並木克敏(天地一道)

「バーチャル気功空間 気の世界」


2001.05.05 創刊






「バーチャル気功空間 気の世界」 総目次

第1章 入門編                    (2001.05.05〜2001.11.30)
第2章 潜在能力の開発              (2002.01.19〜2002.06.21)
第3章 内気外発(気を出す)            (2002.07.26〜2003.01.15)
第4章 気と社会                  (2003.02.15〜2003.11.22)
第5章 気との遭遇 (その一)           (2003.12.24〜2004.11.27)
第6章 気との遭遇 (その二)           (2004.12.24〜2005.12.31)
第7章 一指禅功の基礎知識 (その一)     (2006.01.31〜2007.05.25)
第8章 会員からのメッセージとの対話(1)    (2007.06.09〜2008.05.31)
第9章 会員からのメッセージとの対話(2)    (2008.06.30〜)







第9章 会員からのメッセージとの対話 その2


(09-07) 特集 一指禅功での独立開業について


(1) 日本の健康産業における気功の地位と法的規制

2009年1月07日 (No.107号)





【はじめに】


   気功を実践する目的は, みなさんそれぞれに違うことと思われます。多数派

   を占めるのは, おそらく健康の維持と病気からの回復ではないでしようか。

   たとえ余りあるほどのお金があったとしても, たとえ高い社会的な地位を得て

   いたとしても, 健康に不安を抱えているようでは, 幸せに生きているとは言え

   ないからです。

   気功には三千余流派があります。その中で特に一指禅功の人気が高いの

   は, 健康の維持と病気の回復に効果が高いというだけでなく, 一指禅功が,

   「本物の気功師になるための気功」でもあるということだと思われます。一指

   禅功は, 主に上海の気功医師の間で行われている気功です。中国で最初

   に気功麻酔を試みた林厚省師は, 伝説の気功師と云われる, 一指禅功の

   故闕阿水老師の愛弟子の一人です。一指禅功は, 黄仁忠、王瑞亭胡吉

   甫、劉茂林などの多くの一流の気功師を輩出してきました。ということです

   から, 皆さんが楽とはいえない一指禅功を鍛錬するからにはプロの気功師

   となって, 気功で独立開業を目指したいと考えるのは自然の成り行きです。

   それでは, 一指禅功での独立開業は, 実際にはどうなのでしょうか。



   
【 気功で独立開業できるか 医業類似行為 】


一指禅功で独立開業できるのかどうかですが, 結論から先に言えば, 「開業

   できる」ということになります。皆さんはすでにご承知のことと思いますが, 現

   在の日本の医療行為の中で, 気功が「法的に」どのような位置を占めている

   かについて, 再確認してみることにします。まず業務上の医療行為を大別す

   ると, 医業と医業類似行為の二つに分かれます。前者の医業とは、医師法

   により医師のみに認められた医療行為を指します。これに対して, 医業類似

   行為とは、病気の治療を目的として行われる、医師以外が行う医療に類似

   する行為のことをいいます。さらに医業類似行為には, 以下の二つに分類さ

   れています。

   医業類似行為」の種類

   ■法で認められた医業類似行為

   1.按摩マッサージ指圧師

   2.はり師

   3.きゅう師

   4.柔道整復師

   ■法に基づかない医業類似行為(無届医業類似行為)

   1.カイロプラクティック

   2.整体、骨盤矯正

   3.気功

   4.温熱・電気・光線

   5.その他

   「法で認められた医業類似行為」と「法に基づかない医業類似行為」の違い

   は, 日本において公的に認められた養成機関で, 3年以上学んだ後に、国

   家試験に合格して免許を得たどうかにあります。しかしながら気功は, 中国

   では西洋医学と並ぶ, 医療行為の二本柱の一つですし, またカイロプラクテ

   ィックは, アメリカでは国家資格となっています。「法で認められた」と「法に

   基づかない」医業類似行為の間には,治療効果という点で絶対的な境界線

   があるわけではないのです。ただ, 日本は法治国家ですから, 法的な規制

   に関しては十分に注意しなくてはなりません。



  
 【 法的根拠 昭和35年の最高裁大法廷の判決 】


   カイロプラクティックや整体, 気功などの「医業類似行為」をもって, 開業独立

   することのできる法的な根拠は, 昭和35年1月27日に最高裁大法廷が下し

   た判決にあります。「医業類似行為は、人の健康に害を及ぼす恐れのある業

   務行為でなければ禁止の対象にならない」というものです。つまり, 人の身体

   にただちに害を及ぼす恐れのある医業類似行為でないかぎり、職業選択の

   自由の範囲内で認められているのです。最高裁の示した判例は, それ以降

   の行政の行動指針となる最も重みのあるものです。


   □ 追補 最高裁判例の詳細 □

   最高裁判例によれば, 無届医業類似行為は, 「当該医業類似行為の施術が

   医学的観点から少しでも人体に危害を及ぼすおそれがあれば、人の健康に

   害を及ぼす恐れがあるものとして禁止処罰の対象となる」が, 「実際に禁止処

   罰を行なうには, 単に業として人に施術を行なったという事実を認定するだけ

   でなく、その施術が人の健康に害を及ぼす恐れがあることの認定が必要」と

   いうことにります。



   
【二つの法的規制 医師法と薬事法】


   最高裁は, カイロプラクティックや整体, 気功などの「法に基づかない医業類

   似行為」(無届医業類似行為)も認めているので, 一指禅功で独立開業するこ

   とができます。しかしながら, 日本は法治国家ですから, 法的な規制に関して

   は十分に注意しなくてはなりません。 ところで, 按摩・マッサージ・指圧などの

   「法で認められた医業類似行為」と, カイロプラクティックや整体などの「法に

   基づかない医業類似行為」の間には, きっちりと線の引けない曖昧な部分が

   あって, 素人には理解しにくいものです。そこで法的な規制に抵触しないよう

   に, 医師だけにやることが許され, 医師以外の者がやってはいけない, 医療行

   為から見ていくことにします。医師法によれば, 医師は「医学上の専門知識を

   基盤とする経験と技術を用いて診断 (病名を特定し, これを患者に伝える) し,

   処方, 投薬, 又は注射, 外科的手術, 放射線照射等による治療を行うこと」がで

   きます。また「採血, 採尿, 生体組織の顕微鏡検査, 電子機器による検査等の

   検査を行う」こともできます。その逆に, 医師以外の者は「病名の診断, 処方,

   投薬, 注射, 外科的手術」など, すべては許されないということです。


   医師法と並ぶ医療に関するもう一つの法的規制に, 薬事法があります。薬事

   法第12条によれば, 「厚生労働大臣の許可を受けた者でなければ, それぞれ

   業として, 医薬品, 医薬部外品, 化粧品又は医療機器の製造販売をしてはな

   らない」と規定されています。漢方薬でも, 厚生労働省認定のものは, 立派な

   医薬品であり, これを販売すれば, 「医薬品の無許可販売」で摘発されます。

   また, 中国より個人輸入した未承認のものを, 第三者に販売すれば, 「無承認

   無許可医薬品の販売」で, 同じく摘発されます。ようするに気功師たる者は,

   「薬」と称するものには, 手を出さないことが肝要です。「医薬品」については,

   厳しい監視の網が張られているからです。



   
【気功で独立開業するための注意点】


   医師が行う医療行為は, 患者に対する病気の診断に基づいた, 処方, 投薬,

   又は注射, 外科的手術などの「治療」を指します。したがって, 気功の施術を

   行う施設の名前に, 医院, 療養所、診療所、クリニック, 治療院, 診察室など

   の「医療」を行う病院と間違えるような紛らわしい名称を避けことが必要です。

   また, ネットなどの広告には, 「治療」や「治す」という言葉は使えませんので,

   「施術・トリートメント」や「癒す・和らげる」などの表現にするのが無難です。

   気功での施術に際して, 病名を特定し、相手に告げる病気の「診断」は, 医

   師法によって禁止されているので, 「○○病」「○○症」「○○疾患」などの

   診断を下してはいけません。特に強調したいのは, 肩凝りや五十肩などのよ

   うに, 経験的に熟知しているものは別として, 故障の原因が不明な場合や,

   施術によっても改善しない場合には, すみやかに病院での診察を勧めるべ

   きです。なぜなら, 「採血, 採尿, 生体組織の顕微鏡検査, 電子機器による検

   査」等の科学的な検査ができるのは, 医師だけだからです。伝統的な中国

   医学の「四診」(望診・聞診・問診・切診)だけでは, どんな難しい病気が潜ん

   でいるかは判断はできないのです。医師による病名の診断が下ってからで

   も遅くありません。たとえば五十肩などの痛みに対して, 医師ができるのは,

   痛み止めの薬を処方することと, 湿布薬を与えることだけだからです。




** 会員からのメッセージ **********************


■ 会員からのメッセージ 2009.1.07 ■



『立っているだけなのに不思議』 (京都在住 石若丸♂)


   
『お世話になっております、石若丸です。

   気功に生きがいを感じるというか、楽しく日々過ごしております。気功倶楽部

   さんが無ければここまで気功に入り込むことも無かったと思うし、本当に心か

   ら感謝しています。普段の生活の中で気を感じるようになり、体は日に日に

   強くなっているのを感じていましたが、一指禅功は精神にも強く働きかけるよ

   うですね。内気功の第五巻あたりから仕事でも日常生活でも、友人や知人か

   ら「変わったね」と声をかけてもらうことが多くなってきました。最初、自分では

   何が変わったのか分からなかったのですが、まず精神力が強くなってきたの

   を感じるようになり、何があっても動揺が少なくなり、冷静に対処できるように

   なりました。無駄な動きが無くなって仕事の能率までアップしてきました。目

   先の欲や怖れに振り回されなくなって、心が軽くなった気もします。何よりも、

   普通に生きていることに喜びを感じるのは、子供のころ以来かもしれません。

   出会いに感謝です。今後とも、よろしくお願い申し上げます。本当に気功倶

   楽部さんには感謝せざるを得ません。講座の深さも, 安心受講料も革命的で

   はないでしょうか。』




  
 『いよいよ外気功上級に挑戦します』(埼玉 内気弱♂)


  
 『お世話になっております。 

   外気功中級の第10巻功法まで実習してまいりました、内気弱です。先日、

   外気功上級のコース案内をお送り頂きありがとうございました。中級を締めく

   くるためにも、今年一杯、この第10巻の「羅漢神拳」の功法を続けたいと思い

   ます。そして、いよいよ、上級へと入っていこうと希望しておりますが、来月1

   月から配信して頂くということでよろしいでしょうか?

   近況をご報告します。馬歩椿を20分くらい行った後、「羅漢神拳」に入って

   いっております。それ程大きな動きではありませんが、身体が主に前後に往

   復し、たまに、軽くつんのめったり、仰け反ったりします。しばらく揺れに身を

   まかせてから収功して終わります。根本となる馬歩椿についてですが、膝に

   不安があるため、あまり低い姿勢はとれないのですが、最近になって、だん

   だん、「腰を落とす」という感覚が分かってきた感じがします。手足の末端に

   まで、気が流れるという状態になれればと思うのですが、時折、背中にモゾ

   モゾと、虫が這うような感じがすることもあります。』




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 ※気功やこのメルマガの内容に関して, ご意見やご質問がありましたら, 是非
   
お寄せ下さい。お待ちしています。
   
    Email aam13920@nyc.odn.ne.jp  編集  正田 竜二
  



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【バーチャル気功空間 気の世界】月刊
                                   
   発行元: 日本気功倶楽部

監 修 並木克敏 (天地 一道)

編 集: 正田 竜二


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