並木克敏(天地一道)著


「バーチャル気功空間 気の世界」


2001.05.05 創刊












第7章 一指禅功の基礎知識

(07-11)気の効能

おおらかな気持ちで長寿を実践


2007年4月7日 (No.87号)







【 気の感覚 手指と腕はアンテナ 】


   気功をトレーニングする過程で, 最初に多くの人が経験することになる

   身体の変化は, 日常生活の中では決して感じることのなかった気の反

   応(気感)である。馬歩椿の姿勢をとると, 気の反応は身体の前方に突

   き出している, 指先や手の平や腕にまず現れる。なぜなら, この部分

   は自然の外気(清気)と交流する最前線であり, 最も敏感なアンテナに

   相当するからである。初歩的な気の反応を感じ始めると, それと併行

   するようにして, 身体にもいくつかの気の現象が現れてくる。誰もが経

   験する「客観的な気の現象」としては, トレーニングを始めてしばらく経

   つと, 顔から胸や背中にかけて流れる大量の汗と, 真っ赤になった手

   の平や爪の色の変化である。さらにトレーニングを続けると, 気の反応

   は, 手指や腕のアンテナ部分から, 顔や胴体にも拡がり, やがては外

   側の皮膚表面から, 経絡や五臓六腑などの身体の深部へと潜行して

   いく。このレベルになると, 「個人的な気の現象」として, 個々人の体調

   と関係する身体の部位に変化が現れてくる。私の場合には, 子供の

   頃から消化器系が弱いということから, 溢れるほどの大量の唾液が分

   泌され, 続いて腸の蠕動が起こり, 最後にガス(オナラ)出て, 練功後に

   お腹がすっきりしたのを経験した。



【 多岐にたる「気の効能」 】


   このように, 「気の反応」⇒「気の現象」⇒そして「気の効能」という過程

   は, 私も含めて多くの人々が経験したことであって, 言わば最大公約

   数ということになる。ところが, 気功は個人差がきわめて大きいので, 誰

   もが「気の反応」⇒「気の現象」を経験してから, 最後に「気の効能」へ

   と至るわけではない。トレーニングを始めると, いきなり「気の効能」とい

   う恩恵を受ける人もおり, そのプロセスは多種多様である。というのも,

   人間という生身の身体は, 機械と違って同じ刺激を受けたとしても, 同

   じ反応を必ずしも示すわけではないからである。同様にして, 読者の方

   が最も知りたいと思う, 「気の効能」についても, あまりにも多岐にわたる

   がために, 今の私の乏しい知識で, 読者の方に分かり易く伝えることは

   かなり難しいのである。そこで, 気功関係の書物やホームページで, 簡

   潔にまとまったものはないかと調べてみることにした。ところが意外にも,

   「気の効能」について書かれたものは少ないばかりか, 担当者によって

   内容がバラバラで, 中医学の十二正経のような, 統一的な見解が見当

   たらないのである。それは, 今だ「気の正体」が不明であるように, 気が

   人体に与える影響を, 正確かつ全体として捉えきっていないことに起因

   しているように思う。



【 趙宝峰(ちょうほうほう)著「健康気功」 】


   その中でも, 趙宝峰氏による「健康気功」(日東書院, 1997年)は, 最高

   のレベルの内容を, 初心者にも理解しやすいように, 平易にかつ簡潔

   に書かれているので, ここで引用させていただくことにする。趙宝峰氏

   は, 劉貴珍の直弟子にあたり, 長らく「北戴河気功療養院」で副院長を

   勤めてきた人物である。日本では一時期, 旧日本気功協会の主任指

   導員として, 流派に偏らない医療気功として, 「気功基礎教育教室」を

   担当していたことがある。そのときの教科書が「健康気功」なのである。

   この本の第2章「驚くべき気功の効果と作用」を開くと, 気功をトレーニン

   グすることによって生じる効果が, 四つの項目に分けて書かれている。

   その項目を列挙すると, 以下のようになる。


   □疾病の治療に用いる

   さまざまな治療に効果がある ガン治療としての効果

   □免疫力を高め, 健全な精神を養う

   健康と長寿をもたらす 免疫機能が改善される 平均寿命が長くなる 

   気功で健全な精神を

   □集中力を高める

   大脳細胞を活性化させる 気功で集中力が高まった

   □トレーニングとしても効果的

   プレッシャーをコントロールする 潜在能力を発揮する


   ※劉貴珍(りゅうきちん)

   劉貴珍の功績は, 歴史的な名著である「気功療法の実践」を1957年

   に著し, それまで練丹, 止観, 布気, 吐納などさまざまな名で呼ばれ

   ていたものに, 「気功」という統一名称を与えたことである。劉貴珍は,

   中国近代気功のパイオニアの一人として位置付けられている。詳しく

   は, 日本気功倶楽部情報室(http://www.pureweb.jp/~aam13920/)

   のメニューから, 『やさしい気功のミニ講座』⇒「(05)気功の名称・医

   療気功の確立をめざして 」を参照されたい。



【 おおらかな気持ちで, 長生きを実践できたら 


   私がこの本を手にしたとき, とても興味深かったのは, 「平均寿命が長

   くなる」と「気功で健全な精神を」の2項目であった。少し長くなるが原

   文での引用をお許し願いたい。「平均寿命が長くなる」では, 『アメリカ

   のホリスという学者は, 平均年齢53歳の中高年者84名に対して, 練功

   する群と練功しない群にわけ, 5年間観察, 研究をおこないました。そ

   の結果, 短期間練功した群の人たちの平均寿命は, 練功しない人た

   ちの群のそれより五歳も長く, 長期間練功した人たちはさらに十二歳

   も長くなったそうです』と書かれている。私は, ホリスという学者を知らな

   いし, たった5年間の観察で, こんなにも重要な結論が導き出されるこ

   とに, 大いなる疑問を感じざるをえない。しかしながら, 気功を30年続

   けている長女が, 80歳になってもなお元気なのに, 気功はおろか他の

   健康法も何もやっていない, 次女以下四女までもが, 病気がちな家族

   を知っている。

   一方, 「気功で健全な精神を」では, 『長寿学者であるHooverLandor

   は「人生延寿法」のなかで, 「人に及ぼすすべての悪い因子のなかで

   最も人の命にかかわるものは, くよくよ思い悩むことと, さまざまな悪感

   情である。それはたとえば, 憂慮, 意気消沈, 恐怖, 貪り, 臆病, 憎し

   みなどである」といっています。気功をおこなえば, 精神活動が活発に

   なり, 高尚な情操を養い, 情緒が安定し, 楽観的になります。そしてそ

   れが, 健康と長寿につながるのです』と締めくくっている。「悪い因子」

   とは, 現代の日本風に言えば, 「ストレス」ということになろう。小さなこ

   とにくよくよせずに, おおらかな気持ちで, 長生きを実践できたら, どん

   なに幸せであろうか, と思うのである。(続く)



 

** 会員からのメッセージ **********************


■ 会員からのメッセージ ■



『花粉症のかゆみが少し抜けるみたい』 (東京 無門♂)


  『まだバーチャル気功道場(内気功)をやり始めて2ヶ月経ったばかりですが

   左右双手抱球功をやっていると花粉症のかゆみがなんとなく抜けていくよう

   に思います。特に手を上下に大きく開いたときに、鼻のむずむずが消えてい

   くのがわかります。多分、気功をやっているからなんでしょうね。』



   『闕阿水老師直伝の秘伝功法』(福岡 マーザル♂)


   『いつもお世話になっております、外気功受講のマザールです。「内勁一指

   禅」の配信ありがとうございました。闕阿水老師の直弟子, 二十余人のうち3

   人しか伝えられなかった秘伝の功法を、この道場で公開していただいている

   こと、本当にありがたく思います。』



   『手穴療法で膝の痛みが消えた』(群馬 上州天狗♂)


   『早速のご回答、有難うございました。先日、右の膝がいたくなった時、手の

   甲、人差し指、第二間接横の膝痛点を3分間、左右とも刺激したところ、2

   〜3日で痛みがとれました。驚きました。現在も毎日、3分間の刺激を続け

   ております。膝の痛みにたいする正式の手穴療法があれば、教えて頂きた

   いと思い、お願い申しあげる次第です。』



   『メルマガの内容が充実している』(栃木 青雲♂)


   『入会から10日あまりが過ぎ、毎日練功をしています。手のひらの気感は最

   初からあります。 メールマガジンのバックナンバーを拝見しましたら、あまり

   にも内容が充実していて、その辺で売っている本の何倍も質が高いので驚

   きました。すべての記事をプリントアウトして綴じて、ゆっくり拝読させていた

   だいております。』


  


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 ※気功やこのメルマガの内容に関して, ご意見やご質問がありましたら, 是非
   
お寄せ下さい。お待ちしています。
   
    Email aam13920@nyc.odn.ne.jp  編集  正田 竜二
  



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【バーチャル気功空間 気の世界】月刊
                                   
   発行元: 日本気功倶楽部

監 修: 天地 一道

編 集: 正田 竜二


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