薬を使わず自分で治す病気の防治法
日本気功倶楽部 並木克敏
■ 生理痛 ■
【効能】
生理痛は多くの場合, 冷えと関係しているようです。クーラーを弱めにするとか
, 冷たいものを飲み過ぎたり, 食べ過ぎたりしないように注意しましょう。生理痛
に冷えを伴う人は足温浴を, 足にだるさを伴う人は青竹踏みで鍛えておきまし
よう。ここで紹介する
［1］ 双手抱球功は, 予防法として日常的に行います。
［2］指圧法は, 実際の痛みが生じたときに, 痛み止めとして行います。
【穴位】
生理痛で使われるツボ(穴位)は, 次の三種類です。脚の脛(すね)内側にある「
地機穴（ちきけつ）」, 尾骨の両側にある仙骨上の「八両(はちりょう)」, そして
手の小指にある「生理痛点(せいりつうてん）」です。「地機穴」は, 痛み止めの
効果のあるツボです。
「八両」は, 尾骨の両脇に並ぶ第一仙骨から第四仙骨までの四つのツボの総
称です。
（１）地機穴 （2）生理痛点
（3）八両
【ツボの取り方】
「地機穴(1)」は, 膝下約15ｃｍの脛骨の際にあり, 「陰陵泉穴」から親指で脛
骨際を押していくと一番痛みが強い部位です。「八両(3)」は, 尾骨の両側に四
つずつ並び,押すとくすぐったいような痛みが走るところです。「生理痛点(2)」
は, 小指第二関節の薬指側の側面です。
【方法】
［1］ 双手抱球功（第二巻を参照して下さい）予防法として起勢＋立禅（３分）
後に始めます。
〈１〉右手を「だん中穴」へ, 左手を「ヘソ」へ １分停止。
〈２〉右手を「天突穴」へ, 左手を「関元穴」へ移動 ２分停止。
これ一セットとして, ３回繰り返す。
立禅（３分）＋収功 ⇒ 時間 計１５分。
〈1〉停止１分 〈2〉停止２分
効能:
これは〈２〉の右手を「天突穴」, 左手を「関元穴」のとき「婦人科疾患」や「前立
腺肥大症」に効果が現われます。ここでは〈１〉は １分間の停止とします。第二
巻の「双手抱球功」とは異なります。双手抱球功の後に, 次の（２）の指圧法を
行い, さらに気血の循環を促進させます。
［2］指圧法 痛み止めとして
（１）小腹を揉む
ヘソ下の小腹を右手を下にして, 左手を添え両手を重ねて, 右回りに２〜３分
ほど揉みます。痛みが強いときには, 弱まるまで繰り返し行います。
小腹を揉む
(２)地機穴を押す
「地機穴」は痛み止めの効果があるツボです。親指の先で１,２,３のリズム
で押し, １,２,３と力を抜き休みます。これを１〜２分間繰り返します。痛み
が強いときには, 弱まるまで繰り返し行います。また, タバコ灸を行ってもよ
い（※タバコ灸参照）。
（３）八両を押す
尾骨の脇の四つのツボを, 人差し指から小指までの四指の指先で強く押
す。１,２,３のリズムで押し, １,２,３と力を抜き休みます。これを３〜５分間
繰り返します。
（４）生理痛点を揉む
生理痛点を親指の腹でゆっくり揉みます。１〜２分間行う。また, タバコ灸
を行ってもよい（※タバコ灸参照）。
※タバコ灸
この二つのツボに, タバコ灸を各７回行います。タバコの代用としては, お
線香を１０本を束にして輪ゴムで止めても使えます。まず, 火をツボの方に
ゆっくり近づけていきます。１ｃｍぐらい近づけ, 熱さを感じたら火を離しま
す。これを７回繰り返します。ただし「ツボ」は, 他の皮膚よりも反応が鈍い
ので, 火傷にはくれぐれも注意して下さい。
※この自己保健法を［１］をやる場合には, 通常の練功とは朝と夜というように,
できるだけ時間をずらして行ってください。
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