監修・解説 並木克敏
2001.05.05 創刊 月刊発行
最新号
■第24章 会員からのメッセージとの対話 (17) (2023.08.31~) ■
第24章の「会員からのメッセージとの対話(17)」は. 2001年の創刊以来,会
員や読者から多数の「メッセージ」や「質問・意見」が送られてきました。こ
れまでは会員や読者が主役なので, 「質問」以外は倶楽部からの意見や
感想をできるだけ控えてきました。「会員からのメッセージとの対話」シリー
ズでは, 会員からのメッセージに対して, 倶楽部としてはどのように考えて
いるのかを, 「倶楽部からの一言」の中で答えています。また, 時節に相応
しい記事を必要に応じて随時特集号として組み入れたいと思います。会員
や読者の方々の気功の知識や, 練功の一助になれば幸いです。なお. 会員
からいただいた「メッセージ」は創刊以来, 1000通を超え, 練功についての疑
問や質問は3500通余に達しています。
■第24章 会員からのメッセージとの対話 (17) 目次 ■
(24-01) 特集 「一指禅功の導引法について」 (2) 並木克敏
(24-02) 特集 「一指禅功の導引法について」 (3) 並木克敏
(24-03) 特集 「一指禅功の導引法について」 (4) 並木克敏
(24-04) 特集 「一指禅功の導引法について」 (5) 並木克敏
(24-05) 特集 「師範コース 壮元功の練功日誌01」 兵庫 あきかん
(24-06) 特集 「師範コース 壮元功の練功日誌02」 兵庫 あきかん
(24-07) 特集 「師範コース 壮元功の練功日誌03」 兵庫 あきかん
(24-08) 特集 「師範コース 壮元功の練功日誌04」 兵庫 あきかん
(24-10)特集 双臀攬月功 手の位置について質問(1)
「掌の中で最も発功力が強いのは〝親指+母指球の領域〟」
2024年04月04日 (No. 291号)
『内気外発部位と身体の関係について』(並木克敏)
先日京都にお住いのCD会員のN.Tさんから, 双臀攬月功を練功している際の,
身体の正面に向けられた手の位置についての質問をいただきました。内気功第
三巻の「双臀攬月功」は, 両手の平を胸元と顔に向けて, 自分の内気を放出さ
せます。馬歩椿の姿勢をとるだけで, 初心者でも内気は手の平や指先から勝手
に出てきます。これが一指禅功の素晴らしいとろです。双臀攬月功は, 自分が
放出させた内気を, 自分の身体で受け採るという功法です。内気を放出させる
身体のある特定の部分を「内気外発部位」と言います。これを部位と呼ぶのは,
内気外発するのが, 経絡に沿って点在するツボだけではないからです。身体の
関節などからも気は出ています。N.Tさんからいただいた質問は, 練功している
ときに, 腕や手にあるツボなどから出た気を, 自分の身体がどのように受け止め
そしてどのような作用を及ぼしているかという, 一指禅功にとって本質的な問題
なのです。気とは, 宇宙エネルギーだとか, あるいは生命エネルギーと云うような
曖昧なキャッチフレーズで済ませてしまうような, 思考停止状態ではいけないので
す。「気の世界への旅立ち 体験的気功論」で描いたように教科書的な説明ではな
く, ここでも皮膚感覚を大切にして, N.Tさんからの質問にお答えしたいと思います
『ちょっとだけ空勁功について話します』
なお, N.Tさんは「空勁功」を三年ほど経験しているそうです。空勁功とは, 一
指禅功の第十九代黄仁忠老師が創案した気功で, 私が秦兪生老師から学んだ
「一指禅功」も, 名称こそ違いますが中身は黄仁忠老師の空勁功です。空勁功
は, 基本的には一指禅功と内容が同じなので, 第十八代の闕阿水太師からの承
認を受けていることもあり, 空勁功とも一指禅功とも名乗れるのです。黄仁忠
老師の空勁功は, 日本人の故今村末子氏に受け継がれ, 一指禅功としては, 中
国人の第十九代秦兪生老師に継承されました。ところで, 闕阿水太師の一指禅
功と, 黄仁忠老師の空勁功とでは, どこが違うのでしょうか。第十八代の闕阿水
太師の一指禅功は, 時間的かつ空間的に制約のない, 禅院の境内の中で行わ
れていた, 文字通り僧侶のための気功です。それに対して. 黄仁忠老師の空勁
功は, 禅院の境内から離れて, 忙しく社会生活を送っている現代人の気功と云
うことができます。闕阿水太師の一指禅功は, お経を唱えながら, 途中で中断
することが許されず, 1~2時間もぶっ通しで練功するエンドレスの気功です。
黄仁忠老師の空勁功は, 長々と続く練功の過程を, (1)~(5)の動作を一セット
として, その日の都合で, 3回, 5回, 7回など区切れるように再編したもので
す。これならば, 練功の途中で電話が鳴っても, 来客が訪ねてきても, なんと
かやり繰りができそうです。
『双臀攬月功における手の位置についての質問』(京都 N.T♂)
並木先生 会員No.1353の N.Tです。
功法について、いくつか質問させていただければと思います。
■ 01-03双臀攬月功 についての質問 (2024.04.01)
Q1 この功法の途中、手指按動法で、天突穴に、魚際穴をむけて、2分ののち
腕を伸ばして、さらに1分という手順ですが、この、腕を伸ばすのは、どうい
う意味があるのでしょうか? 天突穴に、気を送るだけなのであればわざわざ
腕を伸ばす必要はないのではないかと思いますが、それだけではない理由があ
るため、腕を伸ばすのだと考えます。その理由について、お考えをお聞かせい
ただけますでしょうか?
Q2 さらに、この功法の次、迎香穴に魚際を向ける手順がありますが、迎香穴
は、左右に2つあり、中央にはないと思います。このとき、両手の魚際の位置
は、天突穴に向けるときのまま、一直線を保つのかそれとも、少しずらして
左右の手の魚際穴を、左右の迎香穴に一致するように、するのかいずれになる
のでしょうか?
以上、2点の質問となります。よろしくお願いいたします。
『一指禅功の馬歩椿のメカニズム』(並木克敏)
ご質問ありがとうございます。内気功第三巻「双臀攬月功」においての「内気
外発部位と身体の関係」についての本質的で鋭い質問ですね。この質問に答え
る前に, 馬歩椿における「内気外発部位と身体の関係」について, そのメカニ
ズムを説明したいと思います。なお, 内気外発部位とは, 気が出るツボや身体
のある部分のことです。
一指禅功の馬歩椿の基本姿勢は,両脚を肩幅に開いて膝を曲げて立ち, 両腕を
平行にして前方に突き出します。この単純とも思われる姿勢の中に, 内気外発
部位と身体の関係についての多くのエッセンス(真髄)が埋め込まれているので
す。このエッセンスを知るためには, 一指禅功と武術気功の馬歩椿の形を比較す
ると, 理解しやすいでしょう。武術気功の馬歩椿は, 両脚を肩幅より大きく逆八の
字に開き, 膝を90度にして腰を沈めることで, 両脚に大きな負荷を掛けます。その
目的とするところは, どのような姿勢からでも, 防御と攻撃ができるように, 足腰を
鍛えることにあります。
『全身での気の交流が行われる一指禅功の馬歩椿』
他方で, 一指禅功あるいは保健気功の馬歩椿は, 気血を下半身から上半身に
押し上げて, 気血循環を促進することを目的としています。その結果として足腰
が鍛えらることになります。実は両脚を肩幅に広げるところに, 一指禅功の馬
歩椿のキモがあるのです。なぜかと云うと, 両脚を肩幅に開くことで, 前方に
突き出した両腕と両太腿が上下に重なり, 全身にわたる気の交流(システム)が
完成するからです。両腕と両太腿が上下に重なるということは, 両腕の間に気の
交流が生まれるだけでなく, さらに両腕と両脚の間に気の交流が作り出される
のです。
馬歩椿の姿勢をとったとき, 多くの人は両腕の間に磁石のような, 風船のような
反応を感じることができるでしょう。さらに気的に敏感な人であるならば, 両腕と
太腿の間にも同じような反応を感じるはずです。あるツボや部位から放出された
気を, 別のツボや部位で受け取るという, 一指禅功独特の鍛錬法であるフィード
バック法が, 馬歩椿そのものにおいても成立しているのです。それゆえに, 一指
禅功の馬歩椿は, 武術気功のように脚の幅を, 肩幅より大きく広げてはいけない
のです。このようにして, 全身での気の交流が行われることにより, 自分の身体の
周囲に, 磁場にも似た「気場」が発生するのです。(次回, 質問の回答へと続く)
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■ 会員からのメッセージ ■ 2024.04.04 掲載
「テキスト師範コース(2)の完成に期待しています」(仙台 K.S♂)
「ポームページを見ました。師範コース(2)を制作中とかありました。5年前
に師範コース(1)を修了して, 現在は再び外気功初級から練習しています。
若い頃に太極拳をやりましたが, 一指禅功の奥深さには感嘆しています。6
年8ヶ月のテキストだけでもすごいと思っていましたが, まだまだあるんで
すね。私は仙台に住んでいるので, リアル教室には通えないので, 座禅式の
功法を教えてもらえると助かります。それにしても並木先生は, 80歳近いの
に気功のテキストを作ったり, 植木の剪定をやったりと元気ですね。やっぱ
り気功練習の賜物でしょうか。私もあやかりたいともいます。師範コース(2)
が完成するのをお待ちしています。」
■私の気功の世界■
ネット通信教育 「一指禅功日本 バーチャル気功道場」
http://issizen.michikusa.jp/
「一指禅功日本 東京・小岩リアル気功教室」
http://katutoshinamiki.suichu-ka.com/
YouTube 「一指禅功秘術 吊手術」
https://www.youtube.com/watch?v=W5J6RmbjpQI&feature=youtu.be
Twitter 「連載 気を考える」
https://twitter.com/mikenekobusu
■私の趣味の世界■
懐かしい 「昭和の住宅」 今昔物語
「第一章東京下町風景への旅」
「第二章同潤会アパートへの旅」