並木克敏(天地一道)

「バーチャル気功空間 気の世界」

2001.05.05 創刊




第一章 入門編
   
   
(01-07) 気血(その一) 気量の増大 (No.07)
   

2001.07.27
   
   
  
【気功とは 気の鍛錬】
  
 
気功の功は「練る」という意味である。練るとは「計画を練る」などと使われるように, 練習と

かトレーニングすることにも通じている。気功とは何かを一言でいえば, 「気功とは気を鍛錬

すること」といえそうである。それでは気を鍛錬するとは, 具体的にはどのようなことを指すの

か。前号で書いたように, 気功や密教の手印ばかりでなく, 広く指圧や鍼灸に共通している

目的の一つが「ツボや経絡を刺激し気の流れを促進させる」ことにあった。そして「身体内の

気の流れを促す」ことこそ, 中国伝統医学の基本原理である。こうみてくると, 気の鍛錬の中

には, この「気を流す」ことが含まれていることは間違いない。しかし気を流すだけであれば,

あえて辛い練功などせずに指圧でも十分ではなかろうか。それ以上の何かが得られなけれ

ば, あえて気功をする意味がない。

   

   
   【練功の効能 気量の増大】   
   

練功を始めると種々の反応が出るが, このうちの幾つかは身体から内気が放出された結果

生じたものである。しかし, 決して漏れ出しているわけではない。内気が放出される以上に, 身

体内に「清気」と呼ぶ外気が多くのツボから採り入れられている。プラスとマイナスでいえば,

練功するたびに少しずつプラスとなる。一回練功する毎に, 一滴々々油が甕に溜まるように,

身体内に外気が蓄積され, 内気が日々充実してくるのである。「気量」の増大である。このこ
   
とは誰でも練功するたびに, 気の反応が強くなることで実感できる。練功の効能の一つは, 気

を流すだけでなく, 気量を増大させることにあったのである。愚直なほどに淡々と続けることが

大切だというのは, このことを指している。決して気量はいっきに蓄積されるものではない。や

ったり休んだりと気ままな練功は, レペルアップが難しい。「継続こそ力」というのは, 気功に最

も当てはまる言葉である。と同時に「継続に落ちこぼれ無し」でもある。

  
 
   
   【虚弱 気量の増大から】
   

気量が増大できれば, 病気というほどではないが, なんとなく疲れやすく, だるいなどの不定

愁訴を感じている人は, 元気もりもりとなることでしょうし,虚弱体質の人も, トレーニングして気

量を増やせば, 再び活力を取り戻すことできるでしょう。もともと気量の不足している人は, ま

ず気量を増大させることを先行すべきである。「流す」にも, 「流す」気がないのだから。トレー
   
ニングを始め, 健康を回復させ内気が充実してくれば, 普段の生活の中でも内気は自然に放

出され, 気が自分の身体の周囲に満ちているのを実感できるようになるでしょう。

   

   
   【日常生活の中での気感】
   

練功を重ね内気が充実してくると, 練功中に感じる気の反応とは別に, 日常生活の中でも気

感が生じてくる。たとえば, リラックスして座っているとき, 顔を左右にゆっくり動かすと, 両腕

に動かしているという確かな反応が現れる。さらにトレーニングをして内気がより充実してく

ると, 目を左右に動かすだけで同じ反応が生まれる。あるいは, たまたま手が胸の前にきた

ときなど, 手と胸との間に粘り気のある物質が存在するかのような反応もある。それは丁度,
   
お湯を入れてやや固まった片栗粉を混ぜているかのような反応であり, 水よりも粘り気と一

層の抵抗感がある。このような日常生活での気の反応も, 練功のときと同じように多種多様

なので, すべてを説明するのは困難なほどである。反応は二十四時間コンスタントにあるわ

けではなく, リラックスしているときに感じることが多い。個人的な経験では, 食後に気の反応

が強くなる傾向があるように思える。

   

   
   【ツボで気の呼吸】
   

日々絶え間ないトレーニングによって気量が増大し, 甕の中が一杯になると気は自然と溢

れ出てくる。気が身体の容量を超えて溢れ出してくると, 日常生活の中でも気が放出される

ようになり, 各種の気の反応が生じてくる。身体には365のツボがあるとされるが, それには

外気を吸収するツボと, 内気を放出するツボとがあり, 練功することによって放出する力以

上に吸収する力を強めるのである。外気を吸収しながら内気を放出するのは, 練功中だけ

でなく, トレーニングを重ねれば日常生活でも同様なことが起こる。このことは, 内気が溢れ
   
出てくるのであって, 決して漏れ出しているわけではない。肺で酸素の呼吸しているように,

ツボで気の呼吸をしているのである。そういう身体を創るのが当気功の役割である。


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        【バーチャル気功空間 気の世界】隔週  
                                   

    発行元: 日本気功倶楽部
   監 修: 天地 一道
   編 集: 森澤 陽子

           

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■私の気功の世界■


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「一指禅功日本 東京・小岩リアル気功教室」

http://katutoshinamiki.suichu-ka.com/



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すまい&町並み 今昔物語

「第一章東京下町風景への旅」

「第二章同潤会アパートへの旅」








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