薬を使わず自分で治す病気の防治法


日本気功倶楽部　並木克敏

■ 精力減退解消法 ■

 
【効能】 

性的な欲求は, 生き物としての人間のごく基本的な欲求です。性欲が衰えてく

ると、仕事や知的探究心など、生活全般にかかわる欲求もまた衰えてくる場合

が多いので、これも問題となります。ところでこの精力減退という症状は、大半

が東洋医学でいうところの「腎虚（じんきょ）」に由来します。「腎虚」とは、腎（

腎臓、副腎、膀胱、生殖器をすべて含む）の機能の低下を意味します。東洋医

学では腎臓の機能は, たんに泌尿器の機能のみではなく, 生命力と成長力の

根源であり, 精力減退, 生殖器疾患, 婦人科疾患, 膀胱, 尿道などの疾患, そ

れに耳鳴り, 難聴, 骨の老化, 脳の老化なども腎の衰えと考えます
 

【方法】

「一病多治」と云われるように, 精力減退を解消させるための方法は, ワンパタ

ーンというのではなく, 幾通りもの方法が用意されています。一つの方法を１〜

２週間ほど試されて 自分に合った方法を探して下さい。一指禅功とあるのは,

この流派独特の方法です。

【 一指禅功指圧法 】

【穴位】

虚症の外気治療で通常，使われる穴位（ツボ）は，「命門穴」（めいもんけつ），「関元穴

」（かんげんけつ），「三陰交穴」（さんいんこうけつ），「尾閭穴」（びろつ）の四種類です。命門

の「命」は生命を，「門」は生まれでるところで，命を生み出す大切なツボであること

を意味します。命門穴は，第十四脊椎（第二腰椎）棘突起下で，ヘソ（神闕穴）の

ちょうど裏側にあり，外気治療で最も頻繁に使われるツボで，食欲不振に特効のツ

ボでもあります。関元穴の「元」は，両親からけ継いだ先天の気（元気）のことで，

「関」は関所，つまり調整する所を意味しています。任脈上の臍下３寸にあります。

三陰交穴は, 足の三つの陰経が交わるところのツボを意味し, 生理痛などの婦人

病疾患に特効のツボでもあります。三陰交穴は, 内くるぶしより９cm上にあります。

尾閭穴とは, 尾骨ないしは尾底骨のことです。

　
命門穴　　　　　　　　　　関元穴
 

 
三陰交穴　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 尾閭穴＝尾骨

【方法】 

(1)按関元穴

関元穴は, ヘソ下３寸(人差指から小指までの四指幅)にあり, 人差し指か中指で

１〜２分間押します。初めは軽く, 徐々に強く押します。

(２) 按命門穴

命門穴は, ヘソの背側にあり, 立ったままの姿勢ないし寝た姿勢で行います。両手

の指を組んだとき一列にできる, 第二関節の甲側で, 命門穴を１〜２分間軽く押し

ます。

 (３) 按三陰交穴

三陰交穴は, 内踝の上の３寸(人差指から小指までの四指幅)の脛骨の際にあり,

親指で１〜２分間押します。

 (４) 擦尾閭

尾閭穴とは, 尾骨ないし尾底骨のことで, ここを両手の人差し指に中指を添えて,

上下に熱くなるまで擦ります。 

　　
 人差し指を合掌を作り, 尾骨を上下に揉む

以上(1)〜(4)までを, 朝晩の２回行います。

【 足の親指刺激法 】

 【効能】
 

「足の親指は, 亀頭の出先機関」と云われているように, 足の親指の刺激は,

インポテンツに効果的なツボです。東洋医学では, インポテンツのことを「陽不

起」と呼んでいます。「陽不起」している人の親指の先端は, 弾力性に乏しく「

ぶよぶよ」しています。足の親指の先端は, 亀頭の状態をよく示しています。

【方法】

足の親指の先端が, 亀頭の状態をよく示しているとすれば, 足の親指の先端を

刺激すればいいわけです。最も効果的な方法は, タバコ灸です。足の親指の

先端に, タバコをゆっくりと5〜10ｍｍほど近づけ, 熱いと感じたら直ぐに離しま

す。これを５〜７回ほど繰り返し, 朝晩２回ほど行います。タバコ灸のほかにも,

足の親指の先端をよく揉みほぐしたり, 親指をぐるぐる廻しても効果は現れます

。なお, 持久力を高めるためには, 腎経のツボである, 小指の外側の爪の生え

際の「至陰穴」を揉みます。

 
至陰穴

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