並木克敏(天地一道)

「バーチャル気功空間 気の世界」

2001.05.05 創刊




第2章 潜在能力の開発
   
   
(02-09) 内気外発の体験
意外にも本人の手の平は無反応 (No.25)

   

2002.05.10
   


   【初めての内気外発】

   
   
内気外発(気を出すこと)を初めて体験したのは, 入門してから一年半余り経

   ってからであった。それまでの一年間は, 「内気功」で健康の維持と体質の改

   善を計りながら, 数々の不思議な体験をし, 気功というものの何んであるかを

   おぼろげながら理解したように思う。急がず焦らず, 内気を充実させてから,

   次のステップへ進むのが気功の正道である。「外気功」では, 気功師として必

   要な基礎的なトレーニングをする一方で, 気功治療のテクニックや中医学の知

   識をなどを学んできた。特に, 外気功のトレーニングは独特のもので, その功

   法の一つ一つが普通人の身体から気功師の身体へと作り変えていくというもの

   だった。自分の身体が作り変え, 練り上げられていくのを実感できる。そして

   今, 師匠より念願の気功治療の許可が下りたのである。とはいえ, この段階で

   私ができる気功治療のメニューは, 肩凝りと腰痛のたった二つだけである。い

   や, できるのではない, もしかするとできるかも知れないという, 心細いもの

   なのだ。師匠は, 肩井穴などいくつかのツボの採り方と, 気の流し方の実演を

   見せてくれただけで, あとは勝手にやってみろという。背中までも掻いてくれ

   る日本人の指導とは違って, 中国人というのは, 結構荒っぽいものだという印

   象を受けた。それでも私は新しい実験大好き人間なので, 躊躇することなく患

   者という犠牲者を捜し求めた。しかし肩凝りは, 日本人にはよほど多いとみえ

   て苦労することなく直ぐに見つかった。


   


   【手の平に反応なし】

  
   
25歳の独身女性が, 最初の私の患者?であった。聞くところによると, 困った

   ことにこれが筋金入りの肩凝りなのである。先週, 針治療をやったが全く効果

   がないという。私にはとても手に負えそうにもないではないか。最初なんだか

   ら少しだけ肩が凝っている人がいいのにと, そのとき身の不運を感じた。言い

   出した以上は引くに引けない意地がある。ノートを見ながら, 師匠の実演を頭

   に描いて最初の気功治療を始めた。まずは百会穴へ発功し, 次いで風池穴, 肩

   井穴へと手順通りに気を送っていった。彼女に気の反応を尋ねてみたら, 首や

   肩がポカポカと温かいと言う。気が出ている証拠である。これは私が初めて気

   を出した瞬間であった。しかし, 私の手の平には不思議なほど何の反応もない。

   これは, まったく意外であった。練功中にあれほど強い反応があったのに, こ

   れはどうしたことか。気を出すということは, こんなにも実感が伴わないもの

   なのかと驚いた。とはいえ, 温かいとか, しびれるとか, というような反応が

   あれば, 改善される可能性が高いと師匠から聞いていたので, もしかしたら成

   功したのではと期待した。




   【グッタリして焦る】
   
   
   
収功(トレーニングや治療を終えるときの動作)して気功治療は終了した。肩

   の痛みが消えたのではないかと尋ねようとした瞬間, 彼女はグッタリとテーブ

   ルに伏せてしまった。身体が重くだるいという。その姿は見ていても疲労こん

   ぱいして, いかにもつらそうであった。どうなっちゃったのか, いっこうに訳

   が分からない。マニュアルには, そういう状態になる可能性も, またその対処

   の法も記されていない。彼女の身体に何か悪いことをしてしまったのかと, た

   だ焦るばかりであった。それは, 泡を吹いてもがき苦しむ癲癇の患者を前にし

   て, どうしていいのか分からず, 手をこまねいている人に似ている。やるんじ
  
   ゃなかったという反省が頭をもたげる。

   しばらくは, 黒く重い沈黙の時間が流れた。そのとき, 彼女はテーブルから身

   体を起こし, もう一度試して欲しいという。敗者復活のチャンスである。自分

   からは, もう一度やらせてという勇気は全く起こらなかったので, なによりの

   救いであった。幸いなことに, 二度目は何事もなく順調に肩の気を通すことが

   でき, 軽くなったと喜んでくれた。曲がりなりだが一応, 小成功である。それ

   にしても, 気がこんなにも人体に影響を与えるものかと驚くと共に, 生半可な

   経験や知識で気功治療することの怖さを身をもって知った。未熟な者が気功治

   療をすべきでないし, 未熟な者から気功治療を受けるべきではない。それはあ

   まりにも危険である。


   

   【リラックスが大切】

   
   
彼女がグッタリしてしまった原因はどこにあるのか, 直ぐに師匠に教えをこう

   た。しばらく考えていたが, 師匠から「相手を緊張させなかったか?」との指

   摘を受けた。確かに, 彼女とは親しい間柄ではないし, しかも部屋には二人し

   かいなかった。改めて考えてみれば, 彼女を緊張させる条件は整っていたので

   ある。師匠曰く「気功治療でまず最初に心掛けることは, 相手をリラックスさ

   せることである」と。緊張すると気がスムースに流れず, 身体が重くだるいな

   どの偏差が生じるとのことであった。気功のトレーニングするときも, リラッ

   クスすることが最も大切な原則であったように, 気功治療のときも同様に, 発

   功者も気の受け手も, 共にリラックスすることが必須の前提であることを, こ

   こで学んだ。これ以降このような偏差を再び経験することはなかった。最初で

   最後?の経験となった。それにしても, もしこの疑問に答えてくれる師匠がい

   なかったら, どうなったのか。気功には, 相互のコミュニケーションが絶対不

   可欠なのである。

   


*** 会員からのメッセージ ********************


『身体を貫くような気感あり』
   
   『何時もお世話になっております。練功の報告をします。第二巻までは, 時々
   
手のひらを指先ほどの太さの棒でなでられるような感覚が時々ありましたが、
  
 ボールができる感覚まではいかず, 気感が不安定でした。第三巻をおおくりい

   ただいてから、気感がいろいろうまれてきました。気感も安定して、ずいいっ
 
  とからだを貫くような感覚です。 暖かい空気の棒が両手の魚際穴から喉や鼻

   をつらぬき、頭のうしろまでとおっているようです。 嬉しくなって,第二巻
 
  にもどってみましたが、こちらのほうの気感はすこし強くなったカナという程
 
  度でした。この不思議なことが,自分にもおきたということはとても励みにな

   りました。これからも精進したく思っております。』

   (アメリカ在住 Yさん♂)



** 購読者コーナ ************************
 
 
 『鳥肌が立つほど見えました』
   
   『「気の視方」ありがとうございました。娘と二人で見ました。私は左手の方が
  
 大きく出ていました。娘は若いからでしょうか、私よりはっきり出ていたようで
   
す。気は体全体から出ているのでしょうか? オーラは気のことなのですか?な
  
 んだか不思議です。娘は鳥肌がたつうウウウウと驚いていました。教えていただ

   きましてありがとうございました。』(T.Kさん)

   
 『気の見方は知っていました』
   
   『気の視方、送信ありがとうございます。この方法は随分前〔10年ぐらいまえ)
  
 に結構やりました。最初視えた時は感動したのを覚えています。では失礼いたし

   ます。』(S.Sさん♂)



   ※気功やこのメルマガの内容に関して, ご意見やご質問がありましたら, 是非
   
お寄せ下さい。お待ちしています。
   
    Email aam13920@nyc.odn.ne.jp 編集 森澤陽子(准指導員)
  



      
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        【バーチャル気功空間 気の世界】隔週  
                                   
    発行元: 日本気功倶楽部
   監 修: 天地 一道
   編 集: 森澤 陽子


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