和感を感じることもなく, 相変わらず淡々と練功を続けていた。そんなある日
   
   右肩をゆっくりと動く細い流れを感じ始めた。その細い流れは, 右腕の後ろか

   ら右肩に這い上がり, 首へ向かって流れ, 首付近で胸へと降りていった。そ
   
   の動きは, 実にリアリティがあり, 動いているような感じがするなどという曖昧

   なものではない。動いている場所とスピードと太さが手に取るように正確に判

   るのである。これが, あの科学的に未解明な幻の経絡というものなのか。も
   
   し経絡だとすると, 右腕から肩を経て胸に降りていった, この流れと同じ経絡
   
   の図が十二正経の中にあるはずである。
   
    

  
 【経絡を確認】
   

   トレーニングを終えて, 期待に胸を膨らませて家路を急いだ。着替える暇を惜
   
   しんで, 直ぐに十二正経を調べてみると, あったではないか。それは「手太陽
   
   小陽経」である。この経絡は小指の少沢穴から始まり, 腕の後ろを通り肩に

   這い上がり胸に降りるという道を描いていた。これと全く同じ気の流れを, 練

   功中に体験してしまったのである。なにかタイムスリップして, 仙人の住んでい
   
   る古い過去の世界に入り込んでしまったような思いであった。その後, やはり
   
   練功中に背中の尾閭(尾底骨)から督脈に沿ってゆっくりと這い上がる温かい
   
   流れを始め, 多くの大小の気血の流れを経験した。その度に経絡図と照合し

   てみたが, 見事に一致していた。とするならば, 経絡の存在を信じるしかない。
   
    経絡は存在していると。
   
   

   
【経絡が見える人】
   

   多少の経絡を体験したとしても, それは十二正経や奇経八脈のごく一部であ

   り, どうやってあんなにも複雑な経絡の図を描くことができたのかは依然疑問

   である。解剖学的に未解明であるとすれば, 二つの方法が考えられなる。一

   つは, 異常なまでに経絡に敏感な人が存在していたこと。もう一つは, 経絡を

   物体のように見える人がいたこと, のどちらかであろう。後者については, 近

   年の中国で経絡が見える少女がいたという。彼女は病弱で, その後病気の回

復とともに見えなくなってしまったそうである。

   

   


*** 会員からのメッセージ **********************


『目眩がおどろくほど減りました』(仙台 S.Kさん♂)


   「練功をやってから三ヶ月が経ちます。私はひどい目眩もちでしたが, 第三巻

   目の功法をやって三週間ほどしてから, 目眩の回数がおどろくほど減ってきま

   した。練功中に小鼻の両脇がひびれるような感じがありました。それと両手の

   間に磁石のような強い反応もありました。目眩が完全に消えるように, これか

   らも練功を続けたいと思います。

  
 

*** 購読者コーナ *************************
   
   
   
□質問□
   
   『メールマガジンに, 気功には三千流派があると書かれてありました。そんな

   沢山の気功の中から, 自分に合ったものを選ぶのは大変です。C』(横浜 KI

さん)
   

   ■解答■
   
   大変難しい質問です。書店で気功のコーナーを見ると, おびただしい数の入門

   書があります。しかしどういうわけか, 流派別の長所短所やレベルの高さ低さ

   について比較した文章が, 全く見当たらないのが現状です。日本人は「なんで

   もランキング」してしまうのが好きなはずなのに。これには気功関係者があま

   り口にしたがらない, 一寸した気功界の事情があります。一言で説明すること

   はできませんので, No.11とNo.12を「気功界の裏事情」の節に変更して, 外部

   から見えない部分について簡単に触れたいと思います。気功を選ぶときの参

考になればと願います。

   


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        【バーチャル気功空間 気の世界】隔週  
                                   

    発行元: 日本気功倶楽部
   監 修: 天地 一道
   編 集: 森澤 陽子

           

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■私の気功の世界■


ネット通信教育 「一指禅功日本 バーチャル気功道場」

http://issizen.michikusa.jp/



「一指禅功日本 東京・小岩リアル気功教室」

http://katutoshinamiki.suichu-ka.com/



YouTube 「一指禅功秘術 吊手術」

https://www.youtube.com/watch?v=W5J6RmbjpQI&feature=youtu.be


Twitter 「連載 気を考える」

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■私の趣味の世界■



すまい&町並み 今昔物語

「第一章東京下町風景への旅」

「第二章同潤会アパートへの旅」








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