並木克敏(天地一道)

「バーチャル気功空間 気の世界」


2001.05.05 創刊






   「バーチャル気功空間 気の世界」 総目次

   第1章 入門編                      (2001.05.05〜2001.11.30)
   第2章 潜在能力の開発                (2002.01.19〜2002.06.21)
   第3章 内気外発(気を出す)              (2002.07.26〜2003.01.15)
   第4章 気と社会                    (2003.02.15〜2003.11.22)
   第5章 気との遭遇 (その一)             (2003.12.24〜2004.11.27)
   第6章 気との遭遇 (その二)             (2004.12.24〜2005.12.31)
   第7章 一指禅功の基礎知識 (その一)       (2006.01.31〜2007.05.25)
   第8章 会員からのメッセージとの対話(1)      (2007.06.09〜2008.05.31)
   第9章 会員からのメッセージとの対話(2)      (2008.06.30〜2009.06.27)
   第10章 会員からのメッセージとの対話(3)     (2009.07.30〜2010.07.04)
   第11章 会員からのメッセージとの対話(4)     (2010.07.27〜2011.05.24)





■第12章 会員からのメッセージとの対話 (5)  (2011.06.28〜) ■

   第12章の「会員からのメッセージとの対話 (5)」は. 2001年の創刊以来, 会員や

   読者から多数の「メッセージ」や「質問や意見」が送られてきました。これまでは

   会員や読者が主役なので, 「質問」以外は倶楽部からの意見や感想をできるだ

   け控えてきました。 「会員からのメッセージとの対話」シリーズでは, 会員からの

   メッセージに対して, 倶楽部としてはどのように考えているのかを, 「倶楽部から

   の一言」の中で答えています。また, 時節に相応しい記事を必要に応じて随時

   特集号として組み入れたいと思います。会員や読者の方々の気功の知識や,

   練功の一助になれば幸いです。なお. 会員からいただいた「メッセージ」は創刊

   以来, 300通を超え, 練功についての疑問や質問は1000通余に達しています。

   「会員からのメッセージとの対話」シリーズが一段落したら, 「疑問・質問Q&A」

   シリーズの掲載を考えています。







第12章 会員からのメッセージとの対話 その5


(12-09) 特集 一指禅功の秘術 「吊り手」 (その3)

       貴方もトレーニングすれば吊手はできる

    2012年02月29日 (No.145号)





【 非日常的な姿勢 馬歩椿 】


   今回は, どうやれば「吊手」ができるのかというマーマで, お話をしたいと思

   います。単刀直入に言えば, 「吊手」ができるかどうかは, 一指禅功のトレー

   ニングを, 飽きることなく淡々と続けることに尽きます。それはどうしてかと云

   うと, 「吊手」という非日常的な能力は, 非日常的な鍛錬を通してしか開花し

   ないからです。そもそも, 一指禅功のトレーニングをするときの, 立式の姿勢

   そのものが, 日常生活の中ではありえない姿勢です。この立式の姿勢のこと

   を一指禅功では, 「椿法」と呼んでいます。椿法には, トレーニングする内容

   に応じて, いくつかの方法があります。読者の方にもお馴染みなのは, 馬の

   背で騎手が手綱をとるごとき姿勢の, 馬歩椿(立禅)だと思います。馬歩椿の

   姿勢と似たものに, 森光子さんの健康法で一躍脚光を浴びた「スクワット」

   があります。スクワットは, 腰を上下に移動させることで, 下半身の筋肉をバ

   ランスよく鍛える身体づくりです。つまり, 運動です。ところが馬歩椿にはス

   クワットのような上下の動きも, 左右の動きもありません。ただひたすら, 立ち

   続けるのみです。短いときでも20分, 長いものでは40分の間, 下半身を微

   動だに動かすことなく立ち続けるのです。一指禅功は, 馬歩椿という非日常

   的な姿勢をとり続けることで, 心身ともに非日常的な世界に身を移すことに

   なるのです。日常の生活の中で, 馬歩椿という姿勢をとり続けることはありえ

   ないからです。



   
【 そして, 非日常的な「気功状態」へ 】


   馬歩椿という非日常的な姿勢で, しばらく立ち続けていると, 身体の一部に

   ある変化が現れてきます。この変化というのは, 感覚的なものではなく, 肉体

   的かつ具体的なものなので, 誰もがご自分の目で確かめることができます。

   最初の変化は, 手や指に現れます。まず, 手の平が異常に赤くなると共に,

   爪の色がマニキャを塗ったように真っ赤になってきます。そして足の甲を見る

   と, その反対に・・・が見えます。手の平や爪の色が真っ赤になるのは, 血の

   巡りの悪い手や指の毛細血管にも, 十分に血液が行き渡ったためです。毛

   細血管に流れ込む血量は, 通常は30%ほどとされているからです。身体の

   末端にある手指にまで, 血量が増えたのです。そうです, 馬歩椿の姿勢をほ

   んの数分続けるだけで, 気血が下半身から上半身に向けて, 自然に昇って

   いくのです。馬歩椿の姿勢は, スクワットのように筋肉を鍛えるのではなく,

   下半身の気血を上半身へと押し上げる効果を狙ったものだったのです。馬

   歩椿という非日常的な姿勢は, 貴方を非日常的な身体に造り替える第一歩

   となるのです。ただ, 馬歩椿の副産物として, 長く一指禅功を練習していると

   太腿やふくらはぎの筋肉が, アスリートのように逞しくなってもきます。脚に筋

   肉が付くと, 日常生活の中で全身の血液の循環が良くなるだけでなく, 膝痛

   を予防し, 新陳代謝を高めることにもなります。



【 非日常的な世界での鍛錬 】


   一指禅功は, 馬歩椿の姿勢を保ち続けることで, 下半身の気血を上半身に

   押し上げ, その結果として, 身体的に非日常的な「気功状態」を造ります。こ

   の「気功状態」を維持したうえで, 一指禅功の独特の鍛錬法を行うことになり

   ます。一指禅功の鍛錬法といえば, 誰もが手の指を曲げる「はん指」(手指按

   動法)を想像するでしようが, 自分の手指から自分のツボへと気を送る「フィ

   ードバック法」という優れた方法もあるのです。いずれにしても, 馬歩椿とい

   う非日常的な「気功状態」の中で, 「はん指」や「フィードバック法」の鍛錬法

   を行うことによって, ごく普通の人間の心身を, 気功師の身体に改造してい

   くのです。

   一指禅功日本の内気功コースでは, 気功師を養成する前提として, まず基

   本中の基本である「馬歩站椿功」から始めます。馬歩站椿功は, 馬歩椿の

   姿勢をとることで, 非日常的な「気功状態」を造り, 内気と外気の交流を促す

   と共に, 体内のスムースな気の流れを促進させます。それは同時に, 現代人

   の軟弱な足腰を鍛えることもにもなります。初心者が馬歩站椿功を一ヶ月間

   続けられれば, これ以降の内気功コースの障害はなにもありません。あとは

   飽きることなく淡々と練習を続けるだけです。



【 潜在能力は一日にして成らず 】


   「内気功コース」が終了する頃には, 内気が充実してくるので, 病気の人は症

   状が回復し, 健康な人はインフルエンザの季節がきても恐れることはなくなり

   ます。こうして, 気功師養成のための準備が整うのです。外気功初級コース

   から, いよいよ気功師の身体への改造の始まりです。第一巻「納気帰元法」

   は, 外気を採り入れる専門功法で, 気を出した後の補気用としても使われま

   す。第一尊羅漢功の「螺旋功」は, 内気を螺旋状に外発させ, 内臓などの深

   い患部への浸透力を高める功法です。第五尊羅漢功の「仏光功」は, 自己

   の衛気を高め邪気の侵入を防ぎ, 同時に脳の働きを活発にさせる効果もあり

   ます。「龍形功」は, 労宮穴を鍛え発功および収気のための能力を高めます。

   そして, 「内勁外発功」と「内勁震蕩功」は, 内気を外発させるための, 一指禅

   功の基本功法で, この功法を練習することにより, 気がスムースに出るように

   なります。一指禅功日本では, 内気功コースから外気功初級コースの終りま

   で, 毎日欠かすことなく続けたとすれば, 「1年半=18ヶ月」で修了します。

   個人的な資質もありますが, 外気功初級コースを修了すれば, 初歩的な内

   気外発が可能となります。こうして, 非日常的な「気功状態」の中で鍛錬を続

   け, 指導員コース(1)を修了する頃には, 「吊手」という潜在能力が獲得でき

   るのです。「ローマは一日にして成らず」というように, 気功での潜在能力は,

   二日間の合宿セミナーでは「似非=えせ」能力しか身に付かないのです。

   二日間の合宿セミナーで, 一人前の気功師になれたとしたら, 中国の気功

   医師は, みんな失業したしまうことでしょう。


 ** 会員からのメッセージ **********************


■ 会員からのメッセージ ■ 2012.02.29


『私もマイペースでいきます』 (岡山 ヘッポコ親爺♂)


    『みなさん, 今晩は。前々号で兵庫の「あきかん」さんが書いていましたが,

   私の練習も超スローです。みなさんのメッセージを読んでいると, 吊手がで

   きたとか, 導引ができたとか, 腰痛を治したとかあるので, 気が引けていたの

   です。「あきかん」さんのを読んで, 仲間がいたと心強く感じています。私も

   マイペースで, 細く長く続けていきたいと思います』


    ** *********************************


 ※気功やこのメルマガの内容に関して, ご意見やご質問がありましたら, 是非
   
お寄せ下さい。お待ちしています。
   
    Email katutoshi@max.odn.ne.jp  編集  正田 竜二
  



 〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓
   
【バーチャル気功空間 気の世界】月刊
                                   
   発行元: 日本気功倶楽部

監 修 並木克敏 (天地 一道)

編 集: 正田 竜二


※「バーチャル気功空間 気の世界」に掲載された内容を無断で複写、転載、転送および引用することを禁止いたします。なお、お友達の方へ紹介の為の転送は大歓迎です。           

     〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓


バックナンバーへ戻る