並木克敏(天地一道)著


「バーチャル気功空間 気の世界」


2001.05.05 創刊












第7章 一指禅功の基礎知識

(07-12)気の効能 (2)

相異なる心の反応 「もう」と「まだ」


2007年5月25日 (No.88号)







【 個人的な気の効能 】


  今まで「気の反応(気感)」には, 個人的な反応と普遍的な反応があり,

   同じく「気の現象」にも, 個人的な現象と普遍的な現象があると書いて

   きた。とすれば, 「気の効能」にも同様に, その人に特有の「個人的な

   効能」と, 誰もが実感することのできる「普遍的な効能」があるのであろ

   うか。その通りである。「普遍的な効能」については, 前回の趙宝峰著

   「健康気功」で触れたので, ここでは「個人的な気の効能」というテー

   マを, 私のささやかな体験に戻り, そこから話を進めたいと思う。科学

   的・客観的に全体像が捉えられていない「気の世界」では, 見たり感

   じたりという実感の伴う体験が, 最も説得力をもつからである。自分の

   体験を通して「個人的な気の効能」を語ろうとすれば, 若い頃からの

   持病であった頭痛が, ある方法で忽然と消えたという経験に触れない

   わけにはいかない。この私の小さな事件については, 第1章入門編の

   「(05)効能(その二)身体的変化 頭痛と風邪」の中で, 初心者らしく

   新鮮な驚きをもって書かれているので, そのまま引用させていただきた

   い。ただし, すでにバックナンバーから読まれた読者が, 「読むんじゃ

   なかった」と後悔させないためにも, 少しだけ注釈を加えさリニューア

   ルさせてあるので, 最後までお付き合いをお願いしたい。



【 持病の頭痛を止める功法 1 】


   『私にも人並みに若い頃から頭痛の持病があった。原因は不明だが,

   頭痛は月に二度ほどの割合で, ほぼ定期的に起こっていた。そういう

   日は最小限の動きにとどめ, 死に体とするしかない。すべて活動停止

   である。入門してから頭痛は一度も起こらず, 収まるかにみえたのだが

   1ヶ月半程が過ぎた頃にまたも頭痛に襲われる。気功のトレーニングも

   効果がないのか, 無念と。このとき運良くというか丁度, 頭痛を止める

   方法を習っていたので, 早速試すことにした。私はかなり好奇心が旺

   盛で, かつ気功に対してはまだ半信半疑でいたので, 師匠から聞いた

   ことは, 好いも悪いも自分の身体で実験して, その真偽を確かめること

   にしていた。お酒に関する注意事項で, 師匠を信用しておけばよかっ

   たという大失敗もあったが。お酒と気功については, いずれ報告したい

   と思う。』 (「(05)効能(その二)身体的変化 頭痛と風邪」より)

   現在, 私の気功に対する態度は, 入門したときほど半信半疑ではない

   にしろ, すべて無条件に信じているわけではない。「気」や「気功」は,

   まだ説明のつかない得体の知れない部分が多いからである。頭痛の

   話のついでに, お酒に関して一言付け加えておくと, 気功をトレーニン

   グする際には, 流派に関係なくアルコールは厳禁である。この決まりを

   守らないと, 今だ経験したことのない, 強烈な頭痛に悩まされることに

   なるからである。嘘だと思う人は試してみるとよい。私もそうしたのであ

   るから。



【 持病の頭痛を止める功法 2 】


   『頭痛を止めるためのトレーニングを20分程行い終了したが, やはり頭

   痛は収まらなかった。頭痛には即効性があると聞いていたが, それほ

   ど信用していたわけではないので, こんなもんかとの思いであった。と

   ころが, ところがである。部屋で静かにしていると, 30分ほど経った頃,

   ふと気がついてみると頭痛は忽然と消えていた。凄い効果だ。今まで

   の経験からすると, 頭痛が一旦起こるとその日に治ることは一度もなか

   った。頭痛が消えるのは, 睡眠をとった翌日の朝であった。この頭痛を

   最後にして, 現在まで数十年間にわたって頭痛を経験したことがない。

   持病からの訣別である。今では頭痛の辛ささえ忘れてしまっているの

   である。』(「(05)効能(その二)身体的変化 頭痛と風邪」より)

   この文章を書いたのは, ちょうど6年前であるが, 今もなお引き続き頭

   痛を経験していない。指にトゲを刺しただけでも, 痛いのは大変ツライ

   ことである。持病の頭痛が消えたということは, 当時とても幸せに感じた

   ものだ。ここで, 「頭痛を止めるためのトレーニング」法とは, 会員の方に

   配信している, 内気功第三巻の「双臀攬月功」のことである。この功法

   は, 頭痛に対して即効性があるだけでなく, 初期の風邪にもまた即効

   性のある優れものである。会員の方には是非とも試していただきたい。



【 心の反応 「もう」と「まだ」 】


   ここまで気の「個人的な効能」として, 身体に与える影響について触れ

   てきたが, 精神面ではどのような影響が考えられようか。「精神面での

   効能」について, 気功の参考書を調べてみると, 「大脳皮質の興奮を

   抑制する」とか, 「交感神経の過度の緊張を緩め, リラックスできる」と

   か, あるいは「α波の出現により中枢神経の休息をもたらす」とある。

   確かに気功を長年続けていると, 精神的に穏やかになっていることは

   実感できる。それでは次のような場面で, 気功は人間の「心」にどの

   ような作用を及ぼすであろうか。演じられる舞台は, 少し前の日本の

   どこにでもあった, あまり豊でないサラリーマンの家庭としよう。一昔前

   のサラリーマンの給料日は, だいたい月末の25日と決まっていた。給

   料日の一週間前には, どこの家庭でも生活費の残りが寂しくなり, 心

   穏やかでない日々を過ごすことになる。そんなときの相反する二人の

   主婦の反応である。一人の主婦は, 財布の中にあと一万円しかない

   と, オロオロして右往左往するばかりであった。もう一人の主婦は, 財

   布の中にまだ一万円もあると, 今月もまた楽勝とばかり涼しい顔をして

   いるのである。この「もう」と「まだ」の違いは, 同じ事柄に対しての相異

   なる反応である。どちらが正しいか, あるいは, どちらが間違っている

   かという問題ではない。後者の「まだ」の方が, 限られた人生という時

   間を, より楽に生きていけることであろう。人の一生は, 決して楽しいこ

   とばかりではないからである。気功を鍛錬し続けると, 心は「もう」から

   「まだ」へと変わることができるから不思議である。




 

** 会員からのメッセージ **********************


■ 会員からのメッセージ ■



『立禅を20分できるようになりました』(大阪 copasetic♂)


   『気功道場様。なんとか20分間の立禅功ができるようになりました。こ

   れは20分で止めるものなのですか?それとも20分以上してもよいので

   しょうか。この前20分以上したときに、体がとても温かくなったのをおぼ

   えています。また指もだらりとしていたのが、意識しなくてもきちっとなっ

   ているので驚いていました。』




   『3分で掌が温かくなる』(長野 スコピー♂)


   『秘伝功法「蓮華功」のPDF版とテキスト版を送ってくださり, ありがとう

   ございます。今日から蓮華功、始めました。いつもの功法より練功時

   間が長いのでちょっと大変ですね。指の下ろす順番も複雑なので、間

   違えないように練功しようと想います。それから最近は特に報告できる

   ような変わった体験はしていないのですが, 強いて言えば、初めの3

   分間の馬歩椿の際、両手がとても暖かくなります。どんなに手が冷た

   くても3分間の間には掌がとても温かくなるようになりました。私は鍼灸

   マッサージの仕事をしております都合上、直接お客さんの皮膚に触れ

   ることも多いので冷たい手ではまずいのです。そんなこともあり、わず

   か3分間で手が暖かくなってくれるのはとてもありがたく助かっておりま

   す。では、今後ともよろしくお願いいたします。』




   『練功しなくても気感がある』(千葉 侃♂)


   『千葉の侃です。早速に補腎強身法をありがとうございます。ここ二ヶ

   月、事情があって、功法を行う精神的余裕がありませんでした。しかし

   逆に、功法ができなかったことで、気功の力をよく感じ取ることができ

   ました。今まではお風呂に入ったときなど, 知らず知らずのうちに両手

   が前にそろうと, 手のひらに気感がいつもありました。他流派の気をめ

   ぐらせる気功の場合は, セットをしないと気感がありませんでした。一

   指禅功はそれを問いません。ですからなおのこと、それだけにすばら

   しさをいよいよ感じることができました。気功をする余裕がなくなってく

   ると, 次第に気感が感じられなくなってきます。一ヶ月もすると功を組

   まないと気感がなくなってきました。おかげさまで、漸くに、周りの状況

   も少しずつ落ち着いてきました。 毎日は無理でも少しでも時間を見

   ながら、立禅功から可能な気功を行って行きます。しばらく立ち止まる

   ことになりましたが、この立ち止まりが、改めて、気功のすばらしさを教

   えてくれました。この気功に出会えたことに感謝いたします。』




   『慢性関節リウマチの病状は安定している』(埼玉 内気弱♂)


   『貴会の会員にさせていただいている、「内気弱」です。今まで内気功

   Cコースにて、第8巻まで一通り実習して参りましたので、ここで区切り

   をつけ、4月より外気功コース初級に移りたいと思います。功法の配信

   をよろしくお願い致します。なお、私の現況ですが、元来鈍い方です

   ので、はっきりとした気感はなかなか得られなかったり、変わった体験

   は未だないのですが、功法のお陰でしょうか、慢性関節リウマチの病

   状の方は安定し、日常それほど苦痛等はありません。』




『気が見えましたね』 (東京 無門♂)


  『花粉症は今年はもう終わりに近づきましたが、ひどい被害にはあわず

   じまいでした。ところで、私にも気が見えましたね。この間送っていただ

   いた「双臀攬月功」の中にあった説明どおりに両手の五指をむき合わ

   せてやってみたのですが、何か煙のような白いものが指の間を流れて

   いるように見えました。ついでに、両手のひらを向き合わせて気を出し

   てみたところ、両手のひらの間にいくつもの白い煙の筋が行きかって

   いるのが見えました。これは気が見えたんでしょうか?今まで、見よう

   としても見えなかったので、なんとも言えませんが。何度かやり直しても

   周りの環境もあるのでいつも見えるとは言えませんが、白い煙が見え

   ます。』


  


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    Email aam13920@nyc.odn.ne.jp  編集  正田 竜二
  



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【バーチャル気功空間 気の世界】月刊
                                   
   発行元: 日本気功倶楽部

監 修: 天地 一道

編 集: 正田 竜二


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