並木克敏(天地一道)著


「バーチャル気功空間 気の世界」


2001.05.05 創刊












第7章 一指禅功の基礎知識

(07-10)気の現象

身体に生まれる気の感覚, そして現象


2007年3月7日 (No.86号)







【 身体に生じる気の感覚 】


   一指禅功に入門して馬歩椿の姿勢で立ち続けると, 通常は3週間ほ

  どで手指のしびれや腫れぼったいような気感が生じ, さらに数週間トレ

   ーニングを続けると, 両腕の間に磁石のような反応を感じることになる

   と, 前回のメルマガで書いた。気功は, 漢方薬と同じように「継続こそ

   が力である」から, この程度では満足しないで, 飽きずにトレーニング

   を続けていくと, その後も「気」の反応は進化?を続け, 皮膚表面から

   やがては身体の内部へと及び, 言葉では説明できないほどの多種

   多様なものとなっていく。しかしながら, 気感があるかどうかは, トレー

   ニングする過程で生まれてくる身体の感覚であって, これは個人差や

   男女差がきわめて大きいのである。気感について一般化して云えば

   男性より女性の方が感度が高く, 健康なスポーツマン&ウーマンより

   病弱な人の方がより敏感である。自分の身体の些細な変化にも, 常

   に注意を払う必要があるならば, その人の感覚は自然と敏感になら

   ざるをえない。というわけで, 気感が強いからと云って, ことさら自慢す

   ることでもないし, その逆に, 気感が弱いからと云って, ことさら悲観

   することなかれである。気感が強い方が, より人生が面白いというだけ

   の話なのである。



【 身体に起こる「個人的」な気の現象 】


   問題は, 個人差のきわめて大きな気感のある無しではなく, 気功の鍛

   錬が身体や心にどのような好ましい影響を及ぼすか, つまり気功の効

   能にあろう。ところが, 気功の効能は, 漢方薬と同じように, 直ぐに効き

   目が実感できるわけではない。トレーニングを始め, 効能がはっきりと

   実感できるようになる前に, その前兆として, 身体にいくつかの「気の

   現象」が現れてくるのである。私のささやかな個人的な体験を云えば

   第1章の「入門編」で書いたように, トレーニングを始めてしばらくして

   練功中に唾液の量が増え, やがて腸の蠕動が起こり, 今にもガスが

   噴出しそうになったことである。気功を始めたばかりの段階で, 身体に

   起こったこれらの現象は, 自分でも胃腸の働きが弱く, 消化器系が弱

   いと自覚していたことと一致している。気功をトレーニングすることによ

   って, 消化器系に関係する経絡が調整され, そして改善され始めたの

   であろう。もし, 別の部位に故障があったならば, 身体に起こった現象

   は, これとは様相を異にしていたに違いない。



【 身体に起こる「普遍的」な気の現象 その一 】


   身体の一部に故障があり, それに伴って起こる気の現象は, その人に

   特有なものであり, 「個人的な気の現象」と云うべきものである。ところが

   トレーニングを始めれば, 誰の身体にも起こりうる「普遍的な気の現象」

   もまた確実に存在している。自分が修行の身の上で, 周囲に目配りす

   る余裕のない時代には, はっきりとは気付かなかったのだが, 指導され

   る側から指導する側に立ったとき, 誰もが初めに体験する最も素朴な

   気の現象があることを知った。それは, 手の平に出現する。もし, 貴方

   が一指禅功のトレーニングをした後に, 両手を拡げて見るならば, 手の

   平全体が異常なほど真っ赤になっていることに気付くであろう。赤みが

   差すというほどの赤ではない。それは日常生活の中で, 今まで見たこと

   がないほどに強烈な赤色である。そんなわけで, 練功によって手の平

   が真っ赤になることを知ってから, 新しく入られた生徒さんの手の平をこ

   とさら注意して眺めてみた。正しい馬歩椿の姿勢とは云いがたい人で

   も, ほとんど例外なく手の平は真っ赤なっているのである。この誰の身

   体にも起こりうる「普遍的な気の現象」は, 一体何を意味するのであろ

   うか。



【 身体に起こる「普遍的」な気の現象 その二 】


   それでは手の甲はどうかと, 手をひっくり返して見ると, 手の甲そのもの

   には格別変化がないのだが, 親指から小指までの爪甲の部分は, 手

   の平と同様に真っ赤になっていた。読者の方はご存知のように, 爪は

   健康判断をするうえで, よく引き合いに出される部位である。東禹彦氏

   の 『爪は病気の警報機』 (1997年 祥伝社) によれば, 『指先には動

   脈と静脈の毛細血管が多く張り巡らされており, 血量が多いうえに, 透

   明な爪甲のため, この血量の変化が読み取りやすい』というのである。

   この言葉を借りるならば, 練功によって爪甲が真っ赤になったということ

   は, 指先にある毛細血管の血量が増えた証拠ということになる。さらに

   云えば, 手の平が真っ赤になったということは, 手の平全体の血量もま

   た, 増えたということである。身体をほとんど動かすことのない, 馬歩椿

   の姿勢をとるだけで, 血量が増えるのである。血液は, 酸素と栄養分を

   身体を構成する60兆個の細胞に送り届け, 炭酸ガスと老廃物を回収

   する。その生命維持に絶対不可欠な血液の循環を, 馬歩椿は促進さ

   せる働きがあるのだ。


 

   
    

** 会員からのメッセージ **********************


■ 会員からのメッセージ ■


『ツボが開いた?』 (東京 タカミ♂)

   『内気功を今年1月から、再度、初めからしています。病気治療で中断
   していました。二月は、双手抱球功をしていますが、本日、先ほど、以
下の状態になりました。

   (1)起勢 5分 右側頭部(側頭葉)が、だんだんじわじわする。    
   (2)手指按動法の終了間際、右耳にプシューと空気の抜ける音が続く。
   (3)収功に入っても続き、収功が終わる5分後ぐらいで音が消えました。
   右腕の中がすっきりした(スーットした)感じです。ツボが開いたんでし
   ょうか?』



   『その1 入会の理由』(大阪 MS♀)


   『私が始めて気に興味をもったのは, 昨年一度だけヨガの先生から気
   の鍛え方みたいなのを教えてもらってからなんです。簡単な方法なん
   ですが、手をこすり合わせてそれを少しづつ放していき, どこまで暖か
   さ(気)が分かるかって感じのものなんです。暖かさは、分かるけどこれ
   が気なのか?どうかは分からないまま時々そんなことをやっていました。
   去年の夏に, たまたま外気功?を少しできる人に出会いました。私の
   肩に手を置いただけで冷たいところ(悪い所)が分かるっと言うのです。
   かなりの眼精疲労っと言われ, 首の辺りが張ってるから, 自分でも揉み
   解すといいと教えてもらいました。また気が流れていない, とも言われま
   した(気????)。  肩に手を置かれた時、自分の手が少ししびれ
   る感じが分かりました。その後、自宅でヨガの先生が教えてくれた気の
   鍛え方をやったとき, 手を少し揺らしてみると、しびれる感覚が手のひ
   らに伝わり、特に、左手からの反応が強かったんです。眼精疲労から
   きているという首のコリを, 右手で軽く押し左手に力を入れて上からか
   ざすと, コリがプチプチはじける経験をしました。このとき、私の手から
   何かでてる?よ〜く見てみると、手から何かでているのが見えました。
   それでインターネットでいろいろ検索し、そちらのサイトに出会い, 立
   禅に興味をもち入会する決心をしました。』



   『その2 頭の上に人と同じ形をした光が見える』(大阪 MS♀)


   立禅を始めて一月ほど経ちます。少しづつ慣れてきて随分リラックス
   できるので, 立禅を楽しみに毎日励んでいます。人間関係などいろい
   ろとストレスがあったのがうそのように, 立禅を始めると頭の中が空っぽ
   になり落ち着いた気持ちになり、気のせいか疲れにくくなったような気
   がします。(1ヶ月ぐらいでそんなに簡単に疲れにくくなったりするもの
なんでしょうか?) 
   2・3日前からなんだか日中も頭の中がリラックスしたような状態が続き、
   立禅中にその意識のまま鏡の前の自分を見ると, 頭の上に人と同じ形
   をした光のようなものを見てしまいました。目の錯覚かなと思ったんです
   が、よく見てみるとやっぱり頭のあたりの光が炎のように, すこしメラメラ
   した感じになっていたので、ほんとうに何かが見えてしまいました。これ
   は、なんですか?正常な反応なんでしょうか? 気が見える存在だと
   気づいたのは、去年の9月からで, なんだか踏み入れては行けないも
   のに足を突っ込んでしまったようなそんな気持ちです。
   ところで、立禅は一日何回もやっていいものなんでしょうか?立禅中に
   足の曲げる角度を20分ぐらい経過したらもう少し深くしているんですが
   途中で動かしても大丈夫ですか?サイトを見ると偏差という言葉が出
   てくるので勝手に判断してやるのが恐いです。質問攻めですみません。
   誰にも相談できる人がいないし、偏差も恐いし、先ほどのメールしたつ
   いでに疑問に思うことを解消したいと思い長々と記入してしまいました』


  


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お寄せ下さい。お待ちしています。
   
    Email aam13920@nyc.odn.ne.jp  編集  正田 竜二
  



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【バーチャル気功空間 気の世界】月刊
                                   
   発行元: 日本気功倶楽部

監 修: 天地 一道

編 集: 正田 竜二


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